透明人間
人は誰だって姿形を持って生まれてくる
当たり前なはずなのに
当たり前なんかじゃない
透明人間で生まれてくる人だっているのさ
自分の存在価値をがっしり掴むまで
あいまいな生の中で撒いた種を成長させて
その実を刈り取るまで
私はいつまでも存在しないかのようだったろう
もちろん不安
世界が暗闇に見えることなんてしょっちゅうだった
それでもその過程を楽しむのさ
周囲は馬鹿にしたような目で見るけど
自分が納得していれば私は自分が不幸だなんて
これっぽっちも思わなかった
痛みに耐えているのにその痛みはなぜかいつも
誰も知らない自分だけの安らぎと裏表にあったから
誰にとっても生きていくのは楽なことなんかじゃない
人生を巻き戻そうなんて馬鹿なことを考えるもんじゃない
もう一度人生をやり直す??
私がそんなことしたら
確実にぶっ倒れて死にます
それくらい誰かに自分の人生を分かつっていうのは
生半可なことじゃないんだよ
流れていく星がどこに向かうのか
私にしか見えないわけじゃないでしょう