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18.勇者ビズリー、魔王の側近に土下座して命乞いする



 暗殺者ヒカゲのもとを去ってから、幾日が経過した頃。


 勇者ビズリーは、奈落の森アビス・ウッドを抜け、魔王の統治する【魔族国】へと、単身やってきていた。


 勇者ビズリーには【高速移動】というスキルがある。常人では考えられない速度で移動できるスキルだ。


 このスキルを使い、ビズリーは魔王の膝元までやってきたのだ。戦闘をすべてさけ、ただひたすら、魔王のみを倒すために……。

 そして夜。

 ビズリーは魔王城近くの、森の中で、野営をしていた。


「いよいよだ……明日、魔王城に到着する。そこで魔王を倒して……英雄王に認めてもらうんだ」


 たき火を囲みながら、ビズリーが暗く微笑む。その目はギラギラと狂気に輝いていた。


 すでに彼の頭には、魔王を倒した後のことしか考えていなかった。


「魔王を単独で倒せば……きっと英雄王は、ヒカゲより僕の方がいいって言ってくれる。そうだよ……僕が、僕だけが英雄王に認められれば良いんだ」


 ほの暗い笑みを浮かべるビズリー。


「魔王なんて楽勝だ。だって僕は、女神の力を得た、最強の勇者なんだぞ? 絶対に負けるわけがない!」


 ……ヒカゲに負けたのだが、それはカウントしていなかった。人間相手に負けたからなんだ? 勇者の使命は魔族の王を倒すことだ。人間同士の小競り合いで負けようが、関係なかった。


「ふふっ……そうさ。僕には【退魔の聖剣】があるんだ。これさえあれば魔王なんて、楽勝だ!」


 聖剣は対魔族用の兵器だ。人間には作用しない。そう、だからヒカゲに負けたんだ。ただそれだけだ。


「明日……僕は伝説になる。見ていてください英雄王! 魔王なんぞ雑魚を倒して、勇者があなたのもとへ凱旋しますからね!」


 ……ビズリーが調子に乗っていられたのは、ここまでだった。


「ん? なんだ……? 人か……?」


 ビズリーが野営をしていると、森の奥から、誰かが歩いてくるではないか。


 ……背の低い、女? いや、男?

 黒い髪の毛は長く、顔つきもどちらかと言えば女性っぽいが、体つきはがっしりしている。


 剣士なのか、腰には1本の刀を携えている。服装は実に貧相だ。麻布の【キモノ】を着ている。


 黒髪の剣士は、目を閉じている。

 だが一切躓くことなく、スムーズに歩いている。


 ビズリーは最初その剣士を、魔族たちに捕まった、人間の捕虜だと思った。


 だからそいつを助けてやろうと、ビズリーは立ち上がった。


 そして一歩、剣士に近づいた……そのときだ。


 ゾクッ……!!

 強烈な殺気を、剣士から感じたのだ。


 剣士は剣を抜いていない。構えも取っていない。だが……相対した瞬間、とてつもないほど強烈に【死】を感じた。


 ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! 


 呼吸が、荒い。

 体の震えが、とまらない。


 じょぼぼぼ……っとすでに、小便をもらし、そして大便すらも情けなくたれながしていた。


 だがそんなみっともない姿をさらしていたとしても、ビズリーは羞恥心を覚えていなかった。そんな暇はなかった。


 目の前のバケモノが、怖くて仕方なかった。


 ーー【魔王】だ。


 ビズリーは直感した。


 目の前にいるのは、魔王だ。


 きっとそうだ。こんな強烈な【圧】を感じたことなど、一度もなかった。


 魔王四天王よりも遥かに強い、【強者】。こいつが魔王じゃなかったらおかしいかった。


 黒髪の剣士、【魔王】がこちらに近づいてくる。

 その額はに、【つの】が生えていた。青く輝く1本の角だ。

 

【魔王】がビズリーのそばまでやってくる。

 もう、立っていられなかった。


 尋常ならざる魔力量。そして殺気を前に、ビズリーは立っていられなかった。


「……勇者、か?」


【魔王】はビズリーを見下ろし、ひとこと、そう言う。


「おげぇえええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」


【魔王】が言葉を発しただけで、ビズリーは嘔吐した。


 やつの声を聞いただけで、精神がやられてしまったのだ。すでに立ち向かう勇気など微塵もなく、ただただ、体を震わせるばかりだ。


 ……ダメだあれは勝てない。人間がまともにやって、かなう相手じゃない!


 ビズリーはそう思った。

 だから……。


「お願いします魔王様!!!」


 バッ……! とビズリーは、地面に膝と手を、そして頭をつく。

 

 土下座のポーズで、こう言った。


「ぼくを魔王様の、仲間にしてください!!!!!!!!!!!!」


 ……そう、命乞いだ。

 絶対に叶わない相手を前にして、ビズリーが取ったのは、【寝返ること】だった。


 言葉を聞いただけで、死にかけた。そんな相手とまともに戦えるわけない。


 そして、戦わずともわかる。

 この【魔王】は、強いなんてレベルを、はるかに超越している。


 まともに戦ったら……確実に死ぬ。


「……仲間、だと?」


【魔王】が平坦な調子で言う。


「そのとおりでございます魔王様! ぼ、ぼく勇者は、魔族側につきます!!!」


 ビズリーは土下座した状態で、必死になって言う。


「ぼ、ぼくを仲間にすると、魔王様にとっていいことがありますよ!」


「…………」


【魔王】が聞き返す前に、具体案を提示する。


「勇者の仲間の居所をぉ! ぼくは知っていますぅ! 人類最強の勇者パーティ全員の居所、弱点など、詳細な情報をあなたさまに教えることができますぅ!」


「……それが、どうした?」


【魔王】がまた、感情を表さない調子で言う。不快に思っているのかすらわからない。

 だが興味を持ってくれたのは確かだ!

 生き残れる! 


「情報は武器でございます魔王様ぁ! やつらが弱い部分をつけば楽々とやつらを倒せるでしょぉお! 勇者パーティ以外の人間なんぞ雑魚ばかり! あとは容易く人間たちを征服できるに違いありません!!」


 ビズリーは必死だった。

 生き残る道を、必死になって探してた。


 みっともない姿をしているなんて、気にしていなかった。……そう、これは生きるためなんだ。


 今は、無様な姿をさらしてやろう。

 だがそれがどうした!


 生きていれば、なんとかなる。

 生きてさえいれば、また何度だってやり直せる!


 これは作戦なんだ。勇者一世一代の大博打なのだ!

 自分が仲間になったと油断させ、魔王を討つ!


 そのために多少の犠牲(勇者パーティ)がでるのはしょうがない。


 すべては大義のため。

 最終的に魔王を倒せれば良いのだ。


 だから今は、こんなみっともない姿で、命乞いをしている。


 けれど勘違いしないでください、英雄王!


 ビズリーは心の中で弁明する。

 これは作戦なのです。魔王を油断させて倒すための、非常に高度な駆け引きなのです!


 ……やっていることは、保身に過ぎなかった。

 口で、心でそう言っていても、体が完全に、魔王という巨悪を前に萎縮していた。


 戦うという選択肢を放棄していた。

 人類を救う、希望が。


「…………」


【魔王】は無言だった。ざっざっざっ、とビズリーに近づいてくる。


「……貴様、名は?」


 ビズリーは顔を上げた。やった! やったぞ! 作戦は成功だ! 向こうが興味を持ったぞ! 


「ビズリーでございます、魔王様!!!」


「……ビズリー」


【魔王】は静かに、腰の刀の柄に、手を置いた。


 そして、手を離した。

 それだけだった。


 ……ボトッ。


「………………え? ぎっ、ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! う、腕がぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 ビズリーの両腕が、いつの間にか、切断されていたのだ。


 腕だけじゃない。両足も、膝から下がいつの間にかなくなっている。


 ……刀を抜いたそぶりを、【魔王】は見せなかった。なのになぜ!?


「痛゛い゛ぃ゛ぃいいいいいいいいいいいいい! 痛゛い゛よ゛ぉ゛おおおおおおおおおおおお!!!!」


 両腕両足を失ったビズリーが、まるで芋虫のように、醜くのたうち回る。


【魔王】は右足をあげると、そのままビズリーの背中を、勢いよく踏みつけた。


「……ビズリー。貴様はふたつ勘違いしている」


「ぁぇ?」


「……一つ目。そうやって卑屈な態度を取っていれば、私が気を許し、貴様を仲間に入れると勝手に思い込んでいることだ」


【魔王】がまた、刀の柄に手を置く。


 ……ぼとっ。

 ……ぼとっ。


 今度は片耳と、そして片目が切断された。

「あげぎゃぁあああああああああああああああああああああ!!!」


 ビズリーが叫ぶ。痛みでどうにかなりそうだった。

【魔王】はビズリーの髪を掴んで、耳元で言う。


「……ビズリー。勇者だろう、なのに……貴様は……貴様はッ……!!! 人類の希望のくせに、仲間を売るとはどういうことだッッッ!」


【魔王】は純粋なる怒りの感情を、ビズリーにぶつけてきた。


「……そのような汚いまねをするやつを、私が【あのお方】の仲間にすすめるはずがないだろうが!?」


 勇者は理解できなかった。

 なぜ魔王が、勇者の行いを非難してるのだ……?


 汚いまね。たしかに客観的に見ればそうかも知れない。だが……なぜそれを、敵であるこいつが怒っているのか? 非難してるのか。


【魔王】はビズリーの髪をはなし、彼の顔を乱暴に蹴る。


「恥を知れ! この……」


【魔王】は言う。勇者に。かつて、彼自身が、口にした言葉を。


「この……卑怯者がぁ!!!!!」


 ……卑怯者。

 それはかつて、勇者が仲間の暗殺者に放った一言だ。


 卑怯者。……自分が、卑怯者、だと?


「………………ざ、けんな」


 先ほどまで喪失していた戦意。

 だが今は、その心に、はっきりと、戦意の炎が宿っていた。


「ふ、ざけんな……だれが……誰が誰が誰が卑怯者だぁああああああああああああああああああああああああ!?」


 もう作戦なんてどうでも良かった。

 こいつをぶっ殺して、間違いを正したかった。


 そう、自分は卑怯者ヒカゲじゃない。勇者だ! 勇者ビズリーなのだ!


 ビズリーは口で聖剣のグリップをかみ、【魔王】めがけて、思い切り投げつけた。


「死にさらせ魔王ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 退魔の剣が、【魔王】めがけて高速で飛来する。


 聖剣には魔王を殺す特別な加護が備わっているという。あれが当たれば、いくら魔王であろうと死ぬ!


 当たれ! ……と願うビズリー。

 一方で【魔王】は、また刀の柄に手を触れて、離した。


 ふっ……。


 と、聖剣が、消えたのだ。


「はえ……? はれぇえ~?」


 投げつけた聖剣が、どこにも見当たらない。

 壊されたのか?

 いや、なら破砕音がするはずだ。


 奇術のように、聖剣が消失した。

 いったいぜんたい、どういうことだ……?


 わからない。何かのトリックだろうが。

 しかし一つ確実なことがあった。

 ……もう、【魔王】を倒す武器がないということだ。


「……ビズリー。貴様のもうひとつの間違いを教えてやる」


 目を閉じていた【魔王】が、ビズリーを見ろおろして言う。


「……私は、魔王ではない」


「……………………はぇ?」


 ビズリーは、耳を疑った。

 こいつは、【魔王】は、なんていった?


「……私は、魔王ではない。貴様が、勝手に思い込んでいた、だけだ」


「…………」


「……私は、魔王様の側近。左腕。【剣鬼】という」


【魔王】……否、剣鬼は静かな調子で言う。

 勇者はそれを聞いた瞬間……発狂した。


「あひゃ、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!!!!!!」


 もう無理だ。

 勝てない。

 人間は滅びる。


 ……だってこんなにも強く、圧倒的な敵が、魔王ではないのだ。ナンバー2なのだ。

 かてるわけがなかった。

 勇者が策を用意してもかてない。

 ヒカゲという勇者を越える最強がいたとしても、絶対に無理だ。


 なぜなら魔王は、この剣鬼より強いからだ。


「終わりだ終わりだぁっひゃぁああああああああああああああ! 人類は滅亡しましたぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


「……うるさい」


 剣鬼は刀の柄に手を置く。

 そして……手を離す。


「あぱ……………………………………」


 勇者はその瞬間、絶命した。

 勇者の体が、消失していたのだ。


 正確に言えば、首から下が、跡形もなく消えているのだ。


「…………」

「いやぁお見事お見事! さすが魔王軍最強の剣士でございますッ!」


 そのときだった。天空から、1羽の鳥が降りてきたのだ。


 人間サイズほどある大きな鳥だ。

 体が炎になっており、常に燃えている。


「……ドランクス、か?」

「さようでございます! 魔王四天王が最後のひとり! 不死鳥のドランクスでございます!!」


 ドランクスは剣鬼の前で、人の姿へと変化する。


 赤い髪をし、白衣に身を包んだ女性が立っていた。


「いやぁ実に見事! 剣鬼様の絶技はいつみてもほれぼれしますなぁ!! うんうんさすが魔王軍最強の剣士だ!!」


「……用件は、なんだ?」


 ドランクスが「おっとそうでした」といって居住まいを正す。


「魔王様からの伝言です。その勇者は消すなと」

「……なに?」


 ぴくっ、と剣鬼が眉間にしわをつくる。


「……なぜ、だ?」

「このクズは利用価値があるからです。ここで死なせるのは実に惜しい!」


 ドランクスはしゃがみ込んで、勇者の頭をツンツンとつつく。


 明らかに、勇者は死んでいるというのに、ドランクスはまるで死んでないかのように言う。


「……そんな死体、どうする?」

「おーやおやおや剣鬼様ともあろうお方が、仲間の能力をお忘れとはいやなんとも嘆かわしい!」


 剣鬼が顔を不快そうにゆがませる。

 そして殺気を向ける。


 ……勇者は一発で戦意を失った。

 しかしドランクスはニコニコしたままだ。

「……なに、する?」

「いやなに簡単でございます」


 ドランクスは自分の手首を、シュッ……! と片方の手で切り裂く。


 静かに血が流れる。


「ワタクシは不死鳥でございまするよ!」


 ドランクスは勇者の頭を持ち上げ、その口に、自分の流した血を飲ませる。


 すると……。


 ずぉおッ…………!!


 と、勇者の首から下が、【生えた】ではないか。


「カハッ……! はぁ……はぁ……こ、ここはぁ……?」


 死んだはずの勇者が、息を吹き返したのだ。


「不死鳥ドランクスには死者蘇生の能力と、そしてたとえ肉片1つからでもすべてを再生できる強力な回復術をそなえているのですよー?」


 ドランクスがニヤニヤと笑いながら言う。

 剣鬼はきびすを返すと、そのまま来た道を戻る。


「おや素直に命令に従うんですね。このクズがお嫌いじゃなかったのですか? 殺したくないの? ねえねえ殺したくないの?」


「……魔王様の、命令だ」


「あーっそうですかそうですか」


 ドランクスは勇者に向かって微笑む。


「さてビズリーくん。悪いけど君にはひとつしか道は残されてないんだないや災難だったねぇ」


「な、なんなんだよ……いったいぼくに何させるって言うんだよ!?」


 困惑する勇者。

 ドランクスはニヤニヤと笑う。


「いやね、君にはあの邪血の姫を取り返すという重大な任務がまかされたわけだ」


「邪血……?」


「簡単に言えば、ヒカゲくんと戦ってもらう役を君に任せたいってことよ」


「ヒカゲと……戦う?」


 そうそう、とドランクスがうなずく。


「よかったねー、きみみたいな生きてる価値のないくずを、魔王様は再利用してくれるって言うんだ。いやぁお優しいかただようんうん」


「…………」


 もう……わけがわからなかった。


「あー皆まで言うな。きみがヒカゲくんに勝てないことは重々承知しているよ。だ・か・ら~」


 にぃ……っとドランクスが笑う。


「君を改造しようと思うんだ♡」

「かい、ぞう?」


「そー! ワタクシの別名は【狂科学者マッドサイエンティスト】! 体をいじくるのだーいすきな科学者なわっけ~!」


 実に楽しそうに、ドランクスが笑う。

 ……その笑みはいびつだった。狂人のそれだった。


「ワタクシね~。人体をいくら粉々にしても能力を使えば再生できるでしょ~。だから昔っから解剖とか大好きでさ~♡ 脳みそ開いていじくったり、体のパーツをきったりつけかえたりするのだぁいすきなわ・け~♡」


「い、やだ……やめろ! やめろよぉおおおおおおおおお!!!」


 ビズリーは逃げようと思った。

 何をされるのか、具体的にはわからない。

 だがロクデモナイことが待っているのは、確実だった。


 だが……。


「う、動かない!? なんで!?」

「さぁなんででしょ~♡ ヒントはこっちら~♡」


 いつの間にか、ドランクスの手には、注射器が握られていた。


「だーいじょうぶちょぉっと神経を麻痺させる毒を注入しただけだから。あ、これくらいじゃあ死なないよ♡ ま、死んでも生き返らせてあげるからね♡」


「ひっ、ひゃ……や、やだぁああああああああああああ!!!」


 逃げようとするビズリーだが、体がまったく動かない。


 ドランクスは勇者の髪を乱暴に掴み、ずりずり……と引きずりながら歩く。


「さー楽しい改造のお時間だ♡ なーにしよっかなぁ。まずは頭蓋骨ひらいて脳みそいじらないとね! 理性のリミッターをカットして狂戦士バーサーカーにしよう。そして体のパーツも魔族のそれと入れ替えないと……くぅ~~~~~~! やることいっぱい! たーのしみ~!」


 鼻歌を歌いながら、狂科学者がビズリーを連れていく。


 行き先は魔王城。

 魔の王のおわすところの足下に、ドランクスの研究室がある。


「きみ雑魚だからさぁ、ワタクシがいっぱい改造しまくってあげる♡ あ、でも死ねないからね♡ 死にたいって思っても死なせないから♡ なーにせ不死鳥ワタクシの血は大量にあるからさ~」


「やだぁあああああああああああああああああああああ! た、たすけてよぉおおおおおおおおおおお! エリィ! 英雄王! ひ、ひかげぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」


 ……だがその悲鳴が、ヒカゲに届くことはなかったのだった。

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