表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/30

7話

 魔物討伐、【ビッグスクイレル3体】の文字が青白く光っており詳細を確認すると、ビッグスクイレルあの大きなリスの右耳を3つギルドに提出することで報酬として3000コインが貰えるみたいだ。

 薬草の方は青白くなっていないが一応確認してみると、10株で提出しないといけないみたいだ、俺が採取した数は4株で全然足りていなかった。


 俺たちは刃物類は1つも持っていないため、雑貨屋へ行った。

「はい。らっしゃい」

「ナイフってある?あるなら1番安いナイフを買いたいんだけど」

「ナイフね、1番安いのはこの鉄のナイフだね、1つ300コインだよ」


 一番安いナイフを300コインで購入したら、街中でビッグスクイレルの亡骸を出すわけにはいかないので、ホームへ一旦帰り、ビッグスクイレルの右耳をはぎ取り、直ぐにギルドへと向かった。


「はい、確かに。ビッグスクイレルの右耳3つ、討伐を確認しました。報酬の3000コインです」

 これで、2人分の食費で考えると3,4日くらいはもつか。俺自身は何もしてなかった、いやむしろレイラの邪魔しかしてなかったような気がするけど、レイラだけいれば食費に困ることはなさそうだな。

「ビッグスクイレルの買い取りはしますか?ビッグスクイレルの損傷度具合によっては買い取り額も変わりますけど」

「縦に真っ二つだとどのくらいになるのですか?」

「真っ二つのみで他に傷がないのなら1匹1万コインですね。もし首から上のみなら最高額の2万コインでしたね」


 討伐報酬よりも買い取り額がかなり高いな、なら全て売ってしまおうと思ったのだが。


「ねぇハル。1匹だけは売らないで残しといて欲しいのだけど」

「ん、何かするのか?」

「うん、私たちのためになることをねっ」


 レイラから1匹だけ売らないで欲しいと頼まれたため、2匹だけ買い取って貰った。

 その後再度雑貨屋へと訪れて、レイラに言われるがままに火種と火打石それとナイフ、ロープに塩を買ってホームへ帰宅した。


「なぁ、レイラなにするつもりなんだ?」


 武器に使ってた折れた木の枝とビッグスクイレルを出すと、レイラは先ほど購入したナイフでビッグスクイレルを解体し始めた。


「なにって、この大きなリス食べれないかなって。食べれれるならその分食費が浮くじゃない?」

「なるほど、というかグロいな…」


 解体作業など初めてみたのだが、思った以上に抵抗感がなく普通に見ることもできる自分に驚いた。

 もしかした先ほどビッグスクイレルに噛まれた時もほとんど痛みがなかったように精神面でもある程度緩和処置がされているのかもしれないな。

 ただ見てるだけなのも、ばつが悪いからレイラに教えてもらいながら解体作業を手伝った。

 全部位の解体がおわり、一部の肉以外はインベントリにしまい、火打石をつかい木の枝を燃やして肉を焼いた。


 「んー、美味しい!美味しいよハル!!」


 初めて食べてみたが少し甘みを感じる塩の味付けをした焼肉の味でなかなかに美味しかった。


 ある程度のコインは貯まったから一番安い椅子とテーブルを購入しようと思い、家具リストを見ていく。

 いつまでも家具が一つもないのは寂しいし座る場所がないからな。

 あとベッドとキッチンもほしいがコインが全然足りないからまた貯めないとな。それとまた肉はたくさんあるから、4,5日分の食費は浮きそうだな。肉に飽きる可能性はあるけど。


「なぁ、魔法って覚えたいのだけど何がいいかな」


 今のままだとまったく戦力にならないので、魔法を習得しようかなとレイラに尋ねた。


「魔法ねぇ、火魔法がいいんじゃないかしら?肉焼くときに簡単だし」


 肉を焼く目的だけって、火を簡単に起こせるのは便利ちゃ便利だけども。


「魔法を覚えたいというのは分かったけど、どうやって魔法覚えるの?」

「それは…」


 たしかに魔法を覚えたいけど、どうすれば覚えれるんだ?

 チュートリアルの説明の時はたしか魔法使える人の弟子になるか、スキルスクロールから覚えられるって言っていたな。

 掲示板で情報を集めるか。


 掲示板で色々と見て回ったが、魔術ギルドでスキルスクロールを買う場合10万コインが必要になるみたいだ。高すぎるな、今1万コインくらいは手持ちに持っているが。ビッグスクイレルを後9匹倒して買い取って貰えばいい話ではあるのだけど。

 後ドロップしたって、話も書いてあるけどなかなかでないらしいから、リスを狩って買うのが一番楽そうだ。


「魔力ってどのくらい時間が経てば回復するんだ?」

「んー、たぶん今からだと夕方くらいかな完全回復するのは」

「なら今日はもう戦闘は無理か」

「なんで?夜でも戦いに行けばいいじゃない」

「夜だと、夜行性の魔物とか出てきそうじゃん?強そう」


 それもそうねとレイラはつぶやくとビッグスクイレルの毛皮をいじり始めた、何をしているか気になったが、俺は掲示板での情報収集をするために特に気にしない。


 ある程度時間が経過し掲示板を眺めるのも飽きてきたため、気分転換に街の南西の川に行き釣りと森に何か生えてないかを探しに出かける。

 前に釣りした場所に着くまでに2,3株ほど薬草みつけた。


 目的地に着くころにはかなり日が半分ほど隠れていた。

 俺が釣りをしながら座っていると俺の背中を背もたれ代わりにしてレイラがホームでいじっていた毛皮を取り出しまた何かをし始めていた。

 

 長い鐘の音が鳴り、日が完全に沈み月の明かりと川からの光の反射の光源しかない夜になっていた。

 何も考えずに釣り糸を眺めていたが、気が付くと背中の重みがなくなっており、後ろからの炎の灯りが灯っていた。


 レイラが焚火をしているみたいだから、レイラに釣れた魚を渡し焼いてもらう、釣りながら遅めの夕食をする。


 どのくらい時間が経ったのかは知らないが、ザパンッと音がする。

 音がする方に視線を向けるとレイラが川の中を泳いでいた、下半身が足からヒレに変化していて鼻歌を歌いながら泳いぐ、いや漂っていた。

 心地の良いその鼻歌を聞きながら穏やかな時間が過ぎていった。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ