2/28
クルトの趣味
幼いクルトは、魔法使いの弟子になりました。
クルトは部屋で本を見ていました。
クルトは字が読めませんでした。
クルトが幼かったからかもしれません。
誰も、クルトに文字を教えようとしなかったからかもしれません。
字が読めなくても、クルトは本が大好きでした。
面白い形の絵が、たくさん並んでいたからです。
絵ではなくて文字なのだと、クルトは考えませんでした。
クルトは毎日本を見て過ごしました。
ある日、おじいさんの魔法使いがクルトに言いました。
「クルトや、本が好きなら文字を覚えたらどうだい?」
クルトは首を横に振りました。
クルトは本が大好きでした。
クルトが好きなのは、変わった図形がたくさん並んでいるのを見ることで、図形の意味を知ることではなかったのです。




