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107/119

107.



 竜一の剣は俺が纏う黒獣の鎧を、まるで紙のように容易く斬って見せた。


「がはっ!」


 俺は血を吹き出してその場に転がり込む。


「はあ……! はぁ……!」

『ご主人様! ごぶじですか!』

「あ、あ……なんとかな……」


 やつに攻撃される刹那、俺は影でデコイを作った。

 目の前に俺そっくりのカカシを用意したのだ。


 やつはカカシごと俺をぶった切った。

 距離感を見誤ったやつは、俺の急所を捕らえることができなかったのだ。


 しかし……。


「げほっ! ごほっ!」


 やつの斬撃をまともには食らわなかったものの、衝撃波をもろにうけてしまった。

 そのせいで骨がいくつか折れている。


「はあ……はぁ……くそ……」


 敵はほぼノーダメ。

 こちらは重傷。戦える人材は……いない。


 万事休すだ。


『撤退しましょう』


 ……俺もそれに一票を投じたい。

 だが逃げるわけにはいかなかった。


 今ここで逃げたら、エステルたちはどうなる。

 彼女たちの身を危険にさらすことはできない。


「……やるしか、ないのか」


 本気で……殺す気でやらないと、こちらが殺されてしまう状況だ。

 でも……俺はもう暗殺家業から足を洗った。


 もう……誰も人間は殺せない。

 でも……。


「ガギャアアアアアアアアアアア!」

「しま……」


 考え込んでいたせいで、敵が襲ってくるのに、気づかなかった。

 やられる……とおもったそのときだ。


 がきぃいいいいん!

 ……誰かが、攻撃を防いだのだ。


「力、貸そうか?」

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