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偶然と後悔

3月になり、健吾と二人で東京に出張に来た。

きっとこれが最後の東京出張になるだろう。


この後のスケジュールには近場の出張しかなかったので、

泊まりでの出張もこれが最後だった。


2月の終わりに辞表を出し、部長にアレコレと直樹との今後を

聞かれたが、曖昧な言い方をしてかわした。

いきなり別れたと言えばなんとなく直樹の立場上、みんなの目が

あると思った。


それでも、あの別れからお互いすれ違う時も笑顔で

前と変わらない態度に変わっていた。



「結局、向田さんは快く送り出してくれたのか?」


「うん!ちゃんと笑顔で別れた。

 直樹、あたしの仕事少しは認めてくれたの!センスいいって。

 きっとそこそこ頑張れるだろってさ」


「そっか。そこそこって言い方が向田さんらしいけどな」


笑いながらそう言って、私が嬉しそうな顔で言うのを見ていた。



「今回で健吾との泊まりの出張も最後だね。なんか寂しいね」

「そうだな〜 これから誰と来るんだろな〜 向田さんなら嫌だな〜」

「なんで?直樹は今度から独りなんだから直樹じゃないでしょう?」


「あ。そっか・・・ 次も全部書類関係やってくれる人がいいな〜」

「そう簡単にはいかないよ。今が楽をしすぎなんだって」

そう言いながらバックでお尻を叩いた。


その日、健吾はカオルに会うと言って少し早めにホテルを出た。

あたしも祐子さんに会う為にいつものレストランに歩いていった。

レストランの近くまで行くと、どことなく見覚えのある人が

こっちに向って歩いてきた。


コンタクトを入れていなかったので、ハッキリ見えなく

なんとなくその人の顔を見ていたがボヤけていた。


近くに来た時、その人が止まりこっちを見ていた。


(誰だろ・・・まだ見えないや・・でもこっち見てるからメーカーさんかな?

 一応挨拶するフリしなきゃ・・)



そう思い、軽く会釈をして近くまで歩いた。

すぐ目の前のその人の顔を見て、初めてそれがカオルだと分った。


「あ・・あの・・ 久しぶり・・・ えっと、、健吾と一緒?」

久しぶりにカオルの声を聞いた・・・

かなりあっちも焦っているのか、噛むにいいだけ噛んでいた。


あたしはと言うと驚きで頭が真っ白になり体が固まっていた。


「あ・・・いや・・・一緒じゃないの。先にホテルでたよ?

 まだ会ってないの?」


「あ〜・・うん。会社まで来るって言ったんだけど・・・

 玄関にもロビーにもいなくて、それでホテルに行こうかなって」


「そ、、そうなんだ・・・・あの、元気そうだね。カオル」

「うん。まぁ・・元気かな。で、こんなとこでなにしてんの?」


やっとお互い少しだけ落ち着いてきたのか普通に会話ができるようになった。

内心全然落ち着いてなんかいないけど。


「あ、、いや、、懐かしいなって。で、散歩、、、うん。そう!」

「懐かしむほどこの辺に馴染みあったっけ?」

「あ〜そのぉ、、、そうでもないかな?・・はは・・・は・・」

「なんか怪しいなぁ。まゆ嘘つくといつもそんな感じだよな」


<まゆ>そう、呼び捨てにされドキッっとした。

そして、久しぶりに見たカオルはどことなく大人っぽくなっていた。


「そう?そんなことないよ・・ あ、健吾に電話した?どこかで

 女の子でも見てるんじゃない?デレ〜として」


「そうなのかなぁ・・・ なにやってんだろうなぁアイツ」

困った顔をして携帯を出し、健吾に電話をかけた。



「もしもし?俺。どこに隠れてんだよ?あぁ・・うん・・・

 そうなんだ?うん。じゃあ、会社の前のレストランにいるよ。

 おぉ!早くすれよ!じゃーな、あ、今、まゆに会った。

 目の前にいる。うん・・・そうだな。じゃあお前が来るまで

 付き合ってもらうわ。OK〜 じゃ〜な〜」


たぶん話の流れからして・・・あたしはこれからカオルとレストランに

入り、健吾が来るまで一緒にいる・・・・・らしい。


携帯をポケットにしまい、

「なんかさ、人身事故見ちゃったってさ。で、今、警察に事情を

 説明するから、ちょっと待っててだって。本当に間が悪いよなぁ〜」


「健吾の得意技だからね。間が悪いの・・・」


「でさ、すぐそこのレストランあるじゃない。ほら、一回行った。

 あそこで待ってるって言ったから、まゆ暇なんだろ?

 散歩するくらいだし。健吾来るまで付き合ってよ。いい?」


「あ・・・うん。いいよ・・・」


ヤバい・・・祐子さんが来ちゃう・・・

今日だけは大遅刻をしてくれたら嬉しいな・・・祐子さん・・・


そう思いながら一緒にレストランに入った。

テーブルに向い合うくらいの距離ならば、ハッキリとカオルの顔が見えた。

懐かしい気持ちでいっぱいになった。


「会社辞めるんだって?」そう言いながら煙草を出した。

「あ・・・うん。今月いっぱいでね」

「結婚するの?」

「ん?ううん・・・そうじゃないけど」


いまさらもう別れているのに結婚もないよな〜と思ったが、

健吾がカオルに内緒にしてくれていると感じた。



「じゃあなんで辞めるの?あんなに仕事好きだったのに」

「あ〜その、、、えーとぉ。花嫁修業とかしてみようかな〜って」

「そうなんだ?俺も辞めるんだ。今月で」


その言葉の続きは絶対聞きたくなかった。

もし「結婚するんだ」とか言われたらきっとあたしは、

祝福する顔はできない。


「そうなんだ。みんないろいろ大変だね〜。あっ! こっち暖かいね」

まったく訳の分らないことを言いながら、話をそらした。


「まぁ・・・こっちはもう春だしね・・そりゃ北海道に比べたら暖かいだろな」


そう言って煙草に火をつけた。

なにか話すとさっきの話の続きをされると思い、慌てて

「一本ちょうだい。煙草」と言って箱に手をかけた。


「まゆ・・煙草吸ったっけ?」

「あ・・うん・・たまに。あの頃はやめてたけど・・」

「ふ〜ん・・俺に気使って?」


そう言いながらライターの火をこっちにむけた。

なんとなくつけてもらうのは抵抗があり、ライターを受け取った。


「ん?そうかな。カオルが嫌がるかなと思って、、」

そう言って火をつけた。あの別れた日以来吸っていなかったので

喉が痛くなり、突然むせた。


「ねぇ・・・・なんか俺に隠してない?慌ててるように見えるんだけど」

「いや!そんなことない!」



煙が目に染みて痛くて仕方無く一度吸っただけで、もみ消した。


「ふ〜ん・・・まぁいいけど。で、彼氏は元気?」

「えっ!!どうだろ・・・あ、、いや。元気だよ。うん」

「そっかー。もう2年だもんな。そりゃ花嫁修業もするわな」

そう言って前と同じ優しい顔をして笑った。


その顔を見て、やっぱり胸が痛くなった。

あれほど好きだった人が目の前にいることに涙が出そうになった。

きっと会うとこんな気持ちになりそうで、今まで避けていたのに・・・

けど、もう自分のせいで別れてしまったのに、いまさらだ。


「カオルは?彼女いるんでしょ?」

カオルの口から聞けば自分の中で諦められると思った。


「俺?あ〜・・・うん。まぁね」素っ気無く答えた。


(あ〜・・やっぱりなぁ・・・)


「どんな子?可愛い?歳は?」

もうヤケになって質問をした。


「いいじゃん。俺の話は」そう言ってそれ以上の話はしなかった。


なんとなく場の雰囲気が悪くなった。

勝手に他の男の所にいった無責任な女にそれ以上言いたくないんだと

思い、話を切り替えた。


「ヒデ元気?この前ヤスに会ったの。で、まだカオルと連絡とってるって。

 あたし、この前ラビに会ったよ。元気だった」


「ヒデも元気だよ。最近は会ってないけどな。

 ラビは元気だった?もう結婚とかしてたの?」


「ううん。ラビも募集中だってさ」

そう言って場が和んだことに安心した。


「<も>ってラビと誰のこと?」

(なにそれ?)という顔をしてカオルが聞いた。


つい口から自然と自分のことも言ってしまった。

油断してると危ない・・


「あ・・いや、ラビ<は>って。は!ラビが!」

「ふ〜ん。。まゆ変わらないな。いつも慌てて」

慌てるあたしの顔を見てカオルは声を出して笑っていた。



(あ・・・カオルの笑顔、、昔と全然変わってないや)



「そういやさ。うちにまだあるよ。まゆが置いていった服とか

 小物とか、なんかいろいろと・・・」


「そんなの捨てればいいのに。今の彼女がいい顔しないよ」


そう言うとちょっと曇った顔をして「そうだな・・・」と言った。

その顔を見て、慌てて、


「でも、、あたしもカオルの物、全部あるよ?

 指輪も写真も服も、あと〜、、えーと、花も」

言ってよかったのかわからないが、つい言ってしまった。


「そっか。俺もなんか捨てきれなくてさ・・・」

そう言いながらネクタイを緩めた。

その緩めた先に昔、カオルにプレゼントしたチョーカーが見えた。


「カオル・・・その首のって・・・」


慌ててシャツのボタンをして、

「いや、これ好きかなって。だから、、今でもしてるんだ」と隠した。


「そっか・・・そんなに気に入ってくれて、プレゼントした甲斐が

 あったよ。似合ってるもん」


また会話が止まりさっきと同じくらい気まずい空気が流れた。

そこに能天気に健吾が入ってきた。

(グッジョブ!健吾!)そう思い健吾を見た。

どことなくカオルも安心した顔をした。


「いやぁ〜 まいった!どっかのアホガキがよそ見しながら

 自転車乗っててよ、で、止まったタクシーの上にボーンて」


健吾がワーワーと説明するのを二人で笑いながら聞いていた。



「じゃ、そろそろ行くか。まゆも行かないか?飲みに行くけど」


「行こう?まゆ」カオルにもそう言われたが、祐子さんが来ると思い、

「ううん。いい。あたしもう帰るから」と言った。


「そっか・・・」健吾がそう言い、ちょっとだけ(いいのか?)と

言うような顔をした。


「だよな。元彼に挟まれて飲みに行くなんて彼氏が心配するな」

そうカオルが言い笑顔で、

「じゃ、今日は時間つぶしに付き合ってくれてサンキュー」と手を振った。


なにか健吾が言いそうだと思ったが、なにも言わずに二人は出て行った。

(また最後に「またね」とは言ってくれなかったな・・・)

そんな虫のいいことを考えながら、二人の後姿を見ていた。



やっぱりカオルの顔を見ると、後悔ばかりが体の中から溢れた。

けど、散々直樹と一緒にいたくせに、いまさらそんな都合のいい事は言えない・・・

ハッキリとカオルの口から「彼女がいる」と言われた今、

もう昔の気持ちをきちんと精算しなきゃ・・・そう思いながら

ただ黙って、カオルが座っていた席を見つめていた。

そして、今日カオルに出会ってしまったことを後悔した。


「ごめん!やっと終わった〜 たまには違うとこで食事するぅ?」


そんな空気を見事に砕き、祐子さんが走ってきた。

それも、レストランの人に聞こえる声で「違うとこ行く?」と

言う祐子さんの言葉に慌てながら


「いいです!いいです!ここでいいです!」と座らせた。


祐子さんに勢いで電話してから初めて会った。

だから、いままでのことをゆっくり話すのは今日は初めてだった。



「で。もう本当に彼とはダメになったの?」

「はい・・・でも、喧嘩してじゃなくて、きちんと笑顔で別れました」

「そっか・・・やっぱり私のこの仕事のことが原因?それが一番

 大きくて?それなら・・・・ちょっと心が痛むわぁ・・・」


「いいえ、違います。まぁ・・・引き金はこれかもしれないけど、

 でも、それで彼はあたしの仕事を認めてくれたとこもあったし。

 これが無かったら、きっと一生あたしは仕事の出来ない女と

 思われて 彼の元で不満な人生だったから。

 だから、これでよかったんです。あたしもやってみたいし」


素直に笑顔で言えた。本当にそう思っていた。

そんなあたしを見て、祐子さんは安心したような顔をした。


「そう。じゃあ遠慮無くお願いするわ。ついでに彼氏も探してあげる!

 そうねぇ・・でもなかなか向田さんみたいな人はいないかも?」


「当たり前ですよ。あんなに格好イイ人なんかそうそういないですよ?

 伊達に何年も憧れてたんじゃないですもん。

 でも、やっぱり憧れは憧れのままのほうがいいですね。

 よくわかりました」


そう言って二人で笑った。


「で。まゆちゃん、住む所とかどうしよう?希望とかある?」

「あ。仕事場の近くで・・・って、思ってます。車は持ってこないから」


「そうね。こっちは駐車場とかも高いし、そんなに高給には

 最初からできないしね。じゃ、事務所が決まったら、

 そこの近くで探しておくわ。それでいい?」


「はい。高給取りになったら凄い所に引越しますから」


そう言って祐子さんにプレッシャーをかけ笑った。


「実際、仕事が始まるのっていつですか?」


「そうねぇ・・もう会社には言ってあるの。望月は来月の10日で

 辞めるし、私も4月末だしね。だからやっぱりみんな揃うのは

 5月かな?私達はGWもなしで用意してるから。

 まゆちゃんはどうする?」


「あの・・・・ちょっと関係無い話ですが・・・・

 カオルも辞めるんですよね」


「えっ・・・・・なんで知ってるの?それ」

なぜが慌てて祐子さんが聞いた。


「あ。いや、、さっき偶然会っちゃったんです。で、さっきまでそこに・・・」

そういって祐子さんが座ってる席を指差した。



「そう・・・・まぁ、、そうね。矢吹君は今月いっぱいね。

 それもあって職場はバタバタしてるの。一気に私と二人でしょ?

 望月は部署が違うけど古株が3人だからねぇ〜」


「そうですか・・・ まぁ、、いいんですけどね。その話は」


自分で振っておきながら勝手に話を締めた。

祐子さんからカオルの結婚話とかされたらやっぱりへこむ。


「で・・・・カオルには直樹と別れたこと言わないでくださいね。

 まぁ・・あたしと会ってることも内緒だから、そんな話には

 ならないと思いますけど、、、一応・・・」


「え?だってさっき会ったんでしょ?ならもういいじゃない。

 教えたって」



「いやいや。祐子さんと会うとは言ってないし。

 それに、やっぱり格好悪いし、カオルはあたしが仕事辞めることは

 健吾、、、そのあたしのパートナーから聞いているけど、

 それは花嫁修業だと思ってるので。カオルも彼女いるみたいだし、

 あまりあたしの話は耳に入れたくないんです」


ちょっと格好悪かったけど、正直に祐子さんに言った。


「矢吹君に彼女?いたの?へぇ〜・・・・明日聞いてみよ〜と。ふふふ」


「あたしから聞いたって言わないでくださいよ!

 それと・・・・あたしにその聞いた話は言わないでください。

 聞きたくないから・・・」


「ふ〜ん・・・・」そう言いながらニヤニヤして祐子さんはこっちを見ながら

「わかった・・・・・ じゃあ、まゆちゃんは5月の始めに来てね。

 部屋は私が勝手に決めていい?しばらくは会社で家賃だすから」


え・・・それはとてもラッキーだけど・・・

大丈夫なんだろうか・・・祐子さん・・・・


「あの、いいんですか?そんな家賃とかまで」


「いいわよ。これでも部長よ?そのくらいの貯金はあるわよ!

 でも、倍にして返してね。頑張ろうね!私達!」

そう言って人の珈琲のカップに自分のビールがあて乾杯をした。



その日の夜。ホテルでTVを見ていた。

祐子さんはまた仕事に戻り、あたしは真っ直ぐ帰ってきた。

11時を過ぎた頃、ドアがノックされた。


「はーい。どちら様」たぶん健吾だと思いながらドアを開けた。


「ちょっといいか?」そう言って少し赤い顔をして健吾が部屋に入ってきた。


以前、酔っ払った健吾に出張の際、抱きつかれたことがあり、

「今日は抱きつかないでよ?」と睨みながら笑った。


「今日は大丈夫だ。それほど飲んでないって」と言いながら

ベットに大の字で横になった。


「で?なに?珍しいね。こんなに早くホテルに戻るなんて」


いつも、カオルと二人で飲みに行っても、何時に帰ってきてるかは

知らないが、翌日の酒臭さでなんとなく深酒だとは思っていた。



「なんで今日一緒に行かなかった?」

大の字になりがら聞いてきた。


「だって・・約束あったし。それに・・・なんだか行くのもね」

「もういいんじゃね?二人で先に会ったんだし」

「いや、もう会ったから尚更わざわざ行かなくてもいいじゃない」


冷蔵庫からミネラルウォーターをコップに注ぎ、健吾の顔にくっつけた。


「こっちに来て、誰か相談できるヤツとかいないんだろ?

 なら、カオルにその役してもらえばいいだろが」


「だーかーらー。もうカオルに会うことは無いってば。

 今日はたまたまだったけど・・・」


「あ〜・・・なんかお前等本当にムカつくな。俺もう寝るわ」


一方的に話をし、健吾は部屋を出ていった。

(だから健吾の深酒は嫌なんだよな〜)


そう思いながら、ドアの鍵を閉めた。

せっかく夕方のことを少し忘れかけていたのに・・・・


(やっぱり会わないほうがよかったな・・・・・)


そう思いながら、黙って窓からあまり綺麗じゃない夜景を見た。



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