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12話

 太陽がほぼ真上に昇った頃に、もうすぐイベント会場へと転移される告知がメールにより知らされ俺たちは身支度を済ませてその時まで待機をしていた。


「初めてのイベントか緊張するな、どんなイベントなんだろ」

「そうね、ワクワクするわ」


 転移されるまで何もせずに波の音とレイラの歌を音楽に砂浜を眺めていた。ずっと砂浜を眺めていると、地面に紋章が出現し視界がホワイトアウトした。



 目を開けるとそこは空中で、周りを見渡すと物凄い数のプレイヤー達がいた。皆驚いてたり、感動していたり、怖がってたりしていた。

 下を見るとそこは表現的に遊園地のような雰囲気が似合う建築物がたくさんあり、一目見て印象に残る建物は大きなお城と時計台、コロッセオの様なモノ、それとこの遊園地を赤い木の生えている山が4分3ほど海が4分の1ほど接して囲んでおり地平線の向こうまで続いていた。


 4,5分ほど待つと空中に大きなモニターが出現した、どうやらこのプレイヤー達の一番前に運営がいるらしく後ろの方では見えないための配慮みたいだ。


 運営の説明が物凄く長くて眠くなったが要約するとこんな感じだった。


 参加者は下に見える街へと飛ばされて、そこで行われるイベントや、困ってる人を助ける、魔物退治、ダンジョンやフィールド、街の中にあるトレジャーを発見する等をしてメダルを獲得しようということだった。

 メダルの枚数でアイテムが交換でき、合計取得枚数や他のランキング上位者には賞品がある。期限はイベント期間は2週間後のお昼の鐘が鳴るまでだ。


 そして注意点として、この街ではコイン通貨は一切使うことができないらしい、それとプレイヤー同士でのコインとメダルを交換するのもできないらしい。


 それと飲食と宿は無料らしい、運営によると先にお金を払っているとのことだ。


 そんな説明をされて、不参加のプレイヤーはメニューにある不参加を押して、それ以外の参加者は参加

を押してと言われ、即参加ボタンを押して下の街へと転送された。


「今から2週間のイベントか、とりあえず何からしようか」

「そうね、主に何でメダル獲得をする予定か決めてる?」

「トレジャーか魔物退治かな」

「…魔物倒せる?」

「分からない、けど特訓もしてたし魔物の強さによっては勝てると思いたいな」


 あの砂浜に行ってからは魔物とは一度も戦っていないけど、修行はしていたからそれなりには戦えるようになっていると信じたいのだけど。久しぶりに自分のステータスを確認したがこうなっていた。


名前:ハル  種族:天上人 戦闘ランク:F 生産ランク:F

 HP :0 MP :F

 STR:E CON:E

 INT:F DEX:F

 スキル:水泳 潜水 火魔法


 殆ど水の中で過ごしていたから力や体力のランクが1つ上がっていた。HP、装甲は初期から着ていた旅人の服だから変わっていない。


名前:レイラ  種族:ローレライ 戦闘ランク:F 生産ランク:F

 HP :0 MP :E

 STR:E CON:F

 INT:E DEX:E

 スキル:水魔法、音魔法、風魔法、演奏、棒術、足変化


レイラにはいろいろとやってもらっているから、俺よりもランクが高いのは当たり前か。


 魔物退治の話からついでに俺たちのステータスも確認したが、とりあえず寝床、拠点決めをしてからメダル獲得の話をしようとなった。


「しかし、広いな。ファーテスの方は上空から大きさは見たことないから正確には分からないけどこっちの方がデカい感じがするな」


 今はプレイヤー達ほぼ全てが参加していると思っているから、そのプレイヤー達全てがいま街の中にいることになっている。初めてINした時の人混みと今の人混みだと、前者の時の人混みでの進みづらさの方がきつかった感じがする。


「レイラ、お手」

「私は犬じゃないよ!」


 冗談を言いつつレイラとはぐれないように手をつなぎ。小道へと入ったりと、なるべく人混みに合わないように進んでいった。

 適当に進んでいたのだけど、そういう運命なのか海の近くまで来てしまったようだ。

 初めにいた場所よりもかなり端の方へと来たからか、プレイヤーの数もそこまで多くはなかったのでここら辺でちゃんと宿を探し始めた。


 ある程度探すと和風な旅館を発見した、看板には【ヒノキの宿】と書かれていた。

 そして和風っぽさに魅かれてこの中へ入っていた。


「こんにちはー」

「いらっしゃいませ、ヒノキの宿へ」

 

 声をかけるとすぐに浴衣を着た肌白い女性が応えてくれた。


「ここで2週間宿泊できますか?それと無料だと聞いたんですけど」

「はい、すべて無料ですよ。ですが迷惑行為を何度もなされた場合は別ですが」


 ここで泊まることに決めてすぐに部屋へと案内された。


「2人1部屋で一番良い部屋です」

「ありがとうございます」


 1階の角部屋で外の眺めは海と山が丁度良く見える配置に窓がつけられていた。そして、旅館のあのスペースの端にドアが付いておりそこから小さめの露天風呂もあった。


「私は女将のヤナギと申します。ここの事について少し説明しますね。

 この部屋に付いている露天風呂はいつでも入っても大丈夫です、またお客様方の要望にもよりますが、基本夕飯はこちらで会場にて用意します。ですが自身の部屋で食べたい場合は日が落ちるまでに言ってくれればこちらにお運びします。それと、朝とお昼は外で食べてください。

 最後にお客様方が夕飯時と日中部屋にいない時に掃除をしに来ます」

「はーい質問!!ここまでしてくれてなんで全て無料なんですか?」


 結構気になっていることをレイラが聞くと、女将のヤナギさんが少し微笑んで応えてくれた。


「簡単なことです、私たちにとって神様、天上人で言うと運営という方ですね。神様から直々に建物ごとこの街に飛ばされて天上人の方々をサポートしてくださいって依頼が来てるの、それで依頼を受けた私たち地上人がこの街にいるの」

「へー、そうなんだ」


 もともとは街にいた人たちがここに来ているのか、それにしてもこんな旅館ファーテスで見たことないな。


「この旅館ってファーテスにはありませんよね」

「ふふ、そうね。私たちは******の街にいるわよ」


 ん、聞き取れない。あのチュートリアルの時と同じでまだ聞いてはいけないことなのだろう。


「そうなんですね、これから2週間ほどお世話になります」


 軽くお辞儀をして、これからのことについてレイラと話し合うとしよう。








 

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