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渓さんが転生した理由

前回の話見返したら、展開早いし戦闘描写少ないし反省点ばっかですね。今後は頑張ります。

あとただ転生者ボコすだけだとマンネリになるのでちょっとだけ今回は趣旨を変えて、新しい転生者では無く、渓達についてのことになってます。

「渓さんは何を基準にして異世界に残らせるか決めてるんですか?」


昼ごはん中、まだ僕以外にこの異世界に殘る転生者がいないことについて疑問をぶつけてみた。

確か僕が転生したとき、転生者第2号的なことを渓さんは言っていたはず。渓さんの選別は普通の人なら何も困らず、突破できるはずなのに、今まで僕以外クリアしてないこたが不思議だった。


「転生者の基準か。

まずは、ふざけた目標を掲げて転生してきていないこと。この間の奴らみたいな、ハーレムを作る夢を持つ人にはろくな奴がいない。神からこの世界のことの説明は受けているはずなのに何故そんな目標を立てるのか謎だからな。」


たしかに僕の時も神様からこの世界のことの説明はあった。魔王やモンスターが存在すること。こっちの世界で命を落としたら、元の世界へ戻ってしまうこと。特典を除けばただの人であるということなどだ。


「あとは、復讐のような現世のことを持ち込み、異世界の秩序をぶっ壊すやつだな。多少の私欲は仕方ないとして、その私怨で異世界を塗りかえようとする奴はアウトだ。

そして、俺はいつも戦闘は好きかどうかを聞くだろう?それの答えに好きだと返ってきたら要注意だな。」


特典を貰って強くなったと思い込み、本来の自分の力ではないことを忘れていることが多いからだと、渓さんは言う。まぁ確かに多少の特典を貰っただけで強くなった気でいるのならば、魔王どころかモンスターにさえ、油断を突かれ殺されてしまうだろうからな。

そこで、渓さんは大きめな溜め息を吐いた。めっちゃレアだ。


「…まともな転生者が来ないのはだいたいこいつのせいだしな。もう少し常識やモラルを守る人間を転生させてほしいんだが。」


「えぇ〜?でも普通に常識があったりする人は輪廻転生させて、現世で生きていた方がいいと思うんだよね〜。未練がある人も多いし、現世でもう一回ゼロからやり直したい人もなかなかいるんだよ〜。」


神様は今日は昼食後にバナナを貪っている。少しだけ口の中の黄色が見えている。おいおい、黄色信号は点滅しねぇぞ。


「ところで今日は新しい転生者来ませんね。亡くなった人全員に転生の話を持ちかけてるわけじゃないんですか。」


「流石に全員は私の負担がやべぇやべぇってなるからね。さっきも言ったけど死んだ人の中で未練とか残ってる人は、転生の説明しないで勝手に赤子にしちゃってるよ。だいたい本人もそっちを望んでるからね。ちょっとどっかがヤバい人とか未練が全く無い人とかは転生させるかな。現世に居なくてもいい人だしね。」


なるほど。渓さんは未練が無いって言ってた気がするし、こんな常識人が異世界にいる理由はそれか。渓さんあんたもバナナ食ってんのかよ。


「ところで渓さんのときの転生ってどんなだったんですか?めっちゃ厳しいってことしかまだ分からないんですけど。」


「…まぁ絶望したな。色々な事に。 長くなりすぎるからあんまり話さないが、多分この世の最高峰の苦痛は味わったな。」


渓さんには結構この話題の話をしてるけど、流されてしまう。あんまり思い出したくない話なのか、余計に気になってしまう。僕はいつか聞いてみたい。


「今日はもう転生者は来ないだろ?」


「そうだね〜。もう今日はめぼしい子はいないかな。みんな赤子ルートだね。」


「そうか。なら町に行ってくる。」


そう言い残し、準備をして渓さんは家から出て行った。

町に何をしていくんだろ。町があることは知っているけど全く行ったことがないや。ファンタジー異世界の町とかめっちゃ行ってみたい。しっかりとした魔法見てみたい。あの陽キャみたいな威力が頭おかしいやつじゃなくて。威力がおかしいのか頭がおかしいのかどっちかにしろ。


「渓はたまに町に出掛けるんだよ。あの強さだから町の冒険者と戦闘訓練もどきみたいなことしてるっぽいよ〜。

渓をあそこまで強くしたのは私だからね!」


神様は渓さんの前ではそういうこと言わないけどやっぱ自慢したいのかな。私の自慢の子よ!みたいな。


「私が育てた、って渓さんの転生のことですか?」


「そうだね。渓は思い出したくないからあんま話したがらないけど本人がいないし話しちゃお。」


「話しちゃお、って…後でバレたら渓さん良い思いしませんよ?」


「そのときはみんなの記憶消すし安心して。」


どういう思考してたら記憶消すから安心してなんて言えるんです?記憶改竄は犯罪ですよね。あ、でも改竄したって記憶も無くなるんで証明無理かぁ…。


「食糧くんは知らないと思うけど、渓のときの転生はその1年で死んだの中から1人だけしか転生できなかったんだ。まぁ、さっき言ったように未練が強い人とかは弾いてるけどね。厳しい試練を乗り越えさせて、より強い転生者を育てて異世界の魔王にも対抗できるようにね。

でも神の話し合いである意見が出てね。」


1年の死者のうちから1人だけ…。僕だったら絶対無理だ。すぐに心が折れるだろう。

それで、神の話し合いの中の1つの意見?流石に試練が辛すぎる、とかかな?


「その意見ってのが、別に魔王なんて私達の力で消せるし強くする必要ないじゃん、ってものだったよ。」


いやぁ〜盲点だわぁ〜、と神様は言う。結局正真正銘のチート能力で解決する問題だったのか…。


「ってことで今の転生の仕方になったんだよ!いやぁ〜良かったね。君が死んだのが仕様変更の後で!多分君なら試練すぐ落ちそうだし。」


あんた渓さんいないと結構素が出てるぞ。毒舌ハイテンションとか現世で嫌われるランキング上位だろ。


「…渓がいないついでに言うけどさ。なんで渓はあんなに常識があって良いやつなのに、転生する話を持ちかけられたんだと思う?

試練に参加したのはだいたいが常識知らず、怖いもの知らずとかのやべー奴だけだったんだよ。ちなみに他の常識人達は試練前に赤子に生まれ変わることを選んだよ。」


「…それは神様が言うように、現世に未練が全く無いからじゃないんですか…?」


「確かにそれもあるかな。でもほんとはちょっと違う。」


「えっ……?」


「言っただろう〜?転生させる人間は全く未練がないかもしくは


ちょっとどこかがヤバい奴だって。」


あんなに優しい渓さんが元の世界ではヤバい奴だった…?

嘘だと思ったが真剣な神様を見て真実だと受け止めざるを得ない。それに感情を感じさせないあの目でいる。


「…でも!渓さんは心当たりなさそうじゃないですか?そんな素振り見せたことないですよ!」


「だろうね。渓は自分がそんなやべー奴とは思ってないけど、現世での行動結構破天荒だからね。

まぁ転生して2度目の人生は1度目よりも全然上手くやってるよね。いや、2度目かすらわかんないや。」


「どういう…ことですか…?」


「じゃあ逆に聞こう、食糧くん。

ただの一般人に興味を持っただけで、神様が一緒に生活なんて普通するかい?

ただの冒険家が意地だけで1年間の死者の中の頂点を取れると思うかい?」


待って情報量が多すぎて頭がついていかない。


「回りくどいのはやめよう。

私は阿門渓という人間が死んだのを異世界で、既に5回ほど確認している。

つまり、渓は世界を何周もしている。渓が生まれ変われば、自分の記憶も周囲の記憶からも存在そのものが消えているっぽいけど、体は覚えているらしいね。そうでもないとたかが試練300年であそこまで強くはならない。」


記憶はリセットだけど体は強くてニューゲームってことか?


「ちょっと考えさせてください…」


なぜ渓さんの死亡を何回も確認しているのか。

なぜ神様は渓さんと一緒に暮らしているのか。


「…渓さんの異世界転生はもう6回目ってことですか…?

渓さんは死ぬと記憶は消えるけどまた阿門渓として生まれ変わるってことですか…?

このまま周回を続ければ、異世界転生の際の特典が増えていくだけになるから、神様の力でさえ脅威になるから、一緒に住んで観察しているってことですか…?」


僕は一気に質問を神様にぶつけた。こんな頭が痛くなる話質問が無い奴なんていないだろう。


「全て正解だよ。恐らく1回目の異世界転生の際に、【死んでもまた同じ肉体で同じ人間として生きる能力】を特典として手に入れたんだろうね。同じ人間として生きるということは、阿門渓という人間が手に入れた特典も引き継げるということだ。何が目的かはまだ私でさえ分かっていない。」


渓さんが何かを企み、世界を周回してる…ってことだよな?もし今渓さんが死んだとしたら現世で同じ人として生きるから僕の記憶からは完全に消えるのか…?だめだ、情報が多すぎる。


神様は普段の雰囲気に戻り、続けて言う。


「私は渓をしっかり違う人間として生きさせてあげたい。けど、渓が死んだらまた渓として生きるだけだ。だから、私がそれを阻止する。あいつの素はいい奴だってのは2週間の付き合いだが、なんとなく分かるよ。君も分かるだろう?渓の優しさを。だから、しっかりと別人として生まれ変わらせる。」


僕もとても短い付き合いだが、渓さんの根は真面目で優しそうということだけは分かる。


「だから、協力者になってくれないか?私とこの能力を共有してほしい。」


神様が光輝く手を差し出してきた。


「これは…?」


「【触れたものを元の世界に戻す能力】さ。目には目を。強制送還には強制送還を。これで、1回目の異世界転生前まで戻せば、あとは私がどうとでもできる。あのなめた多能力転生者を一緒に強制送還させてやろーぜ?」


僕はまだ渓さんがそんな能力を持っていることも現世ではやべー奴だってことも何1つわからない。渓さんは昔のことを話したがらないから確かめる術がない。

だから、僕は神様と渓さんの真意を確かめてみるのもアリだと思った。


僕と神様は手を取り合い、渓さんと同じ能力を授かった。




これは、異世界転生者の門番であるなめた多能力転生者の渓さんを、僕と神様で強制送還させるために奮闘する話だ。


















趣旨変えすぎました。反省。

途中から自分でもよく分からなくなってきましたが、なんとかまとめられたと思います。

「異世界転生の門番〜なめた転生者は強制送還〜」というタイトルは渓を神様たちで強制送還させるという意味も込めていたのでその伏線を回収できたのは嬉しいです。

今回全然ふざけられなかったので次回はネタ回でもありかなと思ってます。

今後もよろしくです。

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