9話
俺たちは、魔術ギルドでスキルスクロールを買うために、リス狩りを始めていた。
レイラの魔法以外でも、俺だけで倒せるようになるために武器屋へ行き、鉄の槍を購入した。
だけど、街近辺の鳥や蛇とかには1人でもあまり苦戦せずに倒すことができるのだが、ビッグスクイレル相手になると1人では倒すことができないからレイラに援護をしてもらいながら倒していた。
後はレイラの魔力が切れるまで戦い、魔力切れになったら街へ帰り釣りやら、掲示板を見つつ使える情報がないかを探す、図書館でみつけたポーション系の作り方を覚えてポーション作りをする、そんなこと4日間ほど続けていた。
「よーし!やっとスキルスクロールを買えた!!」
リス退治の依頼を5回ほど繰り返し、13匹ほど売って魔術ギルドにて炎のスキルスクロールを購入した。
レイラがいなければこんなに早く終わらなかっただろうし、1人でビッグスクイレルを倒すことができるようになったのは最後の1回だけだった。
「早く覚えよ、それでもっと色々な所に行こうよ」
レイラと出会ってから今日で1週間になったが、今日まで移動した場所はホームと川と近くの森だけで、そのうちの5日間は街とホームの行き来だけだった。
スキルを買うための金策だから仕方ないとはいえ4,5日ほぼ同じことしかしていないのは飽きてしまったのだろう。
俺自身はのんびりとした日々を過ごすのも良いとおもっているが、レイラは旅もしたいらしい。
自分の足のみで誰も知らない領域の旅をして、今は知らない色々な景色を探しに行くというのも乙なものかもしれないな。
レイラに急かされながらスクロールを使うと、説明することが難しいが、使った瞬間なんとなく炎の魔術の使い方が頭の中で浮かび、手のひらに火を呼び出すと出現した。
スクロールを初めて使ってみたが、使うもっというと中身を全て見た瞬間使えるようになっていたから不思議な感覚だ。
「これで、ハルも魔法が使えるようになったし、旅にいけるね!」
「旅に出るのはいいけど、旅に何が必要になるか分からないけど準備しないと」
「大丈夫!必要そうなものは全部用意したから!」
「いつの間に…」
俺が魔法を覚えようと金策しようとしている時期当たりで、売らなかったビッグスクイレルの毛皮でマントのようなモノと、干し肉やら作っていたり旅に必要な道具を買っていたみたいだ。
この用意周到さ、少し前から旅に出るのは確定してたらしい。
行くところは俺が決めていいと言われたので、最近よく通っている東門からいつもの森へ進んでみる。
少し前まではリスを探していたが、今回は旅をすることが目的で戦うことは目的ではないために遭遇しても隠れてやり過ごした。
「この森にはリスしかいないのかね、さっきから大リスしか見かけないぞ」
「本当にね、大リスが支配する森なのかもね」
冗談交じりにそんなこと言っていたがもしかしたら本当にそうなのかもしれない、リス以外の獣もいないから。
唯一の救いといえばある一定の距離まで近づかなければ襲ってこないということだ、これで襲ってこられたらここで旅は終わっていただろうな。
…一定の距離まで近づかなければ襲ってこないと言ったのは一体誰だったか、うん俺だ。ある程度深くまで森の中を潜って行ったとき、いつものリスよりも2回りほど大きなリスがこちらに向かって襲ってきたのだ。
俺が槍で牽制しつつレイラが魔法によって仕留めることができたのだが、悪夢はここから始まった。
「なんで、こんなにリスが襲ってくるんだよ…!」
「知らないわよ!多分さっきのリスを倒したことが原因だと思うんだけど!!」
先ほど仕留めたビッグスクイレルが悲鳴を上げて倒れ、それをインベントリに仕舞った直後に約10匹ぐらいの先ほどと同じくらいのビッグスクイレルが襲ってきた。
なんとか倒すことができるビッグスクイレルを10匹以上同時に相手にすることなど不可能だから!
無我夢中で魔法で足止めをしながらリスとの逃走劇を行っていたが、逃げてる途中で草が茂っているせいで気が付くことができずにレイラが自然の落とし穴に落ちそうになってしまった。
「レイラッ!!」
落ちそうになった瞬間レイラを助けようと俺はレイラをつかんだが草のせいで足元が滑ってしまい一緒に落ちてしまった―――
―――『ハ…!お…て!』
「ハル!起きて!」
どのくらい気を失っていたか分からないが、レイラが先に目を覚ましていたらしく俺を起こした。
「いてて…、ここはどこなんだ?」
「分からない…、でもさっき落ちた落とし穴の下なのは確かだと思う」
そう言いながらある方向の上を指すと少し光が指している部分があり、あそこから落ちてきたのだろう。
「はぁ…、なんであんなところに落とし穴があるんだよ、まぁそのおかげであいつらから逃げることができたんだけどさ」
「本当にね、ここら辺ハルが気を失っている間に少しだけ見まわったんだけど生き物の気配がないから一旦休憩しない?」
「それもそうだな」
結構な時間追われて、しかも落とし穴に落ちたせいで疲れてたからこの提案に大賛成した。
旅の準備道具に仕入れていたカンテラに火を灯し燻製の肉を頬張りながら休んだ。
休んでいる間もまったく生き物らしい生き物がいなかったおかげでゆっくりと休むことができた、ある程度の魔力とお腹が回復したことでこの洞窟から脱出するために行動を開始した。
「あー、強くなりたいような、なりたくないような」
「どうしたの?急に」
「いやね、さっきのリス達もさ、逃げずバッサバッサ倒すことができたらこんな風にならなかっただろうし、カッコいいんだろうなぁって思ってさ」
「ふーん、でもさ殆ど魔物と戦ってもいないし、訓練もしてないじゃん。それじゃ強くなれないでしょ、ステータスもほとんど変わってないだろうし、トリッキーな動きもできないだろうし」
「そうなんだけどさー」
魔法がつけるようになって足止め程度の炎なら放つことならできるけど倒すことはできないし、槍もリアルでも扱ったこともないし、積極的に戦ってるわけでもないせいで今の所中途半端な力しか出せていない。
今の所積極的にクリアを目指しているわけではないし、そういうのは廃人やトッププレイヤーに任せよう。




