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新しい転生者に監禁され、放置されました。

投稿頻度がとても落ちてしまい申し訳ありません。ですがモチベが上がってきたので次ははやくだせると思います。



例えば、一人の学生である男と女がいたとする。その男女は仲が良いというわけでもないが、別に嫌いでもない程度の仲だったとしよう。

その男女は、ふたりきりで体育倉庫で体育祭の準備をしていたら、なんとトラブルにより倉庫の外から鍵を閉められ、内側に閉じ込められてしまった。

さて、どうなるか。

好きでもないはずの彼女がとても可愛く見えて、危ない気が上ってきて、そのまま少子高齢化に一石を投じる衝動に駆られたり…。


結局何が言いたいのかって?


「だめだ。どこにも出口は無さそうだ。」


そう。

僕は今、人生6週分の肉体が詰まったマッチョマンと密室に閉じ込められてしまったのだ。


ーーーーーーーーーーー

今日の朝、いつものように僕の能力で出現させた朝ごはんを食べ終わった後、あの光が家に漏れてきた。

渓さんはすぐに立ち上がり、光の方に向かった。

そして僕は、一瞬消えて、すぐに現れた神様と会話する。


「転生の選別お疲れ様です。ほんと一瞬で消えますね。点滅したみたいですよ。」


「神は時間ごときでは縛られないからね。一瞬を永遠にすることなんて容易いもんさ!」


ちょっとだけドヤる神様。ほんとなんで見た目が性別不詳の中性なんだろうか。もし美少女神様だったらこのドヤ顔の価値が一気に上昇して、僕の景気が良くなるのに。価値が上昇しても景気が悪くならない!なんて素晴らしい異世界!


「素晴らしいのは君の脳内だよ…。どんな想像力してるんだい…。」


「えっ!?心の声にでてました?」


「白々しいなぁまったく。私の見た目を美少女にしたいっていう君の心の声の欲望が伝わってきたよ…。」


「神様。これは仕方ないと思うんですよ。せっかくの異世界転生なのに僕が出会うのはみんな男ですよ!

異世界に夢くらい見たっていいじゃないですか!」


だってそうだろ!?異世界に来た直後は、女に会いたいなんて発想は全く無かった!でもこの異世界に来る奴はどいつもこいつも一部おかしい!人生6週してる筋肉とかうぜぇ陽キャとか危険思想のいじめられっ子とか!

分かってくれるか世の男子!!僕はまだ若いんだ!若者が女に会いたいと思うのは異端か!?いいや普通だ!常識だ!

男ってのは、どんなに化けの皮を被って発言をしたって皮を剥げば性欲に忠実な一般男性だろぉぉ!?


「…それを渓と初対面の時の君が言っていたのならば即現世戻りだったね。今から渓を呼び戻してくるよ。」


「いや、まじすんませんでした。調子乗りすぎました。もっと異世界にいたいです。」


さよなら。僕の理想の異世界転生。久しぶり。縛りが多すぎる異世界転生。


「ほら。どうでもいいから、はやく渓を追おうよ。」


ーーーーーー


あの後、神様と一緒に渓さんの後を追って、光から男が出てきて、また男か…と気を落としたのがさっきの僕。

そして神様にあの男の特典を聞こうとしたら、急に目の前に超巨大な壁が出てきて、気づいたら僕と渓さんごと囲まれ、出口がないことを知らされたのが、今の僕。


「これ、さっきの転生してきた奴の能力ですかね。」


「多分な。それにしてもいつもの定型文を言う前に閉じ込められるとは思ってなかった。不覚…。」


珍しく落ち込んでいる渓さん。肉体は強いのにメンタルは強くないのね。これがギャップ萌えってやつか。 落ち込む強面筋肉とかに萌える特殊性癖を抱える奴がいたら僕はいつでも代わりますよ。


いつもの定型文ってあれか。ようこそ異世界へ!ってやつか。別に言わんでも支障ないしそうな落ち込まなくても…。


「俺が異世界に来て、あの言葉を言わなければ、俺が門番だということが転生者に伝わらない…。職を失ってしまった…。無職なのか俺は…。」


いやあんた現世で冒険家だったって神様が言ってたし、無職みたいなもんだろ。


「渓さんそんなに落ち込まなくても…。」


「落ち込んでなどいない…。ただ今の気持ちを例えるとあれだ…。日直なのに号令を別の人に言われたときのような気分だ…。」


あんたほんとは落ち込んでないだろ。日直代わってくれてありがとうだろ。


「この壁、渓さんの能力でどうにかできないんですか?もしかしたら別の世界からここに出現させられた壁かもですよ。」


「できたらとっくにやってる。恐らくあいつの能力は…壁を作る能力?いやそれは流石にショボすぎる…」


悩み始める渓さん。

確かに、壁を作るだけの能力は需要が無さすぎる。もしそんな能力があっても、転生者が選べるたった1つの特典に使わないだろう。


「ていうか、全力の渓さんのパンチとかなら壊せるんじゃないですか?」


「それも既にやった。

これに囲まれる直前にこの壁をぶん殴ってぶっ壊そうとしたが、壊れなかった。」


「もしかしたら…創造…かもしれないな。」


「創造…。」


「もし創造の能力ならば、極めると『絶対に壊れない壁』なんかも作れるかもしれないからな。」


チートじゃね?それ。あ、チート特典だしいいのか。

創造なんて能力があればなんでも作れるじゃん。

てか能力に詳しいな。


「いや…。流石にそんなやりすぎな能力は無いんじゃないですか?

あったら僕の能力完全下位互換じゃないですか泣きますよ。」


「残念だが存在はする。今俺たちが住んでいるあの家は、お前が転生するより前に神が作ったのは知ってるだろ。お前が来た時も、あいつの力1つで部屋が増えたのはお前も見ただろ。」


確かにそうだ。それにこの世界を作ったのは神様達だとも話してたっけ。じゃあほんとにあるのかよ。


「確かになんでもありな能力だ。この世界における能力の上限はかなり高い。神ほどの奴ならどんな能力も上限のレベルか限界を突破したレベルなんだろうが、今日来た転生者はまだだな。」


「?なんで断言できるんですか?」


まだ新しい転生者はこの壁を作っただけなのに、なぜ能力のレベルまで分かるのか。


「…神が言っていたが、創造の能力は外部の見た目だけでは無く、内部の構造までを想像し、創造する必要があると言っていた。

この壁の内部はすっからかんだろ。壁も、強度が高いというだけのただの壁だ。確信するには弱いが、転生者は完全に能力を使えこなせていないはずだ。」


そりゃそうだろ。転生したばっかで能力を使いこなせる奴はいない。

それにしても内部構造まで考えなきゃいけないのか創造の能力は。なら一概に僕の能力が下位互換という訳では無さそうだな。食糧の内部なんて考えたことはないし。


「…神は俺たちに肩入れはしているが、手助けまではしないだろう。俺たちだけでなんとかここを壊さないと。」


なんで脱出じゃなくて破壊の発想が出てくるんですかね。やっぱ脳まで筋肉なんじゃねーの。その筋肉でダンベル何キロ持てる?僕くらいなら空に打ち上げられそうなレベルで発想が脳筋。

  てか神様助けてくれよ。以前に渓さんを助けるようなことはしないって言ってたけどさー。僕ならいいんじゃね?ダメですか。

 てか神様…ほんとになんでもアリな能力持ってるならさっさと渓さんを元の場所に返せよ。ぜったいできるだろ。


 いや…ちょっと待てよ?


  今、渓さんを1周目に戻すチャンスじゃね?


  だから神様助けてくれないんじゃね?


……いや、今やると僕がこの壁から出られない。それに最近、神様に僕の内面を探られているような気がする。となると、渓さんを元の世界に戻したところで僕を助けてくれない可能性がある。怪しまれている僕をわざわざ助ける神様ではないだろうから、助けてくれないだろうな。僕が神なら助けないし。


「…どうしますか?僕いるので餓死の心配は無いですが。」


「とりあえず、時間経過で消えるかもしれないから待機するしか無いな…」


うっわ。一番暇なやつだ。ちなみに一番暇じゃない待機は、授業に先生が来ないときに職員室に呼び行かないで教室で待機すること。


よし。折角の機会だ。この時間で渓さんの謎を解明してやる。


「暇なんで質問なんですけど。渓さんの特典って【触れたものを元の世界に戻す能力】と【嘘を見抜く能力】の2つなんですよね?」


前提として僕からの質問はこれまでの生活で知ったことのみに絞って、6周目云々の直接的な質問は避ける。


まぁカマはかけるが。



「前も話したはずだが、俺の能力はその2つだ。」


とそこで渓さんは腑に落ちない表情で首をかしげる。


「どうしました?」


「能力に反応があったような気がする。」


だろうよ。


 予想だけど、その能力には穴がある。見抜けるのは嘘だけで、真実までは見抜けないこととか。

 その能力じゃAという真実に対して、Bという嘘を話したところで、『Bが嘘である』ということまでしか分からず、Aの存在までは知ることができない。

それに加え、以前僕との会話で能力を発動したとき、どの部分が嘘だったのかまでは言及されなかった。センサーが分かることは、人が通ったということだけで、センサー上のどこをどの人間が通ったのかまでは分からない。渓さんの能力もそんな感じだろう。


偉いぞ僕!神様にフォローされた日から、ひたすら寝る前に渓さんの能力対策を脳内趣味レーションした甲斐があった!いや、趣味じゃないです。夜ベットで渓さんのことをひたすら考えるとか誤解されるだろこれ。


「あれじゃないですか。神様からの能力だけじゃなくて、人としての能力もカウントするんじゃないですか。大食いだとか足が速いとかも一つの能力ですし。」


「…確かにそうか。だが自分に能力が働くのはモヤモヤするな。能力数もはっきりさせておくか。」


そう言って渓さんは「俺の能力は1つ…俺の能力は2つ…」とぶつぶつと唱え始めた。能力が発動しなくなるまでやるのだろうか。ていうか自分の無自覚の嘘まで見抜くのはすげーな。神の力恐るべし。


ーーーーーーー


「やっと外だ!」


閉じ込められて3時間。一瞬で壁が消滅して、僕たちは解放された。クソビックリしました。壁はあとかたもなく消滅したため、何も残っていない。やはり時間消滅だったのだろうか。いやショボいやんけ待てば消えるとか。神の力恐るることなかれ。ちょっと何言ってるだろ。


「じゃあ早速俺はあいつを探してくる。初対面の人間をいきなり監禁するような常識が無い奴を説教してくる。お前は先に帰って神に伝えといてくれ。」


「了解です。」


相当イラついていたのだろか。走り出して探し始めた渓さんの背中を目で追う。はえーな。 絶対説教じゃなくて送還になりそう。


「やぁ!どうだった?渓と2人きりの甘い時間。私からは何も見えなくてつまらなかったんだけど。」


いつからいたのか。当たり前のように隣に立つ神様。普通にビビる。


「…どうだったって言われても。」


神様と一緒に家へ向かって歩きながら考える。


渓さんがテンプレ文を言えなくて落ち込んでたり、脳筋だったりしたことくらいしか。あとは…


「ありましたね。収穫。 それもデカイ収穫です。」



「渓さんの特典能力は9個です。」



「えぇ〜!!そこまで把握したのかい!?私がいない間に2人きりの密室で彼と何があったんだい!?何をしてどんな関係に!?」


いや言い方。卑猥に聞こえた人は僕と渓さんの名誉のために、今すぐ服を脱いで、外を走って交番で逮捕されてくれ。ちなみに僕は卑猥に聞こえた側の人間だ。


「ただ渓さんの能力を利用しただけですよ。カマかけたりして。例えば…」


〜暇なんで質問なんですけど。渓さんの特典って【触れたものを元の世界に戻す能力】と【嘘を見抜く能力】の2つなんですよね?〜


〜あれじゃないですか。神様からの能力だけじゃなくて、人としての能力もカウントするんじゃないですか。大食いだとか足が速いとかも能力ですし。〜


この僕の質問に人としての能力がカウントされるはずが無いのだ。だって、僕が2つですよね?と確認したのは能力ではなく()()だからだ。

 特典に大食いなんてものはあるはずがない。見事に渓さんは引っかかってくれた。脳筋でよかった。


あの後「俺の能力は8つ…俺の能力は9つ……おい!俺の能力は9つらしいぞ!スッキリした!」と9つで嘘の反応が無くなったらしい。


「…とまぁそんな感じで9個だと判明したわけですよ。そのうち3つは判明してるのであと6つ特定できれば、渓さんの能力と危険性がわかりますね。

…ていうか神様なら渓さんの能力と数くらいわかるんじゃないんですか?」


「そんなの私は既にやったよ!神の力をバレないように使ってね!!だけど何故かこちらの力が渓の内側に届かなかったんだよ!多分これも何かの能力だろうけど…。私の神の力でも渓の内側を探れないから何の能力なのかまでは分からないけど。」


若干ドヤったように話す神様。ドヤるな実際何も判明してねーじゃねぇか。


「今のところ判明してる能力は3つで【触れたものを元の世界に戻す能力】、【嘘を見抜く能力】、【死んでもまた同じ肉体で同じ人間として生きる能力】で、曖昧なのが1つ。【外部から探られない能力】ってことにしときますか。

てか神様が渓さんに特典を渡したんでしょう?なんで覚えてないんですか。」


「私が担当したのは6週目の転生だけ!それ以前のは前の担当の神に聞いただけだ!以前にも見たことがあるやつが1年間の死者に紛れてるってね!なんで前担当はそこで手を打たなかったんだ…恨むぞ神ィ!」


自分を恨むな神ィ!


「神様。創造の能力なんてあるんですか。渓さんから聞いたんですけど。」


「あぁあるよ。内部まで考えなきゃいけないから使うのは面倒いんだけど便利だよ。ちなみに今回の転生者は【創造の能力】だったよ。

君達を壁で囲った後、すぐに歩き出したから結構遠くにいると思うよ〜。目的は謎いけどね〜。」


やっぱりか。渓さんの予想当たってたんだな。やはりただの脳筋ではないな。僕今日渓さんを馬鹿にしすぎじゃね?


そんな感じで話してる間に家に着く。


「今日は疲れたろうから家で渓を待ってよう。お腹すいたしね。」


神様はそう言い、家に入る。どうせ渓さんもすぐ帰ってくるだろうと思い、僕も神様に続く。


このとき僕は気づかなかった。


何故家がずっと建っているのか、という問題に。


神様が家に能力を使ったのは僕の部屋を作ったときが最後で、それからは能力を使用していないはず。常に神様は僕と行動してくれるためそれは間違いない。なのにこの家は建っている。


なら何故、僕たちを囲っていた壁は消滅したのか。


やはり時間消滅ではないのか?

神様は【創造の能力】と言っていた。創造した物は普通消えないよな。僕がノートに書き留めた数々の暗黒の呪文が消えないように。ウッ頭がッ。


つまり閉じ込められて3時間後、【創造の能力】は解かれたのだ。完全に。

能力が完全に消える条件くらい僕でも知ってる。


能力を有する者が故意に能力を解除したか、


能力を有する者が命を落としたときだ。



さて、どちらだったのだろう。





新しい転生者は次回くらいでどうなったかが判明する予定です。

今回の話はあまりボケる頻度が高くなかったのでもっとボケたかったなぁ…。

でも渓さんの若干のポンコツ具合を書けたのは良かったと思ってます。


今後も暇つぶし程度で閲覧いただければとてもうれしいです。今後もよろしくおねがいします。


追記 超久しぶりに訂正しました。この作品エタったと思っていた読者さんいると思います。僕も思ってました。

 ですが、最近小説を書くことの楽しさをやっとわかってきたので、ちょっとずつ更新していこうかなと思ってます。

 次の話はいつになるかわかりませんが、のんびりまってていただけると幸いです。

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