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2話

 チュートリアルを聞いた後PCで家具とかどういうのか探してたけど、色々あるんだな安い物だと800コインくらいで椅子とか机とかで少し高くなると30000コインでキッチンとかあった、初期状態だと料理とかもできないんだな。逆に高いものだと何があるのだろうと見ていたら1千万コインでプールやらお城やら鉱山やら色々とあった。

 試しに何か買いたいなと思ったけど手持ちのお金が1000コインしかなかった、一番安いのを見ると硬い黒パンというアイテム?食べ物?があり1つ買うのに1コインで買えるみたいだ、安い。

 試しに硬い黒パンを買ってみるが…


「か、硬すぎて噛み切れない・・・」


 硬すぎて口が痛くなってきた、柔らかくしないと食べれないわ、これ・・・。

 パンが硬すぎることに絶望しているとピコンと音がなりチャットが来る。相手は、カツだ。


『ハル、チュートリアルは終わったか?終わったならホームから出て来いよ』


 カツも終わってたのか、よし俺も外に出るか。


「カツ、さっきぶり」

「おう、ハル。ハルはこれからどうする?後チュートリアルちゃんと聞いたか?英運の泉でもプレゼントのことだが」

「あぁ、ちゃんと聞いたよパートナーを貰えるんだろ?」

「もう貰いにいくか?」


 俺はその問に対して少しだけ考えて決めた。


「いや、いまはまだいいや、いつでも貰えるらしいし。まだ一緒に連れ歩きたいパートナー決めれてないし」

「そうか俺は聞いた瞬間に即決まったぜ、ファンタジー世界と言ったらやっぱりドラゴンだ!」

「ふーん、ドラゴンにするのか良いんじゃね強いだろうし」

「だろ!だから早くドラゴンがほしいから行きたいんだわ」

「わかった、じゃあここで別行動だな」

「そうだな、なんかあったらまた連絡するわ」


 お互いやることが違うから分かれたが、英運の泉ってどこにあるのだろうな。


 だらだらと大きな通りを歩いていると地上人の商人達が食べ物の露店やらアクセサリを売っている。色々と冷やかししつつ、適当に美味しそうなタレの匂いがする露店に寄った。


「この肉って1本いくら?」

「あぁ、このリーアス鳥の串肉は1本80コインだぞ」

「じゃあ、2本頂戴」

「まいどっ!」


 この串肉1本80コインなのか、そう考えるとあの硬い黒パン1コインってかなり安いな…、でもあまりにも硬くて食べれないからなぁ。

 食べ歩きしつつ、大通りを真っ直ぐと歩み続けると。大きな円状の広場の中央にかなり高そうな塔がある場所に辿り着き、そこからまた真っ直ぐに進むと大きな鐘が1回ほど鳴り終わった頃に北門に辿り着いた。門の脇には2人の衛兵が立っており人々の出入りを監視していた。門を見るとかなりの高さがあり、正確には分からないがたぶん2,30メートルくらいはありそうだな。

 適当に歩いているだけなのでけれど、この街がどのくらい大きいかが気になったため、そのまま北門から街壁に沿って東方面に歩き始めた。


 鐘が1回なってから暫く経つと東門に着いた。こちらも北門と同じように大きな門に衛兵が2人いた。だけどこちらは北門のほうとは違い東門の外には跳ね橋があり、その下には街から外へと流れる川があった。この感じだと南門と西門のどちらかには跳ね橋でもあるのかね。でも歩くだけでも面白いからこのまま南門通って西門まで行くかね。


 結果南門は北門と同じ感じになっていて跳ね橋はなかった。そして南門に着くまでに鐘が一度鳴り門に着いた頃には日が落ちてきていた。ここにログインした時のこの世界での時間が分からないために正解ではないだろうけど、鐘一回で2時間経ったくらいだと思えばいいのかもな、多分これも地上人に聞けば正解が分かりそうだ。


 南門から西門に行くとき他の時とは全く違い、鐘がなる前に林が目の前に出現した。林の中を歩んでいる途中に川があった。


「結構大きい川だな」


 流れはあまり強くなかったが川幅は4,5メートル程はありそうだ。


「これはたぶん川に入らないと渡れなさそうだ」


 川に片足を少し入れるとしっかりと靴が濡れていた、ズボンまで濡れるのは嫌だし、濡れた場合すぐに乾いたりするのかが分からないため、今回は川を渡ることを諦めて南門方面の大通りに戻っていった。

 

 人の通りの多い大通りに着いた当たりで歩いてる時に聞いた鐘の音よりも長い時間鐘の音が鳴っていた。

 鳴って少し時間が経つと大通りにいた人々の数が倍以上に増えていた。


「人がかなり多いなぁ、プレイヤーと地上人の数がほぼ半々だな」


 少し人酔いしそうになりそうな気がしたため、近くにドアの空いている建物があり中の様子を少し見るとバーの様な雰囲気だからその建物の中へと入る。


「いらっしゃい、適当に座ってくれ」


 建物に入ると直ぐに初老の男性が料理をしながらこちらに言ってきた。

 建物の中はお店独特の静かさでだった、客は満席ではないが多く居てみんな美味しそうに飯を食べていたり会話をしていた。

 俺は空いているカウンターの場所に座った。


「オススメの料理ってなんですか?」

「今のオススメはポテトに鶏肉と野菜を混ぜて焼いたレシューテだね」

「じゃあ、それと適当に飲み物を」

「はいよ、飲み物とレシューテを合わせて200コインだよ」


 思ったよりも安くて驚いた。

「安いですね?」

「安くて、お腹いっぱいがモットーだからね」

「そうなんですか」


 料理ができるまで待ってる間に初老の男性、他の客からはマスターと呼ばれていた人に


「君は天上人かね?」

「天上人・・・ですか?」

「うむ、今日この世界に現れた人々のことだ」

 

 なるほどこの世界の人からには天上人と呼ばれてるのか


「はい、そうです。よく分かりましたね。」

「我々地上人と比べて雰囲気みたいなものが、何となく違うからね」

「はぁ、そうなんですね」

「うむ、レシューテどうぞ」


 レシューテという食べ物は焼かれたポテトに肉汁や野菜のうま味がしみ込んでいて美味しかった。お酒が飲みたくなるほどに。ちなみに飲み物はお酒ではなかったが少し苦みありレシューテと合っていた。

 食べ終わって俺が座っていたカウンターの両隣と座っていた地上人とマスターからこの街にあるオススメのお店や露店について教えてくれた。

 色々と話している間にカツからチャットが来る。


「ん、どうしたんだい?」

「えっと、地上人のフレンドから連絡がきたので」

「あぁ、チャットが来たんだね、天上人は我々地上人と違って魔道具なしでチャットができるから便利だよねぇ」

「へぇ、そうなんですか。すみませんちょっとフレンドと会話しますね」


 マスター達に軽くお辞儀をしてカツからのチャットに出る。


「どうしたんだ?」

「おぅ、ハル今から南門側のゲートに来れるか?」

「なぜ?」

「それはな、パートナーを自慢したいからだ!」

「手に入ったんだ、分かった今から行くよ」


 マスターや地上人達にお礼を言った後、南門側のゲートへと行く。


 カツの元へと近づいていくと金髪の頭の上に小さな赤いドラゴンが丸くなって寝ていた。


「おう、ハル。俺の頭にいるこいつがパートナーのドラゴンのセキだ、ほらセキも挨拶しろ」


 そうカツがハルに対して紹介するとセキがこちらを向いてギャーとひと鳴きしてまたすぐに眠ってしまった。


「本当にドラゴンだ、でも小さいな」

「あぁ、こいつまだ幼体だしな、でもまじカワイイ」


 確かにカッコよさは全くないが可愛い。


「ハルは貰いに行かなくていいのか?」

「あぁ、まだ、こいつだというのがいなくてな」

「そうか、これからどうする?俺はギルドでクエスト受けてから狩りをしてくるけど、セキが俺と同じくらいの飯を食うから金を稼がないといけないからな」

「そうなのか、俺はまだこの街の散策かな。この街かなり広いからまだ回りきれてないんだ」

「そんなに広いのか、まぁまだまだ時間はたくさんあるんだ今は各々やりたいことをやっていくか」

「そうだな」


 またすぐにカツと別れて一旦自分のプレイヤーホームへと戻る。街の散策途中だけどすぐ近くにゲートがあるから休憩ついでにだらだらと掲示板でなにか面白い情報がないか探そう。













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