今までとこれから
おまけ的なやつです。なので短いですけど理解お願いします。自分で見て、前回の説明だけだと分かりずらかったので、色々補足的な感じなのが今回です。
【触れたものを元の世界に戻す能力】を僕は授かった。今後も無限に成長する渓さんを強制送還させるために。
というか、神様は魔王くらいは力で消せるのに、1人の人間から能力を取り上げることはできないとか、逆御都合主義かよ。一回特典を与えたらもう所有権が移って取り返せないってことかな?後で聞いとこ。
今は夜。シェアハウスするために神様に作ってもらった大きめの部屋。内装は僕の理想の部屋にしてもらった。
【食糧を無限に出すことができる能力】と 【触れたものを元の世界に戻す能力】。こんなんどうやっても組み合わせらんないだろ。
家出少女を食糧で釣って家に送り返すことくらいできるかな?やだ、よくある広告みたいな展開にさせず、家に戻す聖人になっちゃう!そんなこと考えてる場合じゃねぇだろ自分を送り返したろか。
本当にふざけている場合ではないのだ。渓さんが記憶リセットの条件付きで肉体や特典を引き継げる能力を元々持っていて、既にこの転生は6回目だという真実を理解はしたがまだ信じれていない。
その事実を知った今なら過去の発言すべてが意味深に聞こえてしまう。
渓さんは僕の2週間前に転生したと言っていたが、そんな短期間であんなにも異世界に馴染んでいたことや、2週間何も食べずに耐えれたことも、過去5周分の肉体が蓄積された結果なのだろうか。全てが怪しい。
【触れたものを元の世界に戻す能力】か。普通なら触れば勝ちのぬるゲーなんだけど、まずあの渓さんに警戒されず触れるのは無理。仮に近づいても、自殺されたらまたリセットされて次に異世界転生を渓さんがすれば更に特典が増えてしまう。
そしてなにより、今後どうやって疑われないように過ごすかが一番の問題だ。普段は全く渓さんは使ってないけど【嘘を見抜く能力】も持っている。疑われて質問されたらゲームセット。僕の異世界転生の難易度が高すぎねぇか?
神様は、渓さんが現実世界で破天荒だったと言っていたけど、どんな感じだったんだろ。でも確か渓さんは、現世に全く未練が無かったって話してくれたよな?それは5周目の現世ってことか?5周目は未練なく死んだけど、1周目とかはやばいほど暴れてたのかな。
「……寝るか。」
今日は色々ありすぎた。明日以降のことは明日考えよう。僕は睡魔に身を任せ、意識が薄くなっていく。
薄れていく意識の中、僕は神様の言葉を思い出していた。
「言っただろう〜?転生させる人間は全く未練がないかもしくは
ちょっとどこかがヤバい奴だって。」
僕は現実には未練がある。なんたって死因が餓死だから。
未練があるのにもかかわらず、異世界転生の話を持ちかけられた。
ということは、
僕もちょっとどこかがヤバい奴だったのだろう。