魔力なき少女
私、レイティアは魔女じゃない
ほとんどみんな魔法が使えるこの世界で私はどの魔法使いの属性にも当てはまっていない。
唯一できることといえば物をちょっと浮かせることとほうきで空をちょっと飛べるくらいだった
親はふつーの魔法使いだし、二人の妹はそれぞれれっきとした水属性と炎属性の魔法使いだった
なんで私だけなんだろう………
【この世界の魔法使いには4つの属性……正しくは5つだが…が存在する
1つは炎を操る炎属性、この世界で最も多く存在する魔法使いだ
次に水、氷を操る水属性。炎属性の次に多く存在する
そして光、電気を操る雷電属性と植物との関わりが深い緑属性
それから…………かなりの低確率で風を操る風属性が存在する。
風属性の魔法使いは他の魔法使いは持たぬ不思議な力を宿していた。
ほうきがなくても空を自由にまい、使える魔力が弱い代わりに魔法とは違う不思議なチカラを宿していた
国はその特別なチカラを恐れ、風のチカラを持つものを遠ざけた
もちろん、風魔法使いも黙ってはおらず、小規模ながら反乱を起こした
魔力の特性で風属性に立ち向かえるのは風属性の魔法使いのみだったため反乱を納めていたのは雇われた風属性の者だった
最近ようやく和解したようだが、風属性の遺伝子は消えつつあり、今やほとんど見られなくなってしまっていた。
第5章、消えゆく風属性︰完】
「はああ………面白くない……」
ため息をついて教科書を閉じるため息をついて教科書を閉じる
この時間は私にとって苦痛でしかなかった。
「みんな今頃呪文覚えてるんだろうなあ……なんで私は魔法が使えないんだろう?」
そう誰もいない教室でつぶやく
この世界で魔力を持たぬものは少なくない。
だから私だって普通なんだ、と思うようにしていたが、周りの友達がどんどん魔法を習得していくのを横目に教科書を読みすすめていくのが恥ずかしくてたまらなかった
「まあ魔法が使えなくてもこの世の中生きていけるしね……まあ運命を生きなくちゃね」
そうつぶやきながら胸元のネックレスに触れる
これは私がひいおじいちゃんからもらったものらしい
ひいおじいちゃんは私が1歳のときにに亡くなり、これを私に渡して欲しいと言い残したらしい
でもこのネックレス、先に何か変わった模様が書かれてる以外は至って普通のものだったし、これまで何か変わったチカラを見せたわけではない。
でもなんとなくつけていた。
自分でもなぜだかわからないくらい片時も離さなかった。離したらいけない気がしていた
存在すらよよく覚えていないひいおじいちゃんはなぜこれを私に残したのだろうか…
そうぼんやりと考えていると授業の終わりを告げるチャイムがなった。
ホッと息をつく、次は歴史だからそんなに気にしなくてもいい
しばらくするととゾロゾロとクラスメイトが帰ってきた。