3 逃走
めっちゃ短いです
「何だよ…これは」
九郎は余りにも現実離れした光景に言葉を失っていた。階段を上りきった先は、マグマがあちこちから噴き出しており、マグマの海の部分もあった。
マグマの海から魚のような何かが顔を出したかと思うと、ピッチピチしながら飛び跳ねて更に大きな魚のような何かに丸呑みされていた。
一瞬引き返そうかと思うも、先程の空間に戻ってもどうにもならないので九郎は出来るだけマグマに近づかないように心掛け、先に進んでいった。
「あぁ〜暑い、暑い、暑い〜なんだよここは暑すぎんだろ、もう無理動けん」
歩き始めて数分九郎は早くも暑さでダウンし、壁に背を預けてマグマの海を眺めていた。
(あの魚は一体なんなんだろうな、何で燃えねーんだろう。)
「フガッ」
(ん?なんだ今『フガッ』て聞こえたか?)
突然聞こえた声に警戒しながらも壁から少し顔を出してみると、そこには二メートルを超える豚と猪が合わさったような見た目のデカいのが二匹、両の手には斧と盾を携えていた。
(何だあいつらは)
初めて目にした化物に動揺を隠せず、固まっていたら化物と目が合った。
「フゴッフゴフゴ、フゴー」
「フガ、フガフガフガフガフガ」
「フゴッ?フッゴ」
「フガガ」
化物二匹はフガフガと会話し、意見交換が終わったのか頷き合い得物を振りかざし、こちらに向かって来た。
危険を察知した九郎の動きは早かった。振り返って、進んできた道を全力で駆けた。そこでおかしなことに気づく。来たときは数分掛かったのに、数秒で自分が上ってきた階段にたどり着いたのである。確かに全力で走ったからという事もあるだろう。しかし余りにもおかしい。
まるで、ゲームの世界のような速さだった。
化物二匹の会話
「うわぁっ!人間だ、逃げろー‼︎」
「いやまて、あいつはさっきの悪魔みてぇな女どもと違って鎧も武器も身につけてねぇぞ」
「まじ?ホントじゃん……やっちゃう?」
「やっちまおうか」