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29話

『という訳でクランは俺が作るからハルも入れ』

『何が、という訳だ。だけどカツが作るなら入るわ』

『おう!わかってるじゃん。それで今、何処にいるんだ?』

『今は【名もなき砂浜】ってところだ』

『何処だよそこ』

『知らん、たしかビッグスクイレルから逃げてたら辿り着いてた気がする』

『はぁ、分かった。ファーテスに戻れたら連絡してくれ』

『分かった、またな』

『おう』


 ボイスチャット機能を消して名もなき砂浜で拠点にしていた洞窟の目の前で座っているレイラとオクの近くに寄った。


「ハル通話は終わったの?」

「ああ、ファーテスに戻れたらカツが作ったクランに入ることになった」

「ふぅん、そうなのね」


 クランに入るにはクラン加入権限のあるプレイヤーが近くにいないと加入できないから、すぐに入るにはファーテスに戻るしかないのだが…。


「とりあえず、死に戻りするか新しい街とか見つけるまでは旅を続ける」

「ファーテスには戻らないんだ?」

「あぁ、戻らないカツも了解してたし、戻り方も分からないしな」


 それにビッグスクイレルから逃げてる途中で落とし穴に落ちてここまで来たはずだからファーテスがどの方角にあるのかが分からない、だから思うが儘に進んでその後の事はその時また考えればいい。


「そっか、それでどの方向に行くの?」

「そんなの決まってるだろう。な?オク」

『?』


 頭を傾げているが気にせずに話す。


「俺たちの進む方向は海だ!」

「わー」


 海の方向を指さすと、若干棒読み感のある驚いた声を出している。


「というわけで、進むための準備をするぞレイラ」

「わかったわ」


 オクには海で食材を獲ってきてもらい、俺とレイラはインベントリに入っている魔物の肉や野菜果物を調理したり燻製を作ったりしていつでも食べれるようにしたり、小道具の整理をする。

 そんなこんなをしていると夜になってしまったが、夜の海は危険だから早朝に出ることになったから、準備が終わったらすぐに眠った。



 翌日いつもの日課、早朝鍛錬まで終わらせて休憩をしている。


「うん、ハルも海の中でそれなりに戦えるようになってきたね」

「あぁ、そうだな。多少だけど思うように身体も動かせるようになってきたし、攻撃もできるようになってきた」


 今までずっと早朝や深夜での水中での訓練や暇な時にしていた魔法いじりの効果が出てきたみたいだ。

 久しぶりにステータスを覗いてみたらこうなっていた。


名前:ハル  種族:天上人 戦闘ランク:E 生産ランク:F


 HP :0 MP :D

 STR:E CON:D

 INT:F DEX:E


 スキル:水泳 潜水 火魔法 水魔法 無魔法 音魔法 重力魔法 光魔法 魔力操作


前回のステータスがどうなっていたかは正確には覚えていないが、少なくともMPとCONはDではなかったはずだ、CONは水中で泳ぎっぱなしだからDまであがあがっているのは分かるがMPがDになっているのはなぜだろうな。

 魔力操作のために魔法をよく出していただけでここまで上がるものなのか。

 ついでだし、レイラやオクのステータスも確認するか。


名前:レイラ  種族:ローレライ 戦闘ランク:E 生産ランク:F


 HP :0 MP :D

 STR:E CON:E

 INT:D DEX:D


 スキル:水魔法、音魔法、風魔法、演奏、棒術、足変化


 レイラはMPとINTとDEXがDにまで上がっていた。

 魔法とかよく使っていたからここまで伸びたんだろうけどスキル関係は増えてはいないみたいだな。もしかすると魔法のレベルが上がっている可能性はあるかもしれないが。


名前:オク 種族: オケフタポズィ 戦闘ランク:F 生産ランク:F


 HP :0 MP :E

 STR:D CON:D

 INT:F DEX:F(D)


 スキル:水魔法、身体変化、擬態、観察、器用


 ステータスはSTRがDまで上がったみたいだ。

 スキルの観察と器用はなんだ?何となく意味は分かるんだが、どういう時に使うんだろうか。


「なぁ、オク。観察と器用ってスキルが生えてるんだが…分かるか?」

『???』

「分からないかぁ…」

『コクコク』

「どうしたの?」

「オクに新しく生えていたスキルの詳細知ってるか聞いてみたんだが」

「分からなかったのね」


 今度、手先?が器用だと役に立ちそうなことがあったらオクにも頼んでみるか、観察はよく分からないから放置だ。


「さてと、そろそろ行くか。準備は大丈夫か?」

「私たちも大丈夫よ」

「分かった、それじゃあ行くか」


 この大海原の向こうには何があるかね。







 

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