27話
「おー、みんな戦ってるなぁ…、そしてデカいなあの土竜」
「グランモね、それでいいの?ハルも戦いに参加しにいかなくて」
「んんんー…、いいやここで観戦してよう」
沈没していた船舶から脱出後、街へと帰ってきて街の外まで眺めることができそうな建物の屋根から防衛戦を眺めていた。
掲示板を眺めながら状況確認していたがかなり余裕みたいだ。
防衛戦の序盤は森で出現する戦闘ランクが低い魔物が多くでて、時間が経つごとに高戦闘ランクの魔物が、そして今現在ボスの博物館でも見た土竜型の魔物グランモが出てきてプレイヤー達が束になって戦っている。
グランモの戦闘ランクはAからSでプレイヤー達で一番高い戦闘ランク(掲示板調べ)はだから普通に戦うとまず勝てないけど守護の宝珠のおかげで戦えているとのことだ。
「あ、跳んだ」
「すげぇ、グランモ4匹分くらいか?」
「なにその数え方、うわぁ…すごい吹き飛んでるよ」
吹き飛ばされては他のプレイヤーが近づいて攻撃して飛ばされては別のプレイヤーが突撃している。
「グランモしぶといなぁ…見てるのも飽きてきた」
「なら参戦する?」
「いやです、沈没船で見つけたアイテムを調べた方がまだいい」
グランモはかなり強いがプレイヤー達の数が多いおかげかまったくピンチになってないどころか余裕みたいだし、あんなデカいのとは戦いたくないし。討伐報酬がもらえない点だけは残念だけど。
沈没船の宝箱から手に入れた鞭、小瓶、手袋、黒いガラス玉とペンダントを出す。
「レイラとオク、ガラス玉と小瓶調べてくれ、こっち残りの物を調べるから」
「わかった。オク、ガラス玉お願い」
レイラたちが調べていく間にペンダントを調べるか。
ペンダントの鎖からペンダントまで全てが銀色だ。
「うーん、どこかの王都?みたいなのが彫られてるな」
俯瞰的に王都を見て彫ったのだろう。王都の後ろには大きな滝、王都の周りは森かな。
自然豊かな感じの場所だ。
「この王都本当にあるのならいつか行ってみたいな」
「何処に行きたいの?」
「ほらペンダントに彫られてる王都の場所」
「確かにきれいな場所ね」
「だよな」
「あ、そうそう。ガラス玉と小瓶はよく分からなかったわ。小瓶は中に透明の液体が入ってるけど、それが何かまでは不明ね、ちゃんと鑑定スキルとかで調べた方が確実よ」
「そっか」
鑑定スキルがないとハッキリと分からないか。
「後は手袋と鞭か」
「手袋はハルがつけてみたら」
「そうだな」
手袋を右手につけてみる。手の甲側だと思われる方に金属が取り付けられていて、さっきのペンダントに彫られていた王都に似たようなものが彫られている。
「これなんで親指と人差し指の部分がないんだ?」
「さぁ、でもカッコいいからいいんじゃない?」
「たしかにカッコいいけど、ううん…まぁいいか」
「それで、なんか変わった?」
「…特に何も」
「そっか、でもカッコいいしそのまま使っとけば?」
「そうだな」
思ったより頑丈そうだし使える間は使っておこう。
後は鞭か、使い方が良く分からないな。とりあえず振るってみる。
「いてぇ!おおぅ…顔が」
「クスクス何してるの」
「使ってみたかったから降ってみたんだけど難しいな、これ」
普通には使えないか、人生で一度も使ったことなんてないし。
だけど使わないのも勿体ないし、上手く使う方法はないかね。
何度か試しているとレイラから意見を出してきた。
「魔法でコントロールとかしてみたら?」
「魔法でか」
「うん、無とか重力とかでさ」
「なるほど」
使える魔法全てで試して幾つかの魔法、無魔法や重力魔法で鞭を操作することができることが分かったけど要訓練だった。
「ん?防衛戦の方もちょうど終わったみたいね」
「本当だな、歓声がここまで聞こえるな」
「はぁ、少しも関わらずに終わっちゃったよ」
「もしかしてレイラは参加したかったのか?」
もしそうなら悪いことをしたかも。
「いや別にそこまで参加がしたいって訳じゃなかったけど、ああいうお祭り騒ぎは面白そうだなって」
そういいつつもオクを突きながら、少し拗ねた声色で返してくる。
「なら、またこういうのがあったら次は絶対に参加するからそれで許してくれ」
「うーん…、まぁそれなら…」
「調べものも終わったし、防衛戦も終わったから一度宿に戻ろう」
「賛成、戻りましょ」
● ● ● ● ●
「よっ!ハル」
「おーす」
「こんばんは、カツさん」
ヒノキの宿で夕飯を食べているとカツがやってきて俺の向かい席に座った。
「防衛戦どうだった?」
「楽勝だったぜ!と言いたいけど2,3回戦闘不能になったな」
「やっぱ、最後のボスでか?」
「そうだな、動きはそこまで遅くないんだが身体全体を使って攻撃してくるわ、硬いで大変だったな。まぁ、プレイヤーの数でごりおしで倒したもんだな」
「やっぱ強かったのだな、流石は高戦闘ランクの魔物だ」
「それで、ハルは何してたんだ?きっと防衛戦には出てないだろ」
「よく分かりましたね?」
「ははは、そりゃあな。ハルとはかなり長い付き合いだから嫌でもわかっちまうからな」
「そうだな、俺もカツがボスに何度も突っ込んでいって吹っ飛ばされているんだろうなって分かってるしな」
「さすがハルだ!」
カツは行事物が大好きだということは知っているし、俺は基本的に行事物は少し離れてワイワイしているのを眺めているのが好きだから。
「そういえば、コロシアムは何回戦まで行ったんだ?」
「あぁ、2回戦で負けたわ。いやぁ遠距離攻撃で一歩も近づけないで負けたわ」
「それはまた、でも1回は勝てたんだなおめでとう」
「おう、今度は遠距離攻撃も叩き切ってみせるわ!」
「あはは」
「それで少し気になってるんだが」
「ん?」
「お前の肩に乗ってるタコはなんだ?」
「あぁ、トレジャーで魔物を捕まえるアイテムを手に入れてな、それで捕獲した。オク挨拶しな」
俺の肩から机に飛び降りてよく分からない踊りみたいのをして『ぎゅおおお』と一鳴きした。
「おれはカツでこいつはセキだ。よろしくな」
カツが自己紹介した後セキがオクの前に来て『ギャァオ』と鳴き、オクと会話?している。
自己紹介が終わった後、思い出したかのように話しかけてくる。
「あ、そうそう。もう小イベントっぽいのはないかもしれないし、イベント終わるまで一緒に狩りとかでもしないか?」
「あぁ、そうだな。レイラとオクもいいか?」
「私はかまわないわ」
『ぎゅおおお』足で丸を作っている。
「よし、じゃあ明日からよろしくな!ハル」
「おう」
いつもどおり適当に楽しみますかね。




