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赤の旅人の罪

 クルト以外には、誰も生きていませんでした。

 クルトは、自分の血を使って湯気をもやもやさせました。

 クルトは、自分の血に暴れさせました。

 人間たちの体を、内側から壊してしまいました。

 クルトは、血を大量に使いました。

 クルトは、血を使いすぎました。

 クルトは魔法使いです。自分の怪我も、他人の怪我も、直すことができます。

 でも、血がなくなれば死んでしまいます。

 クルトは、死ぬのだろうと思いました。

 死ぬのだろうと思いながら、満足でした。

 クルトは、ずっとエルザの死体を抱いたままでした。

 エルザの死体は、とても重く、でもクルトは決して放しませんでした。

 クルトが、エルザの体を抱いたまま、倒れようとしました。

 背中に何かぶつかりました。

 赤の旅人でした。

 赤の旅人は、砂漠に生まれた大量の死体をかぎつけ、掃除をしに来たのです。

 懐かしい、赤の旅人でした。

 クルトは恐怖しました。

 エルザの死体を抱きしめました。

 エルザを食べないでくれるよう、クルトは頼みました。

 どうして、エルザが赤の旅人を拒んだのか、クルトは理解しました。

 クルトはエルザが好きでした。

 好きな人の死体が、虫に食べられるは我慢できなかったのです。

 赤の旅人は、虫で覆われた手をクルトの頭に置きました。

 赤の旅人が崩れます。赤いじゅうたんのように崩れ、虫たちが砂漠に散りました。

 虫たちは、エルザには寄り付きませんでした。

 クルトは安心しました。でも、まだ油断できません。

 クルトはずっとエルザを抱いたまま、気を失いました。

 あまりにも、たくさんの血を流していました。

 クルトはきっと、このまま死ぬのだろうと思っていました。


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