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21話

 時計台の外装は時計の文字板が白くそれ以外は日の光で少しだけ青みのある光沢を放っている黒い建物だ。内部は床が深紅の絨毯が敷かれて、黒い柱に何かの植物のような装飾が彫られていた。


 武装している沢山のプレイヤーがグループ毎に順番で時計台の入口から見て一番奥の扉に入って行っているのが見える。

 多分あの扉の向こう側にダンジョンへとつながる何かがあるのだろう。今回はダンジョンに用はないから無視して、他を見渡すと左右に大きな扉があった。左右の扉のどちらかが博物館で図書館なのだろうな。

 とりあえず、右の扉に入ってみると少しだけ薬品のような匂いがしていて辺りを見渡すとカウンターだと思う場所に物凄い量のヒゲを生やしている爺さんが何かの本を読んでいた。

 カウンターの向こう側には植物やら生き物の骨を飾っているのが見えるからここは博物館なのだろう。


「すみませーん!!中に入りたいのですけど、どうすればいいのですか?」

「はい、こんにちは。1人につき1メダルだよ、それと知識持ちの魔物も1人として勘定するから2メダルね」

「じゃあ、はい2メダル」

「たしか2メダル受け取ったよ、それとこれは内部の案内兼地図だよ」


 地図を2枚受け取り1枚はレイラに渡し中身を見ると中にどういうものがあるのかと、目玉になっている展示物のちょっとした説明が記載されていた。

 案内図通りに進むと植物のコーナーへと辿り着いた、それとついでにこのイベント会場となっている街の名前がエーユヴィルという名前ということも判明した。


「エーユヴィル周辺に生息している植物か」


 色々な植物があるんだな、薬草類と食べれる実がなる植物は覚えておこう。特にこの空のように青い色をしている果実プルアのことを。

 色が青すぎてあまりおいしそうには見えないけど、このプルアの木の説明欄にはかなりの美味だがまだ人の手で育てることに成功したことがないため自然に生えているものを採る以外の入手方法がなく木が生えている数も少ないために店に並ぶことがほぼないとのことだ。この木が生えている場所は周辺の山のかなり奥に行かないと手に入らない。


「このプアルっていうの1度食べてみたいな」

「見た目はあまり美味しそうじゃないね、真っ青だよ。それに山奥にしか生えてないって書いてあるよ?強そうな魔物沢山出るのに行くの?」

「それは嫌だ諦めよう」


 他にも色々な植物を見ているが食べ物系は大体はお店に売っているものが多いな、後は食べられる野草や木の実を知ることができた。

 俺が食べられる草や木の実をある程度見て一息をついてあることに気が付いて辺りを見回した。


「レイラはどこにいったんだ?」


 レイラが周りにいないから周囲を見渡すと、レイラは樹木のコーナーにいた。

 こっそりとレイラの後ろに行き今見ているモノをこっそりとみる。


「なんか面白いモノでもあったのか?」

「あ、ハル。どういう木が家具に使うのが適してるのかとかメジャーな木材のことが書かれてるの」

「ふーん、じゃあ使ってみたい木材もあったのか」


 レイラが一度頷き、どういう木が適しているのかを教えてくれた。一応教えてもらった木の種類は一応記憶しといたが多分すぐに忘れてしまいそうだからスクショしといた。

 植物のコーナーの次は魔物のコーナーになっていた。


「山方面は猪にゴーレム、蛇、鷹、亀に狼と、うわぁ…竜もいるのかよ…」 


 所々に強そうな魔物の剥製や模型があるな、それで一番目に付くのはグランモとかいう竜種だ、デカい体に大きな手に爪、こんなのとは戦いたくないな。


「これ竜は竜でも土竜じゃよ」


 ふと俺たちの後方から、先ほどカウンターにいたお爺さんがいた。


「土竜ですか?」

「あぁ、土竜じゃよ。私は他の地上人とは違って元からここで住んでいるから言えるのだけど滅多に会うことはないよ」

「そうなんですか?」

「ここら辺近くまで来たのは、確か5,60年前じゃったかな、それ以来は見てないね」


 たしかに滅多に合うことはなさそうだな、会おうとしても難しそうだ。


「でも、もし出会ってしまったら、すぐに逃げようとしないでジッとして相手が何処へ行くのを待つんだ、グランモはちょっとした音や振動で獲物を捉えるからね。一番いいのは出会わないことだけどね」

「はぁ、分かりました。もし出会ってしまったらそう対処しますね」

「うんうん、それがいいよ。あれはなかなか厄介で強いからね」


 どれだけ強いのだろうなこのグランモとかいう奴は。


「ねぇ、お爺さん興味本位で聞きたいんだけど、戦闘ランクでいうとどのくらいないと勝てないの?」

「そうだねぇ、戦闘ランクでBはないと厳しいじゃないかな」


 レイラの質問から戦闘ランクBはないときついと言っていたがBってどのくらいの強さなんだろうな、かなり危険ということは分かったから近寄らなければいいだけか。

 この後、爺さんからこの街周辺のことが詳しいということで爺さんの話を聞きながら見て回った、一通り見回り最後に出口付近にあるかなりボロボロでよく分からない文字が書かれた石板の所まで来た。


「これって、どこの文字なんだ、レイラ読める?」

「ごめん、私も分からないよ、お爺さんこれって何が書いてあるの?」


 レイラにも読めないらしい、ということは今使われている言葉ではないのか。


「これは神代時代の文字らしいの、ワシが子供の頃ワシのお爺さんからこの石板はあったんじゃ、書いてある内容もその時聞かされたのじゃが殆ど覚えておらんのよ」

「そうなんですか、少しだけでも覚えている部分があれば教えてほしいけど」

「ふむ、覚えている部分のぅ…、宝珠と神の針という言葉しか覚えてないのぅ」

「いえ、少しだけでも思い出してくれてありがたいです」


 宝珠に神の針か、まったくもって意味がわからん。それに神代時代の文字か、読めるようになれば色々と面白いことが分かるのかな。

 石板をみてその後途中から博物館にあるものを説明してくれたお礼をして出た。


「色々と面白い情報も聞けたな」

「そうだね、でも海の魔物に関してはまったくなかったね」


 そういえば海に関するものは一切なかったな、気になったけどどうすることもできないから考えるのはやめた。それと機会があれば神代の文字も読めるようになりたいな、文字の読み方の本とかってないかね。

 その後、図書館も寄ったが興味の引かれる本には出合えなかったが、レイラは道具作りの本類を見つけて喜んでいた。

 この後、時計台から出て適当に街をぶらぶらして宿へと戻っていった。ダンジョンについては満場一致で行かないことが決定した。


 宿に戻ってきた俺たちは、露天風呂に入り身体を綺麗にして夕食にした。

 夕食後することがなくなったからサッと布団を敷きゴロゴロしながら掲示板をチェックする。


「あ"~、極楽だわ。寝転がるの最高」


 帰るときに買った甘酸っぱい果物を食べながらいると、横にいた人物から果物を掠め取られ食べられた。


「レイラ~、俺の果物奪うなよ」

「いいじゃん、1つくらいケチケチしないでよ」


 反省している様子が全くなく俺の隣で寝ころんでいる。むかついたりはしないが食べ物の恨みということで掛け布団でレイラの胴体をグルグルにして巻きずし状態にしてやった。


「うー、なにするのよハル。って、んっ、お尻触らないでよ」

「これから罰としてレイラ君くすぐりの刑です」

「えっ、ちょっと」


 レイラの柔らかいお尻を触りながら、問答無用で空いている片方の手で足の裏をくすぐる。とりあえず悶えているレイラが思った以上に可愛いからぐったりするまで擽るか。





 


 


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