49話 死中に勝を求める
初めまして、HalToと申します。
49話です。
書きたいことを書いたら今回も文字数が増えてしまいました。
よろしくお願いします。
月が皓皓と夜を照らす。
今日は、満月。
「まさか…こんなことになるとは…。」
煙の男は困惑する。
「確かに張輝雲飛には麻薬のような幻覚作用があるが…!」
煙草を落とす。
「まさか…いや、これしか考えられない。冥有無撤苦…あの煙に侵されておきながら耐え、倒されなかったせいであの煙の成分がまだ大量に残留していたのか…。」
煙の男は喪介を見る。
自らのミタマと互いに右手で心臓を貫き、月の光を受けながら静止している。
「だから…強力なトリップ状態に陥り、文字通り身を滅ぼした…想定外だった…。」
その時、喪介の右手にはめた指輪の霊石が光った。
「!?」
バリバリバリッ!!と『モナ・リヒト』が穴から裂け始める。
「何だ!?」
裂け目は輝いている。
やがてミタマは強い光を放ち、喪介を光が包んだ。
「…!!!」
光が収まったとき、喪介は姿を消していた。
「…何が起こったんだ…??「ソウスケ」は…?」
煙の男がそうしていると突然、右側から強い衝撃を受け、ふっ飛んだ。
「!!!?」
訳も分からず、周囲の壁にめり込む。
「…「ソウスケ」…なのか…?」
煙の男が先程立っていた場所には光り輝くミタマと…少年が立っていた。
「何故だ…何故生きている…。」
煙の男は瓦礫から立ち上がる。
喪介は消える。
「ど…。」
何か言葉を発する間もなく煙の男は後方へふっ飛んでいく。
「グハッ…。」
かと思うと前方へとふっ飛ぶ。
煙の男はものすごいスピードで建築物に突っ込む。
建物は倒壊する。
「「煙の男」…もうお前は俺に手も足も出ない…言葉さえも。」
『モナ・リヒト』の姿は以前のものとよく似た姿だった。
だが、金色の燕尾服のようなものを羽織り、体の所々に金の装飾が付いている。
「…『テンペスト』ォ!!!!」
煙の男は叫ぶ。
「…?」
そして煙の男は立ち上がり、現れた自身のミタマを吸い込み始めた。
「…何考えてやがる…。」
「うぐぐぐ…。」
煙の男は煙に包まれ、姿を大きく変える。
「がああぁ…。』」
「!!!」
おぞましい巨大な煙の魔人のような姿となった。
「『「ソウスケ」…君に教えてあげよう…ミタマを極めた者の行きつくこの「霊化」を…!!!』」
「「霊化」…?」
喪介は姿を消す。
煙の男の胴体は消し飛ぶ、が煙と共に再生する。
「!?」
「『フハハハハハ!!!!物理攻撃の一切は効かんよ…この霊化、[厄禍つ魔人]の前ではね!!』」
煙の男は構える。
「『どんな仕掛けで一瞬にして姿を消し、攻撃しているかは知らんが…これで私の勝ちだ…哀濃手。』」
男の腕が一瞬にして増え、喪介にラッシュを打ち込む。
「言ったじゃねぇか、手も足も出ねぇって…。」
喪介は動き出す。
「加速。」
煙の男は静止した。
「消えてる訳じゃねぇよ…俺の新たな力は…。」
喪介は煙の男に近づく。
「月兎拳。」
煙の男に当たる寸前の場所にラッシュを打ち付ける。
「光だ。静止。」
喪介が動きを止めると同時に煙の男の拳は先程喪介が居た位置にぶつかり、地面は粉々に砕け、煙に変化する。
そして男はふっ飛ぶ。
「『ぐああああああ!!!』」
煙の男は何が起こったかすら分からなかった。
「『何が…起きた…何故…攻撃できる…。』」
「特別に教えてやるよ。衝撃波だ…お前は物理攻撃以外は効く…とどめだ。」
喪介はまたしても姿を消す。
「ま…。」
「重力の月兎拳!!」
止まった世界で喪介は黒く光った拳のラッシュを煙の男に浴びせる。
「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
黒の拳は煙の男の体を削っていく。
「Erhalten das hölle aus!」
動き出した世界で煙の男の体はふっ飛んでいく。
50話に続きます。




