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15話

「くそぅ…、今日は調子が良かったから1本くらいは取れると思ったのに」

「ふふん、そう簡単には取らせないよ!」


 イベント2日目の朝、本当なら今日もカツと魔物討伐する気だったのだが、蟹を1匹倒した時にカツの武器でる大剣に少しひびが入ってしまい魔物討伐を中止にして修理しに行った。

 俺も一緒に付いていこうとしたが、こんなことでハルの時間を使わせるのは勿体ないから好きに行動してくれとカツに言われたため、今現在、日課の水中訓練をしていた。


「もっと早く自由自在に動ければなぁ…」


 水面に身体を浮かしてレイラの柔らかい身体を背もたれにしながら、レイラと訓練の反省会をしている。


「動きが遅いから対応しやすいのもあるけど、武器の扱いも上手くならないとね」

「それは分かるけど、武器の扱いも全然なのか…、よし!いつもの訓練1セット頼む」


 その後の訓練でも1本も取ることはできなかった。




 このイベント時にいる街では朝とお昼と夕方に1回ずつ花火が鳴る。これは、地上人達が飯にする時間や仕事の始まりから休憩、終わりまでを知らせるものでもあるらしい。

 お昼を知らせる花火が鳴り響き、更に追加で訓練1セットも終わった頃であったため、昼食を取りに街へと帰還した。

 適当に屋台で食べ物を頼みながら、魔術ギルドへと向かっていった。


「ふーん、火と水と風と土のスキルスクロールは20メダルなのか」


 1メダル5000コインと考えるとジャイアントクラブ1匹で2メダルだから。あのリス、ビッグスクイレルと同じ討伐報酬なんだな。

 他にもスキルスクロールがないかなと見ていると、無と音、空間、重力、植物、光、闇があった。

 ファーテスでは4属性しかなかったのにここではそれ以外のスキルもあったが。


「値段が高いから気軽に買えそうにはないな。光と闇と無が100メダルで、音と重力、植物が500メダル。空間は5000メダルねぇ。どれも高いけど、空間だけは異常に高いな」


 高いという言葉が店の人に聞こえてしまったのか、近づいてきてその問に応えてくれた。


「空間の魔法は扱えれば強力なんだけど、ちゃんと扱うことができないと危険なんだよ。それで、こんな値段でも買える奴なら、それ相応の実力はあるだろうということと、空間スキルの書を書くことができる人が殆どいないという2つの理由だね」

「そうなんですか、後ついでに空間と無の魔法ってどういう事ができるんですか?」


 あまりイメージできない無と、空間がどの程度のことまでできるのか聞いてみた。


「無は魔力を他に変換しないで魔力のまま扱う魔法だよ。こういう感じで魔力を硬質化したり、変形させて魔力の槍って感じ」


 少し発光している魔力の球を色々な形に変形させ最終的に元の球状状態で、木材の的当てに投げて的を粉砕させていた。


「空間は主に一部の動きを遅くしたり速くしたり、転移だね。後良く聞かれるのだけど時間を止めることはできないよ、これは魔力量的な意味で、もし無限の魔力を持っているなら時間を止めることもできるだろうね」


 空間魔法自体、魔力使用量がかなり多いらしく店の人も使えないらしい。

 一通り説明が終わった頃合いに他の客に呼ばれて行ってしまった。


 値段を知り用がなくなったため店から出て、屋台巡りしながらさっきの魔法に付いてレイラから聞いて来た。


「なんか気に入ったものはあった?」

「うーん、説明を聞いて欲しいなと思ったのは無魔法かな、それと余裕があれば音と重力、風も欲しい」

「もし全部買うなら1120メダルだね、蟹560匹分だね」


 もしイベント中ずっと蟹狩りしても時間が足りないだろうから、他の方法を考えないとな。


「最低でも無魔法だけは欲しいから100メダル目指そう、後90枚くらいだ」

「数が多いわね…、トレジャーで一気に稼ぐ?」

「トレジャーか…」


 昨日、露天風呂中に掲示板で調べて分かったことだけど、発見場所までは載せていなかったが街の中と山

で発見したらしい。トレジャーの物の形は丸い半透明の球体で触れると音がなりメダルとアイテムが手に入るらしい。メダルは今の所最低でも100枚以上でアイテムもかなり高価みたいだ。

 だが発見数はまだ5人だけらしい、これもランキング板で見れる。補足だがランキング板では自分の名前以外の名前は見ることができない、獲得上位者に無意味な事をさせないためだ。

 それとランキングに載るのはメダル合計獲得枚数、トレジャー獲得数、ダンジョン最高階層、ボス撃破数、コロシアムの上位者、依頼達成数だ。


「トレジャーはやろうと前に言ったけど、街の中だともうありそうな場所は探されているだろうし、山も出たって情報があるから探しに行っている人も多そうなんだよなぁ」


 思った以上に発見数が少なくて、多少なりとも情報が出てしまっているため簡単そうな場所はもう見られていると思っていいはずだ。


「たしかに街とか山は結構探しに行ってそうだけど、私たちなら他の場所も探しに行けるじゃない」

「他の場所…?」

「鈍いよ!さっきまで居た場所っ!」

「…あぁ!!そうだよ!そこならありそうだな」


 果実系や手が汚れなさそうな料理をインベントリにしまい、ヒノキの宿の近くの海へと向かった。


「そういえば訓練中気が付かなかったけど、砂浜では魔物が出たのに水中ではまだ一度もあってないな」

「そうね、でも少し離れたところだったけど魔物がいたわよ。こっちに近づいて来ないから知らせなかったけど」

「魔物いたのか、どういう魔物がいたんだ?」

「魚系ね、アイアンヘッドっていう魔物で、頭部がかなり硬くて突進して攻撃してくるの」


 訓練中に魔物がいたのか、教えてほしかったな。まだ水中で一度も魔物をみたことがないからいないのかと思ってた。


「海に来たのはいいけど、どう探そう。闇雲に探しても見つかるか分からないし。レイラ、水中で物を隠すならどうゆう場所に隠すんだ?」

「うーん、隠すねぇ…。沖なら目印になる岩の近くの砂の中、沈んだ船の中、後は家かな。岸だと偶に洞くつがあるならそこに隠したり、岩の隙間かしら」

「なら水と陸が接してる所で怪しいところがないか見て回るか」


 レイラも探索方法に同意してくれたから、水に潜りながら探し始めた。










 




 

 


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