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第31話 ドラゴンのお世話係の男はついに国王と面会し、人生詰みかぁ


- * - * - * - * - なんとう、時は第29話の最後に逆戻る - * - * - * - * -


"んっ、玄関前に立っている奴らはずいぶんと着飾っているじゃねぇか。

あっ、あの若造はもしかしてバラージュとかいうツォッカ公国第二王子、今回は国王の代理をしているっていうんじゃねぇか。

そっかぁ、なるほど、こう来たかぁ。

いきなりここで国王(代理)と面会となるとはな。

ププププッ、なんと城に入る前に、最後の晩餐もなしに国王との面会、そして、対決だぁ。

そのあとはもう言わなくてもわかっているよな、ププププッ"


えっ、ここがなんちゃらロードの終着駅になっちゃったの。

少なくともリュウちゃんのお披露目会の会場で最後の晩餐を堪能するというご褒美ステージをクリアをしてからだったはずだよね。

ここが終着駅だなんて、ご褒美ステージどころかロードをぶった切ったり、とんずらすることもかなわないなんてぇぇぇぇ。


"定めだぁぁぁぁ、あきらめろぉ。"


何たることだぁ。

ここで国王代理と面会し、そのまま対決に、そして、地獄の一丁目に飛ばされて、閻魔の裁き。


"そして、無間地獄へ。 "


えっ、招喚地獄じゃないの。

さっきは罪が多少は軽減されるってことだったよね。


"招喚地獄はロードのど真ん中を誠心誠意踏破したご褒美に閻魔が裁きに温情を掛けてくれた場合だけだって言ったよな。"


いや、ちょっと待って。

俺は只今、ロードのど真ん中を誠心誠意進ませられようとしているよな。

国王との対面、そして対決し、敗北しち~ンということだろ。


"ど真ん中なんて進んでねぇだろ、よく考えろ。"


だって、まずは超特急王宮直行馬車に乗せられた・・・・・・・

いや、ここまで乗ってきた馬車はのんびりと街を走ってきたな、どっちかというと鈍行馬車・・・・・・・

うぁぁぁぁぁ、まさか超特急馬車じゃく、鈍行馬車に乗ったのが間違いだったかぁ。


"鈍行馬車ねぇ。

確かに足は遅かったが、王宮(仮、実は領主の城)へは途中で休憩も取らずに寄り道もせずにまっすぐ来たからな、その意味では超特急と変わらないと言ってもいいんじゃねぇか。

超特急というだけで何分で王宮(仮)に着くなんていう制約はなかったわけだしな。"


えっ、そうなの。

じゃぁ、王道の真髄を踏み外したっていうのは乗った馬車のことじゃなかったのか。


"続けてよく考えてみろよ。"


わかったよ、もう一度なんちゃらロードの真髄の最後の部分を考えるとだな。

超特急王宮直行馬車に乗って王宮に着いたら、リュウちゃんのお披露目パーティーに出席して最後の晩餐、そして国王との面会。

そうして、なぜか国王との対決、結果は当然ち~ン、めでたく地獄の一丁目に到達し、閻魔様の裁きという手順だよな。


"そうだろ。

ロードの真髄の中でこの状況ではできなくなった工程があんだろうがぁ。

そこまでロードの真髄を把握しておいて、なんでわかんねぇんだよ。"


できなくなった工程かぁ・・・・・・・


あっ、お披露目パーティで最後の晩餐・・・・・・

王宮(仮)に直行したまではいいけど、そこにはすでに国王(仮)が待っていた。

当然、このままいくと間もなくご対面かぁ。


"とっ、言うことは"


最後の晩餐がないじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ。

最後のお楽しみがそっくりなくなっているぅぅぅぅ。


"わかったか。

ロードの真髄を進むことが不可能になってんのが。

ということでだ、閻魔の裁きで恩赦がなくなり、行き着く先は無間地獄で決定なぁ、ププププッ "


そっ、そんなぁ。


"あきらめろ。"


最後の晩餐というお楽しみがないばかりか、行き先が無間地獄だなんて。


団長様様が国王(代理)様様様たちと玄関前で挨拶を交わしている間に俺は一人だけがっくりと肩を落として絶望感という沼にどっぷりとはまっていた。


"団長の挨拶が終わったら、次は当然主賓である小童とお付きのお前が挨拶をする番だよな。

もうすぐかぁ、もうすぐ夢にまで見たなんちゃらロードの終着点に着くんだな。

長かったぁ。

でも、これでお前もロードを走破できて満足だろ。"


ぜんぜん満足なんてできねぇ。

俺が満足できるのはすべてのロードがぶった切られた時だけだぁ。


"むりぃぃぃぃぃぃ、それ絶対無理だから。

この期に及んでまだそんな妄想を抱いていやがったのかぁ。"


まっ、まだ、何か起こるはずだ。

俺はそうやって生きてきたんだぁ。

今度も最後まで望みを捨てなければ何とかなるはずだ?


"おめぇ、すでに? 付きなんじゃねぇか。

国王との面会と対決、そして、ち~ンはもうどうあがいても避けらんねぇだろうがよ。"


もう、幕を下ろすしかねぇのか・・・・・・


俺が絶望に浸りそうになっていた時に、ツォッカ公国の出迎えの者たちから一人、俺の方に歩いてくる老人がいた。


"なんだこのジジィは。

まさか、国王代理の奴が直々にお前に会いに来たっていうわけじゃねぇよな。"


うぁぁぁぁぁ、おわったぁ、まじで、俺の人生が終わったぁ。


俺は絶望感で足が震えそうになるのをこらえきれなかった。


「んっ、どうしたんじゃな、足元がおぼつかないようじゃな。

そんなに緊張せんでも、別にとって食おうなんて者は誰もおらんよ。」


俺が絶望しているのを要人との面会で緊張しているためと取った国王代理(仮)様様様が穏やかに声を掛けてきた。


取って食わないかもしんないけど、あんたは俺に引導を渡す気満々だんだよな。


"あっ、ちょっと待て、シュウ。"


待っていいならいくらでも待つけど、終着点へ加速するのはやめてくれよ。


"国王代理である第2王子は若い奴って言っていなかったか。"


あっ、確かに。

こんな、じいさんじゃないと聞いてるよね。


"ということは、もしかしてこいつは正真正銘の国王かぁ。"


えっ、国王様様様なのぉ、いや、国王様様様様でございまするのぉ。


"おめぇ、動揺しすぎて言葉が変だぞ。

終着点までもう残すところ1工程なんだから、堂々としていろよ。

そうすれば閻魔の評価もちびっと上がって無間地獄から大炎熱地獄に沙汰が緩和されるかもしんねぇぞ。

まぁ、それでもひと工程省いちまったからなぁ、招喚地獄まで許されるってことはねぇけどな。"


本当にこのお方は国王様様様様なのぅ。

これで完全に詰みだぁ。

どうすんべぇぇぇぇぇ。


"お前なぁ、人の話はちゃんと聞けよぉ。

動揺しすぎだって。

せっかく無間地獄行きを恩赦されるかもっていうのによぉ。"


いきなり人生詰みな状況に陥って、動揺するなっていう方が無理だろうがぁ。

あぁ、これで怨霊様の顔も見納めかぁ。

なんだかんだ言って、長い付き合いだったな。

結局は最後の最後で何の役にも立たなかったけど。

さすが怨霊様といえばそれまでなんだけど、こんなに早く人生詰みを俺に突きつけるとは、その呪いの引きの強さは伊達に怨霊を200年もやってねってことかぁ。


"おめぇ、どうした。

あのロードを何が何でもぶった切ってやるという気概はどうした。"


国王様様様様がいきなり目の前に現れたんだぞぉ。

もう、手の打ちようなんてねぇじゃねぇか。


"まっ、確かにそうだな。

まぁ、これも定めだ、あきろめろっ、てがぁ。"


そんなぁぁぁぁぁぁ。


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