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クルト、地上へ

「お兄さん、人みたいですよ」

 ネズミは嬉しそうに言いましたが、クルトはどうしてネズミが嬉しそうにしているのかわかりませんでした。

「人間なら、壺から出してくれるかもしれません」

 クルトは魔法使いです。人間は魔法を使えません。魔法使いのクルトは、人間と動物の違いがよくわかりませんでした。

――『おい、声が聞こえたぞ』

――『今の、この下からか?』

 ネズミが掘った小さな穴から、人の声が漏れ入ってきました。

 クルトは魔法使いです。動物も人間も、言うことを聞いてくれます。穴がとても細いので、外の人間に言うことを聞いてもらうのは難しそうだと思いました。

「ここにいますよー。出してくださーい」

 クルトが考えていると、ネズミが気を利かせて呼びかけました。

――『まさか、昨日埋めた子供の死体か?』

――『幽霊じゃないか?』

 どうやら、クルトは死んだのと間違えられたようです。クルトは腹が立ち、湯気をさらにもやもやさせました。

「死んでいません。助けてください」

 ネズミが呼びかけました。

――『よし、待っていろ。すぐに出してやる』

――『待て。幽霊だったらどうする?』

――『このまま放っておいたら、本当に幽霊になるぞ』

――『それもそうだな』

 人間たちは、クルトを掘り出すことに決めたようでした。

 クルトがじっとしていると、頭上が明るくなりました。驚く人間たちに見られながら、クルトは暑い砂漠の上に引き上げられました。


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