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エピローグ



《ヒカゲSide》


 あれから色々あった。

 まず聖騎士たちと和解した。


 彼らはどうやら魔神シュナイダーにそそのかされていたらしい。

 俺はエステルとともに聖騎士たちの拠点へといって、自らが危険でないことを証明した。


 結果、彼らと手を組むことになった。

 もうこちらを攻撃してこないことを条件に、俺は彼らが困ったときに手を貸すことを約束した。


 また、諸外国たちにも、俺が無害な存在であることをアピールした。

 どうやら聖騎士たちが所属する、天導教会ってところは、世界中に影響力があるらしい。


 教会が黒獣おれを保護すると宣言したことで、ほかの国々も俺、そして奈落の森(アビス・ウッド)の連中には手を出せなくなったそうな。

 もしも馬鹿が俺たちを手にかけようとしたら、協定違反ってことで裁かれるようになった。


 天界とかいう場所、そして神々という存在については、正直よくわからん。

 今のところ天罰的なものがくだることはないので、シュナイダーの妄言……だと信じたい。


 まあ、何はともあれ、これで俺も、そして奈落の森(アビス・ウッド)の連中も、安全が保証されたって訳だ。



 それからの話を少しだけしよう。

 俺は相変わらず、エステルたちとともに平和に暮らしてる。

 

 森には昔魔物がたくさんいたのだが、黒獣を恐れて誰も襲ってこなくなった。

 俺という存在が抑止力になってるみたいだ。


 数年後、俺はエステルと結婚し、子供をもうけた。

 子供には暗殺とか関係なく、平和に過ごしてほしい……っておもったんだが、どうやら影呪法が遺伝されてしまったらしい。


 しかし暗殺者になるようなことはなく、その力を使って、冒険者として活躍してるそうだ。

 

 エステルの友達、ミファ。

 彼女の邪血についての問題も解決した。


 天衣無縫の衣を手に入れた俺は、彼女の邪血だけを喰らった。

 その結果、ミファの体にはただの血液が流れるようになり、もう、ミファを狙う悪い奴らもこなくなった。


 俺たちは平和に暮らしている。

 これからも、ずっと、平和にこの日常が続いていくだろう。


 ……最初、俺の体に宿ったこの暗殺の力は、呪いだと思っていた。

 でも、今にして思えば、この力がなければ勇者パーティに入ることも、追放されることも、その後エステルと出会うこともなかった。


 すべては、まあ、課程なのだ。

 そのときは呪いと思っていても、実は祝福だったと後から気づくこともある。


 そのとき辛くても、実は幸せの前振りだったなんてことは、ざらなのだ。

 辛くても、苦しくても、もう死んじゃいたいくらい落ち込んでいても……悲観することはない。


 未来には必ず、光が差している。必ず、幸せはそこで待っている。

 俺は今回のことで学んだ。多分、人生ってやつはそういうもんなんだ。


 山があって谷があって、でも……最終的には、満足いくエンディングを迎えることができる。

 人殺しの一族に産まれた俺が、今こうして、幸せを享受できてるんだから。


 影は、光があって初めて存在できるように。

 不幸もまた、幸せがあって初めて成り立つ物。


 不幸を嘆かず、幸せのための伏線くらいに捕らえて……

 これからも俺は、生きていこうと、そう思うのだった。


《おわり》


これにて完結です。

読了、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] イイヨイイヨー、こういうのを求めていた。 評価は5だーーー
[一言] 完走お疲れ様です。
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