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土生火象 水嗜風塵

作者: 晴読雨読

湯呑が割れてしまった。

お茶を飲み終わり、湯呑を机にコトリと置いたら下の方からひびが入り、机が湿った。

良い感じの重さ、手になじむ形、なでると気持ち良いザラザラとした肌触りが気に入っていたので、気持ちがずっしりと落ち込む。


買いに行くかと数日悩んでいると、近くで陶器市が行われるとチラシが入っていたので、これも縁かと見に行くことにした。


陶器市に行ってみると、全国各地の陶磁器店がイベント用テントを連ねて販売していた。

・・・色々あるなぁととりあえずぐるっと回ってみる。

湯呑だけでも数えきれないほどあり、前に使っていたものと似たものを探しながら、気になるものはないかと見て回っているとカラフルだったり、食洗器やレンジに対応している物など思ったより機能的な物も多くて感心していた。


棚と棚の幅が狭いのでゆっくり歩くが、人と行き交う際はぶつかりそうで神経がヒヤリとする。

さらに、物を色々と見ながらで、普段歩くのより一層気を使っているので大した歩数もないのに少し疲れてしまった。


休憩スペースでお茶を飲みながら回想する。

先ほどの中でいいものはどれだったかというとやはり元々使っていた湯呑に似た陶器の湯呑だ。


よしと決めて、気になったテントへ向かう。

さっき見た湯呑はまだちゃんと残っていた。

同じ形の湯呑だが、複数あって、何となく模様の色と形が異なる。

手に取ってみると重さも違うような気がした。


どれにしようかと吟味していて、湯呑の渦巻きに目を奪われた。

触れてみると前のものより持ってみて落ち着く感じがする。


すぐに気に入ってこれを購入した。


陶器は土に生まれ、火によって象作られ、水を嗜み、風にて塵る。


前のも良かったが、新しい物も良い。

何かにつけてそう思える心持で居たいものだ。

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