デスゲーム、舞台は日本
昔々、ライトノベルの世界に『VRゲーム』というジャンルがあったそうだ。二十一世紀に生まれたそのジャンルは、当時の流行であった『異世界モノ』に対抗するかのように一気に人気を集めていったらしい。
人気となった理由は、ゲームをやったことがある人なら誰もが思う、『一度でもいいからゲームの世界に行ってみたい』という気持ちに見事にクリティカルヒットしたから。そこからのVRゲームモノの伸びはすごかったという。
異世界モノでも特に人気のあったチート転生者が異世界で活躍しハーレムを築く、所謂『チーレムモノ』が主流だったライトノベル界に、新たな光を射し込んだ。
それでも、異世界モノと並ぶことはできなかった。
しかし、数年後にその二つに決定的な違いがあったことにより、状況は大きく変化する。
一つは異世界や転生を必要とする現実味の無い話。
もう一つはVRゲームという実現が可能な話。
よって、時が過ぎても異世界転生モノはそのままライトノベル界で一定の人気を維持したままだったが、VRゲームモノは実際にゲーム業界で製作が開始された。
人がそのアニメの世界の技術に追い付いてきたから。アニメだった世界を身近に感じるようになり、実現まで視野に入ってきた。これによりVRゲームモノの作品は爆発的にヒットし、一時的に異世界モノを凌ぐ勢いとなった。
そして、時は二十二世紀。
法律や医学、その他全ての壁を乗り越えて遂に始めてのVRMMOが発売される。
発売基準は厳しく、ライトノベルでも行われていた『デスゲーム』が行われないように法律でも禁止とするなど、細心の注意を払っての国レベルが携わっての開発。そして、発売。結果は大成功となり、空前絶後の大ヒットとなった。
しかし、その裏でVRゲームモノのライトノベルは、一部を残してひっそりと姿を消していくこととなる。
現実に出たのだ。需要が一気になくなってしまったのである。
それからさらに半世紀が過ぎた頃、まさしく前代未聞。世界を震撼させ、世界が終わりを迎えるとまで言われた事件が起きた。
その日、突如として日本のありとあらゆるインターネット回線が乗っ取られ、ある一人の少年を映し出したのである。
少年の服装は一世紀以上も前のもの。
それが逆に不気味さを演出する。
『全世界の者に告げる。今より日本は俺の主催するゲームの舞台となってもらう』
これは全世界に生放送で届けられていたため、誰もが絶句しながらその映像を目にしたらしい。最初はそんなよく分からないことを言う少年を小馬鹿にした人も大勢いたようだ。
だが、彼らはほんの数秒で思考を改めさせられた。
少年が手を上へと挙げると、少年の身体が幾何学的な光を発し、数秒後には日本の全土が光に包まれたのだ。
『クリアするには俺を倒すしかない。だが、俺は負けない。俺はお前らがあり得ないと言っていた『チート転生者』だからな』
そしてその音声が流れ終えてから全ての回線が元に戻ったが、日本に繋がる全てのものは何一つ機能しなかった。
何も手立てが無かった世界の人々だが、衛生からの写真で日本の領域全てに巨大なバリアが張られている様子を見ることとなる。それにより、世界は過去最大級の混乱に陥った。
一方、バリアに囲まれた日本はまるでゲームの世界のように作り替えられていき、その瞬間から日本は魔物が蔓延る『デスゲーム』の舞台となった。
少子高齢化でただでさえ減っていた人口。
一夜にして数十万という単位で人が亡くなった。
それからさらに半世紀過ぎた今。人口は百万人を切ってしまっていた。
頭お花畑にして書いてます。
男作者の脳汁百パーセントなので頭の中でタオルを回しながらエーンドレースオーウーオーしてお読みください。