旅の道連れ
クルトは、女の子がエルザという名前だと思いだしました。
エルザはすぐに、砂漠の民が死んでいることに気が付きました。死んでいるのに動いているのは、赤の旅人が動かしているのだと気が付きました。
クルトはエルザと並んで、砂漠の民がキャンプの片づけをするのを見ていました。湯気をもやもやさせていたので、あまり暑くはありませんでした。
砂漠の民はキャンプを片付けていました。
片付け終わると、動かなくなりました。
片付け終わったとき、クルトとエルザの前に、水と食べ物とキャンプ道具が積まれていました。
砂漠の民が、死にながら運んでくれたのです。
すべて、赤の旅人が運ばせたのです。
赤の旅人は死者を動かして、生きられるエルザを助けたのだと、クルトは思いました。
「これからどうします?」
ネズミが尋ねました。エルザは、誰が尋ねたのかとあたりを見回しました。クルトは、自分が尋ねられたのだと思ってネズミを見ました。
ネズミはクルトを見ていませんでした。
乾燥した砂の上で、小さなネズミは赤く大きな影を見つめていました。
赤い大きな影のそばで、ラクダが膝をつきました。赤の旅人が乗ってきたラクダでした。
ラクダをたくさんの虫が覆いました。赤の旅人は再び赤いじゅうたんのように広がりました。クルトはラクダを逃がそうとしました。
ラクダは立ち上がりました。ラクダの背には、人の形に戻った赤の旅人がいました。
「待ってください。わたしも行きます」
立ち上がったラクダの尾に、ネズミが飛びつきました。
「赤の旅人は、次の死体を探しに行くみたいです。お兄さんたちはどうします?」
クルトは一緒に行くと言いました。クルトは赤の旅人を探していたのです。おじいさんの魔法使いが、どうしてクルトに爆弾を持たせたのか、聞きたかったのです。赤の旅人にまだ文句を言っていないのです。
クルトがラクダに乗ろうとすると、クルトの服が後ろから引っ張られました。
クルトが振り向くと、クルトよりも大きなエルザが、青い顔をしていました。
「みんな死んじゃった。わたし、どうしたらいいの?」
尋ねられても、クルトも解りませんでした。クルトは解らないと言いました。
「わたしも行っていい?」
エルザはクルトを見ました。
クルトはネズミを見ました。
ネズミは赤の旅人を見ました。
赤の旅人は何も見ていませんでした。
エルザはクルトと一緒に、赤の旅人が使うラクダの上に乗ることになりました。




