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14話

「ジャイアントクラブの右腕13本ですね、メダル26枚です受け取りください」


 蟹を13匹倒した頃には日が暮れていたので、一番近い冒険者ギルドへと向かい換金してもらった。俺とカツで倒した匹数でメダルを分けた、俺が10枚でカツが16枚だ。

 今いるギルドには、ギルドの依頼掲示板の隣にランキング板というのが設置されており、これはリアルタイムで順位が分かる。興味本位で上位者がもうどのくらい稼いでいるのかが気になり確認した。


「うわ、もう50枚以上稼いでいるプレイヤーいるのかよ」


 一体どうすればもうこんなに稼げるのやら、イベントの開始が今日のお昼頃と考えるとかなり稼いでいるな。てか、蟹で換算すると25匹以上ということになるのか。魔物討伐関連以外で稼いでいるのかねぇ、それともレア魔物やもっと強い魔物を倒すとメダルの枚数が多かったりするのかもなと想像する。


 換金したあと、適当に屋台巡りでもしようと思ったのだけど、カツがイキナリ腹が減ったと言って、何処かに行ってしまった。


「ハルの友達って自由人だね」


 うん、俺もカツは自由人だと思うよ、よく突発的に何処かに行ったり変な遊びしてたし。

 カツは放っておいても問題ないからレイラと一緒に街の中を巡りまわった。

 料理を出す建物には入らず、露店で出されているものを適当に冷やかしつつ廻っていると、ある1つの香ばしい海鮮の匂いがする露店をレイラが見つけ近づいて行った。


「おばさん!これなんの料理?」

「これは、イカに秘伝のタレを塗って焼いた串イカだよ」

「イカ!おばさんこれを2本ください」

「はい、2本だね」


 お金を出そうとしたが、そういえばここではタダだったな。食費のことを考えなくていいのは楽だ。

 レイラから串イカを1本貰い食べると、甘ショッパイ味のタレが烏賊と合いかなり美味しい。その後もリンゴに似ているレップルという果物の中心に少し酸味のある果物を詰めてを焼いた食べ物や、お好み焼きに似た食べ物を食べながら散策していった。


 食べ物ばかりではなく、途中で武器屋を見つけこの街で買う場合どのくらいかかるか、安ければ今のうちに買ってしまいたいという思いもあり武器屋のなかへと入っていった。


「らっしゃい、ゆっくり見て行ってくれ」


 中へと入ると、これぞドワーフだと言わんばかりの低い身長に筋肉質の身体、床に付いてしまいそう長さのヒゲに大きめの鼻に右手には槌を持っていた。

 悲しいことに見ても俺には良し悪しが全く分からないためにすぐにドワーフに聞いた。


「店主、槍と棒を見せてほしいのだけど」

「槍と棒か…、少し待ってろ」


 見た目と違って物凄く速い動作で槍と棒を用意してくれた。


「まず槍だと、鉄の槍、それと素材は鉄の槍と同じだが先端が三又に分かれている鉄の槍、それと銀の槍と一番高価だが値段相応の強さのあるミスリルの槍だ。値段はメダルで鉄は両方とも1枚、銀は50枚、ミスリルは5000枚だ」


 ミスリル高…、ファーテスで鉄の槍を買った時は5000コインだったから1メダル5000コインか、そうなると銀は25万コインで、ミスリルは2500万コインか。高いわ。


「次に棒なんだが…、鉄の棒しかない。値段は2本セットで1メダルだ」

「なんか、かなり安くないですか?」

「あぁ、剣や槍、斧はかなり売れるのだが棒はほどんど売れないから作ってないのだよ」


 棒って人気ないのか、殺傷能力はないけど色々と便利なように感じるだけどな。だけど武器屋に来てよかった、棒がこんな安く手に入るなんて思わなかった。レイラの方に目線を合わすと彼女もこれはお買い得だと言わんばかりに大きく頷いてくれていた。


「じゃあ棒ください」

「了解だ、こっちとしても売れない武器が売れて助かった。ほかに何か気になるものはあるか?」

「武器はもう十分かな。…あ、おすすめの防具や雑貨屋あったら紹介してほしい」

「ふむ、それならちょっと待ってろ」」


 どうやら木の板に店の名前と紹介状みたいなものを書いてくれてた。

 

 この後、武器屋の店主に教えた貰った店で水に強い服や、靴はないかを聞いて回ったが取り扱っていなかった。仕方がないから雑貨屋で鍋や、鉄網。他にもメダル5枚以内で収まるように適当に役立ちそうなものを買っていった。


 

「まさかお米が食べられるとはねぇ」

 ヒノキの宿にて夕飯を食べに行くとお米が出たのだ。ここだとお米はライスの実という名前らしいリアルと同じように水田で成長するらしい。

 茸やラム鳥の肉に調味料を入れてご飯を炊いた炊き込みご飯に、ラム鳥の卵焼きに、貝類と山菜のお吸い物、トーンという魚の炭火焼きだった、1カ月ぶりの和食だったからか黙々と食べてしまった。

 レイラはラム鳥の卵焼きが大層気に入った様で俺の分の卵焼きと魚を半分交換した。夕食後にラム鳥やトーンが何処にいるのかを聞きたかったのだが、このヒノキの宿が元々ある地域でしか採れないらしい。これを聞いていつか必ず訪れなければなとお互い頷きあった。


「美味しかったぁ、ハルなんとしてもラム鳥を手に入れにヒノキの宿がある地方へ行こうね」

「そうだな」


 掲示板を見ながら思ったことは、今回のイベントでファーテス以外にも街があることを知らせることと、プレイヤー達の強化を目的としているのだろうと感じか。

 ヒノキの宿以外にも和風の宿や、それ以外の地域の宿や料理、文化があることを知らせて攻略のテンションを更に上げることになるだろう、とは言っても他の街のある場所は規制で聞くことはできないが、頭の良いやつなら分かるのだろうな。



 俺は自室に付いている露天風呂で冷やしてたある飲み物を用意し、微かに聞こえてくる波の音を聴きながら掲示板で情報収集しながら過ごしていると、火照っている身体に冷たい肌が密着してきた。


「ぐえっ、レイラも風呂に入りに来たのか」

「そうだよー、というか照れないのつまらないー」


 からかわれるのは嫌だったから、レイラからの問いには無言返し背中と首にあたる胸と腕の感触を楽しみながら視線を青い半透明の板を眺める。

 そんな俺の対応にレイラは小さく唸り声をあげると、正面にまわり俺を座椅子のように体重をかけ反論をしても取り合わず、下半身が月光と少し青い温泉で煌く鱗がトリマリンのような美しいヒレを揺らしながら鼻歌を歌い始めた。

 温泉で気分が良くなっている俺はどうでも良くなり、何も身に着けていないレイラの腰に腕を回し掲示板で情報収集を始めた。












 




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