襲撃Ⅱ
「ぐわあっ!」
「………オルク!」
オルクが目の前に作られた壁に叩きつけられる
「はあ…はあ…」
「へえ…君なかなかやるねえ…まさか俺が3分も相手をさせられるとは思わなかったよ」
目の前の男は余裕の表情でこちらに近づいてくる
「オルク!大丈夫?!
「大丈夫…だ…レイ…逃げ…ろ…」
「ああ心配ないよ。君を殺しはしないさ、実際今日はそんな目的なかったし」
「もく…てき………?」
「ああ、そう。『目的』。今日はそれを果たすためだけにここに来たのさ…」
男はオルクの目の前で立ち止まった
「…というわけで悪いね」
そう言うと彼はオルクの前で手をかざし、魔法陣を展開した
………………これ……知ってる…
その瞬間何か胸元に違和感を感じた
はっとして首にかけていたチェーンを引っ張りあげてみた
「………光って…る…」
その瞬間ネックレスから一直線に光が放たれ、壁を…そして男の魔法陣を粉々に砕いた
「な…何…今の…」
急いでもう一度ペンダントを確認したが光は消えていた
「!!!…バカな…まさか…お前が…」
男は手を引っ込め、衝撃で数歩下がると目を見開いて私の方を見たが、すぐにニヤリと笑みを浮かべた
「………なーるほど…これは面白いことになったなあ」
男はそう言い残すとシュッと音をたてて消えてしまった
あとには呆然と立ち尽くす私と座り込むオルクだけが残された