ようこそ異世界へ
誤字脱字つたない文法が多いと思いますが、何かおかしな箇所があればご指摘お願いします。
ピピピピピ…
あー、またこの音か―。
ピピピピピ…
無視したいけどこれこのままにしとくとうるさいんだよなー…
ピピピピピ!!
「…あー、起きる起きる。起きますよー」
なーんで朝はやってくるのかねー。などと考えながらベットの上で寝ころんだままそうつぶやいて俺は右手で頭上を探る。
3回目以降は音が大きくなる設定の目覚ましを探り当てると音を止めて目の前に持ってくる。
カーテンの隙間からはいる朝日のせいで目が開けずらい…。
ちらっと薄ーく目を開けて時間を確認する。
9時35分
あー9時半か―…9時半なら大丈夫だなー…
…ん?何が大丈夫なんだっけか…9時半はだいじょう…
「…ぶじゃねーよ! バイト!」
思い出して急に覚醒する頭。そして勢いよく起きたのでめまいが襲う。
「…っ」
だがそれも一瞬。すぐにそれも治る。頭を軽く振ってめまいと眠気を振り払うと急いでPCの電源を入れる。
いつもの電子音がして電源が入る。その起動は速い。そりゃそーさ俺の自慢の自作PCだしなー。
朝飯はどうしようかと思ったがとりあえずはいい。PCの横にある段ボールの中から今日のバイトに必要なものを取り出していく。とはいっと初期設定は既に終わらせてあるのでバイザーをPCに差し込むだけだが。
それにしてもVRかー…
VRのゲーム自体はこれが初めてではない。ではないが今回のはただのVRではない。
しっかし完全ダイブってホントにできるのかね?
今回のテストはバーチャル世界への完全ダイブ型のVRだ。部屋中にカメラを設置してリアルでの動きをトレースするタイプのVRとは次元が違う。文字通りゲームの世界へ入れるのだ。
既に一度アクセスしてブクマに登録しておいたサイトへアクセスする。しばらくして画面にはテスターIDとパスワードを入れる画面が出てくる。バイザーと一緒に届いていたそれを打ち込みながらチラリと時計を確認する。
9時55分。どうやらベットでもぞもぞしてるうちに結構な時間がたっていたらしい。
パスワードを打ち込むと同時に画面が変わる。
真っ白の画面にテスターの応募ありがとうございますの文字。そしてバイザーを装着して開始時間を待ってほしいと書かれていた。どうやら時間には間に合ったようだ。
今回のバイトは確かに金額もそれなりに高くて良かったのだが、まぁ、それよりも興味の方が大きかったのでのがしたくなかった。というのが本音だ。とりあえず椅子に座ってバイザーを手に取る。
だってそうだろ?ゲームの世界に行けるんだぜ?ゲーマーなら誰もが一度は夢見たことだろ。人生とかいう糞ゲーよか行けるならゲームの世界を選ぶね俺は。
…まぁ所詮ゲームなんだけどな。
バイザーはまんまバイクのヘルメットである。装着するとゴーグル部分が液晶になっているのか今まさに開いていたPCの画面が表示されている。見れば開始時間まで3分のタイマーが起動したようで目の前にでかでかと表示された電子タイマーの数字が減っていく。
リクライニングのいすの背もたれに思いっきり体重をかけて液晶越しに天井を見る。タイマーの奥にうっすらと天井が見える。
今回のテストゲームは内容が一切公開されていない。オリジナル開発のRPGだそうだが果たしてどんなもんか。まぁ今回は完全ダイブが経験できるわけだし多少の糞ゲーでも許してやろうとも思う。
タイマーが1分を切る
ちょうど耳元から電子音声が1分前であると伝えてくる。
<テストプレイ開始まで1分を切りました。プレイヤーはアダプターが抜けないよう確認をしたうえで待機してください>
やべ、今更ながらドキドキしてきた。
<テストプレイ開始まで30秒です。テストプレイヤーは画面中央のゲートにご注目ください>
画面中央にあったタイマーが右下に小さくなると画面には何やら古臭い鉄扉が現れる。中央にはなにやら鍵穴がある。
しばらくするとその門の前に鍵が現れそのカギが回される。
ガチャ
<ただいまよりテストプレイ開始いたします。プレイヤーは画面中央から目を逸らさないようにお願いします>
おおおおお?
門が開くと画面はその中へ進んでいく。それに合わせて浮遊感が体を襲うと文字通りその門の中に俺は落ちて行った。
……ん?
浮遊感の後に意識を失った。と思うのだが気が付くと周囲がまっくらである。自分がどうなったのかしばらく周囲を見渡した後でふと思い出したかのように自分の体を触ってみる。
おおおおお!ある!俺の体!
ペタペタとさわれば確かにさわった感触もある。というかリアルとまったく変わらない感覚で自分の体を見れるしさわれる。
周囲にはなにも無い。足裏にも何もなく宙に浮いたような状態だろうか。落下してるようには感じないから浮いているのだろう。
と急に眼の前が明るくなる
<この度は弊社のVRMORPGのテストプレイへのご協力ありがとうございます。これよりゲーム内でのあなたの分身であるキャラクターメイキングを開始します>
先ほどまで聞こえていた電子音声が聞こえてくる。
すると目の前の光が一か所に収束していく。そしてその光はしばらくしたのちに人の姿へと形を変えていく。
「って。まんま俺じゃん」
そこには20になった俺の姿があった。現代人の平均身長平均体重見てくれもどこにでもいそうな普通の大学生である。頭上には俺の名前が書かれているしな。
うおっ。っと声を上げ思わず手を伸ばすと指先にピコンと音を立ててメニュー画面が表示される。よくあるキャラメイクの項目がずらりと並ぶ。
試しに身長の項目をいじる。
目の前で自分の体が伸びちじみするのは見ていてなんというか…気持ち悪い。
こっそり筋肉量を多くして外見はそのまま。ついでにプレイヤーネームもテストプレイだしそのままでいいだろうと本名もそのままにしておく。
メニュー一番下の完了ボタンを、押す。というかさわる。
<では次にステータスのボーナスポイントを振り分けてください>
メニュー画面が切り替わりステータス一覧が表示される
<なお初期ステータスはリアルのプレイヤーの能力を参考に設定されております>
んー?リアルの能力?
確かによくよく見れば各項目ごとに差がある
体力・筋力・丈夫・俊敏・器用・賢さ・精神・運の8つそして一番下にボーナスポイント200とある
因みに俺の数値は体力10・筋力10・丈夫10・俊敏10・器用25・賢さ15・精神20・運4である。
運4て…どんだけ運無いんだ俺…
おそらく平均値が10なんだろうと思うとホントに身体能力は平均なんだな俺…
軽く絶望な気分を味わいながらふとボーナスポイントの多さに気づく。
仮に20歳の平均数値が10だとするとこのボーナスポイント多すぎるんじゃね?
まぁテストプレイだから難易度を下げる意味合いもあるのだろうが…。というかいつこんなの測定したんだろな。
…まぁいっか。
考えるのも面倒だしとりあえずボーナスポイントを振り分けていく。この手のステータス割り振りは自分の中では振り分け方は決まっている。
当たらなければどうという事はないスタイルである。
とりあえず敏捷に全振り…しようと思ったらステータスは100より上にはいかない。仕方ないので100まで上げて残りを使って筋力と器用を50に。残りは何にしようか悩み器用を60にして体力を40に上げる。残った5ポイントはとりあえず運に入れといた。
体力40・筋力50・丈夫10・敏捷100・器用60・賢さ15・精神20・運9
うーんと表示された数値を眺める。そーいえばゲームによって回避の数値は敏捷・器用のどちらかに影響されるが、よく考えればこのゲームがどちらに依存するかがわからないことを思い出した。ついついいつもの癖で敏捷カンストさせたがどうしたものか…。こういう時はバランスをとるか。と考え直す。
サイド項目を操作する敏捷を80に下げて器用を80に上げる。
体力40・筋力50・丈夫10・敏捷80・器用80・賢さ15・精神20・運9
よしこれでいいだろ。一番下にある完了にふれる。
と、警告文が出てくる。
以上でクリエイト終了となります。以降の変更は一切できなくなりますがよろしいでしょうか?
Yes/No
当然Yesだ。
Yesをさわるとメニュー画面が消えていく
<これにてキャラクタークリエイトを完了します。なおジョブ及びユニークスキルは事前にランダムで決定しました。>
ん?ジョブがなんだって?
またしても目の前が暗く暗転していく。
<ようこそワグノワールの世界へ>
次回から異世界です。