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101/119

101.



 地面に這いつくばる竜一……。

 その瞳には、憎悪の炎が燃えていた。


「くそ……くそが! たかが獣ごときに……! 地を舐めさせられるとは!!!!」


 どうやら俺に負けたことが許せないのだろう。

 俺に忠告に来た女騎士が言っていたな。

 こいつらにとって神とは絶対のものであると。

 神から賜った武器を使って、それでも俺に負けた。


 つまり神が俺に負けたのと同義……とでもおもってるのだろう。

 馬鹿らしい。実に。


「くそ……うごけ……ねえ……」

「無駄だ。闘気オーラをこめた影の触手で縛っている。絶対に動けない」


 それに神器じんぎは没収してるしな。

 こいつ自身もまあ強いっちゃ強いのだが、神器じんぎ込みの評価だ。


 特別な武器を装備していない竜一は、あまり脅威に感じない。


「くそ……おまえら何を見ている! こいつを殺せ!」


 竜一がギャラリーたちをにらみにつける。

 彼らは俺たちの戦いをただ、見守っていた。


 見守るというか、入れなかったのだ。

 そのレベルに達していないから。


 次郎は肩をすくめる。


「竜一、詰みだ」

「はぁ!? なんでだ」

「こいつらみんなびびっちまってる」


 竜一が倒されたことで、騎士達の士気はかなり下がっている。

 みんな動揺しているのだ、最強の騎士が倒されて。


「く、くそ! 本国に連絡を入れて、大量の騎士を……」

「それも無駄っぽいぜ? そこの影の兄ちゃんが、なんかこそこそやってたみたいだしよ」


 そのとおり。

 ずぉおお……という音とともに、黒い半球状の結界が展開する。


「な、なんだこれは!?」

「領域結界。相手を閉じ込め、自らの得意なフィールドに持ち込む技だ」


 そう……結界でこいつらをつつむことで、もう増援は望めなくする。

 ボスは倒し、増援も無理。


「ま、詰みだね」


 次郎はあっさりと、敗北を認めるのだった。

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