異変
それから何日かが過ぎたある日のこと
いつものように1限がすぎ、2限が過ぎていく
そう…いつもと同じはずだ。
………でもなにかがおかしい
「レイ、顔色悪いよ…大丈夫?」
移動教室の前、ベルとラミィアが心配して話しかけてくれた
「あ、うん全然大丈夫、ありがと」
何とか笑顔を作って微笑んで見せた
でも中身は大丈夫とはかけ離れていた
何かこう……ここにいちゃだめな感じが……
いや……きっと気のせいだ、
私は魔力もないし、そんなものを感じる力もない
きっと不安になりすぎているだけだ、きっと
さてさて、昨日の続きは……
その時だった
ドーン、バーンという激しい爆発音が遠くで聞こえた
「なにっ?今の……」
慌てて窓を開け外を覗くと、遠くの方に見える山から煙があがっていた。
「爆発…?」
あまりのことに呆然としているとこちらに多数の人影が迫ってきた
……………ほうきに乗っておらず直接飛んでいる
風属性の人たちだ!!!
逃げなきゃ……
はやく………
急がなきゃ…
でも足が全然言うことを聞かない。
そうこうしているあいだにもどんどん影は迫ってくる
「あ……あ………」
恐怖で音が声にならない
その時、パシッと後ろから誰かに手を握られた
「何やってんだ、逃げるぞ!」
その声に私は一気に現実に引き戻され、足がふわっと軽くなった
「ほら、走るぞ!いいな?」
「う、うん、そうだ、みんなはどうなったの?」
「先に安全なところに避難してる、ったく何やってんだ……心配だから見にきてやったらあんなとこに突っ立ってるし…あんなことしてたら最初の獲物になるぞ」
廊下を疾走しながらオルクが私を叱りつける。今回ばかりは反論できない
「……ごめん」
「謝ってる暇があったら足を動かせ、急がないと…奴らが…………レイ!伏せろ!」
「え?………うわっ」
オルクが私を後ろに突き飛ばした瞬間、目の前のガラスが割れ、何か黒いものが突入してきた