表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/30

5話

 掲示板で英運の泉のある場所を確認しつつ歩いていくと、他のプレイヤー達もある一方向に歩いてるから他のプレイヤー達の流れに続いて歩き続けると森が開けて、大きな泉へと辿り着いた。

 そこには多くのプレイヤー達が1列に並んでおりその先頭の泉の上に青い髪に少し透き通ったローブを羽織っている女性がいた。

 少し観察をしていると、先頭のプレイヤーが何かを伝えると青髪の女性が虚空へと手を伸ばすと光の球が出現し、それが地面に吸いつくと光が小さいドラゴンのように形作られ光が弾けた。すると真っ白い小さなドラゴンが姿を現していた。そのプレイヤーは小さく礼をし、小さいドラゴンと共に街の方へと歩いていった。


 俺は何となくやり方を理解したため、列の最後尾へと並び順番が来るのを待った。




 ―――どのくらい待ったかは分からないが、他のプレイヤー達が願ったものを見ているだけでも色々な魔物や武器防具を選択しており飽きなかった。

 

 そして俺の番が回ってきた。


『あなたがこれから共にしたいパートナーを私に教えてください』


「俺はローレライをパートナーにしたい」


 最終的にマーメイドとローレライ、サーペントでものすごく悩んだが、ローレライの方は水魔法以外にも音魔法や風魔法とかいうものが得意と書いてあったからこちらにした。


『本当にそれでいいのですね?』


「はい」


 うなずいた瞬間、虚空に手を伸ばし光が出現し、地面に着くと140cm程の人型になり光が弾けた。目の前には透き通った空色の長髪に踊り子のような服装をした女の子が出現した。


「初めまして、ご主人様。私はローレライよろしくお願いします」

「あ、あぁ・・・」


 想像したのとは全く違うローレライが出現し、少し呆然としたが他のプレイヤーの邪魔になるのですぐに移動した。


「色々と聞きたいから一旦ホームに戻ろう」

「はい、分かりました」


 一番近いだろう南のゲートへと進み続けているが、想像では下半身が魚のような姿をしていると思ったのだが、俺の少し後ろを歩いているローレライは下半身が魚ではなく人間の足で困惑する。

 ゲートに到着しすぐにホームへと移動した。椅子など一切何もないから壁を背もたれにして座った。


「ひとまず、俺の名前はハルだ。よろしく、えっと・・・」

「私はつい先ほど生まれてきたばかりのローレライなので、ご主人様が名前をつけてください」


 いきなり名前をきめるのか・・・、名前か名前ね、ローレライ、ローラ、ライ、レイラ。ライとレイラの語呂がいいな、レイラにするか。


「君の名前はレイラだ、それとご主人様って言われるのは嫌だからハルと呼んでくれ」

「レイラですね、分かりました、ご主、いえハル様」

「それと、敬語もやめてくれ、こそばゆい」

「分かりました、ううん、分かったハル」


 ため息の出そうな声色で、どことなくうれしそうな雰囲気を醸し出していた。


「そういえばレイラ、さっき生まれてきたばかりって言ってたけど、どのくらい知識があるんだ?」

「そうね、この世界での常識と天上人達の目的くらいかしら、ハル達は何かを攻略しなければならないのでしょ?」


 これは俺たちのゲームクリア条件についてと、街で生活するために無自覚に迷惑行為をしないための最小限の知識のみと考えてよさそうだな。


「それとなんで、下半身が魚じゃなくて人間の足なんだ?」


 初めて見た時からずっと気になっていたことを聞いてみた。


「水の中ならこんな風にヒレになるけど、陸地なら人の足にしとくわよ。不便じゃない」


 あぁ、なるほど、それもそうだなとうなずいた。


「他に聞きたいことはあるのかしら」


 聞きたいことねぇ・・・、一応魔法についても聞いてみるか。


「水魔法とか風、音魔法とかいうの使えるって図鑑には書いてあったけど、レイラは使えるのか?」

「今は水と音魔法を少しだけ使えるけれど・・・、って私の能力が見たいなら見ればいいじゃん。ハル、あなたは私のご主人様なのだからさ」


 そうか、ステータスで見ればいいのか。しかしどうすれば見れるのだろうか。

 ステータスの事を考えながらレイラのことを見つめていると、目の前に半透明の青い画面が浮かび上がった。


 名前:レイラ  種族:ローレライ 戦闘ランク:F 生産ランク:F

 HP :0 MP :F

 STR:F CON:F

 INT:F DEX:F

 スキル:水魔法、音魔法、風魔法、演奏、棒術、足変化


 思ったよりスキルあるのだな。ステータスの項目も最低限しかないのだな。

 ついてで自分のステータスも見れないかな。自分の手を見ながらステータスと念じると青い画面が浮かび上がった。


 名前:ハル  種族:天上人 戦闘ランク:F 生産ランク:F

 HP :0 MP :F

 STR:F CON:F

 INT:F DEX:F

 スキル:


 ステータスはレイラと同じだけどスキルが1つもないな。

 ステータスのことなど考えているとレイラがいなくなっていた。


「あれ、レイラ何処にいるんだ?」


 ここだよ~と、隣の部屋から聞こえてきたから、隣の部屋に行くとレイラがベッドに寝ころんでいた。


「このベッド硬くない?ちょっとゴツゴツしてる」

「このホームの初期から置いてあったベッドだからな」

「もう少し質のいいベッドとか、椅子とか机を買おうよ。この家なにもなくてつまらないよ」


 確かにこの家何もないんだよな、外も真っ白で特に何もないし。


「そうだな、だが家具とか買うにしてもコインがいま701コインしかない。稼がないと2,3日後には硬い黒パン生活になってしまうな」

「そのパンのことはよくわからないけど、質素は嫌だなー」 


 ちゃんと金策しないとな、あの釣った魚は1匹100コインでいつでも釣れるわけでもないから金策としてはあまり活用できないだろうし。ひとまず、マスターかカツに聞いてみるか。カツは狩りしに行くと言っていたし忙しいかな、先にマスターの方に聞いてくるか。



「すみませーん」

「あぁ、いらっしゃい」


 レイラを連れて、マスターのお店へと行き軽い軽食を頼み何か良い金策方法がないかを聞いてみた。


「カエルの足フライとサラダだよ、合計で200コインだ」


 マスターが料理を配膳しつつ。


「お金を稼ぐなら、ギルドだと冒険者ギルドが一番かな。採取から魔物討伐、街中での依頼もあるね。後は自分で作ったモノを売るとかかな、剣とかポーションとか」

「ギルドで依頼か生産ですか」

「だけど、生産の場合はある程度品質が良くないと買い取って貰えないかもしれないから、まぁ自分で露店をだして売るというのも1つの手だよ」


 選択肢としては依頼を受けるか、生産するの1つだけか。


「ねぇ、ハル。それなら家具とかも自分で作っちゃえば?後、食べ物も自分で獲ってつくればタダだよ?」

「全て自分で作ってしまうか。うーん、よし簡単な依頼だけ受けてできる限り自分で作れるものは自分で作って、面倒なものは誰かから買うなり作ってもらうか」


 料理を食べた後お店を出ると、日が沈みかけていて長めの鐘が鳴った。


「もう、夜になるし明日行こう」

「ハル・・・」



もう、眠くなってきたのでホームへと帰りベッドへ直行し寝た。


 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ