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筋肉モリモリマンが2週間前に転生してました

某陽キャが現世へ戻った後、僕は渓さんの特典について教えてもらった。

嘘を見抜く力。

転生者を現世へ送り返す力。


「えっ渓さんは2つも特典貰ったんですか?」


僕のときは2つの特典の説明なんて無かった。


「お前の場合とは違ったからな。色々。」


色々、とは何だろう。それよりも気になったことを聞こう。


「なんであんな魔法を受けても無傷だったんですか?特典では無いってことですよね?」


「あぁ、何かの能力では無い。

魔法を受けても無傷ってわけではないぞ。」


渓さんはそう言い、腕を見せてくれた。


「えっ」


そこには炎の魔法の跡とみられる火傷があった。

だが、渓さんは全く痛がる様子は無かった。


「痛くないんですか!?」


純粋な疑問をぶつける。


「その程度の痛みはもう慣れた。」


渓さんは多くは語らない。恐らく僕なんかには想像もつかない過去があったのだろう、と推し量る。その過去のおかげで厳格で色々厳しい人になったんだろうな。


「ところで話は変わるが」


渓さんはこちらを正面から見た。え、僕にも戦うえって言うんじゃないだろうな。


「俺に食糧を恵んでくれないか?

そろそろ死ぬ。」


そんな怖そうな顔でそんなこと言われたらジワりますよ、渓さん。いやまぁ、飢餓に苦しむ人達を救ってあげたいんです!って言ったけども。最初に救う人がこんな筋肉モリモリの怖い人かぁ。 可愛い子が良かったって言ったら強制送還されるからなぁ。


ーーーーーーー


その後、渓さんは家に招待してくれた。まず周りの家から隔絶された場所なのに疑問を持った。随分と立派だが、いつから建っているのだろう。いつから、というか、


「渓さんっていつこの世界に来たんですか?」


「2週間前だ。」


意外と最近で驚く。それ以上に驚いたのが


「えっ!じゃあ2週間何も食べてないんですか!?」


「あぁそうだ。だからそろそろ死ぬと言っただろう。」


いやいや、そんな当然みたいな顔で言われても。2週間何も食べてないとか、元の世界の僕が飢餓で死んだくらいの日数だぞ。あんた過去に何があったんだよ。


ーーーーーー


「いやぁ、助かった!!

お前が転生してこなかったら本当に死んでいたよ!

あっはっはっ!」


あっはっはっじゃねぇよ笑い事じゃねぇよ。てかそんな普通に笑うのかよ。


渓さんの食いっぷりは凄かった。僕が能力で机の上にたくさん食糧を出現させると、いただきます、という言葉を残し、豪快に食糧へかぶりついた。ほんとに勢いが凄かった。僕の食糧生成のが遅れるとか意味わからんわ。



「はぁ、ていうか2週間前からこの家はあったんですか?これも特典?」


「少し微妙なところだ。この家も色んな事情があってだな…」


「事情?」


「あぁ、っとその事情の元凶が起きたぞ。」


まさかのシェアハウス。筋肉モリモリマンとのシェアハウスとか恋と愛とか生まれんだろ。


そこには思いもしない人がいた。正確には人ではないが。僕を転生させた、感情が抜け落ちたようなあの目を思い出す。



「やぁおかえり渓!ていうか何かの食料!!久々に食料が食べれるね!!やったね!!

あれ?お前は食糧君か!?よく渓の選別をクリアできたね!あっ!てことはこの食料は君の力か!ありがとうマジ感謝!!!」


感情豊かすぎだろ。わざとか?恋じゃなくて故意ってか。笑えねぇわ。


…神様は、渓さんが異世界で門番をすることに興味を持ち、一緒に付いてきたらしい。そしてこの家を人目につかないところに勝手に建てたらしい。


「いやぁ神って結構何でもできるんだよね!勝手に家建てれるし食べ物を食べなくても生きれるし!まぁ美味しいから食べるんだけどね!!」


ほんと何でこんなハイテンションなんよ。何の温度も感じない目で、異世界にお前を転生させてやろうって言ってた頃の神様はどこへ?


「ちょっと〜?そんな疑惑の目で見ないでくださいよぉ〜。渓は〜私が普通にここで暮らすことを許してくれる神だよ!ねぇ〜?」


少しウザがっている渓さんに肩を組んだ神様。ずっと思ってたけどすげぇ仲良いな。でもムキムキの容姿のせいでちっとも和まなぇな。


そして、神はとんでもない提案をする。


「あっ!そうだ!!食糧君もここで住めばいいじゃん!!ここなら君がしたいと言っていた飢餓を救うことができるよ!!飢餓に苦しむ人々は渓と私なんだけどねー!!!私達を救ってよ!!」


確かに苦しむ人をすくえるけどさぁ…何が悲しくてゴリゴリマッチョマンとハイテンションゴッドの家庭を救わなきゃだめなんだよ。

助けて!!僕のヒーローマッチョマン!!


「確かにそうだな。お前の夢の飢餓の人を救うことができるし、俺たちもすごい助かることになる。

どうだ?この家で住むか?悪くない提案だと思うが」


マッチョマンは脳までマッチョマンなのかな?陽キャに見せた渋いかっこよさは食糧と一緒に食べちゃったのかな?どんどん壊れてくよアンタのキャラ。


「いやいやいや!僕なんていても全く役に立たないですし!」


「俺たちの食糧難が解決されるから大いに役立つぞ。」


「戦闘なんてできないですし!」


「戦闘は渓一人で充分だよね〜。そもそも戦う機会なんて転生者くらいしかいないしね。」


「多分迷惑しかかけないですし!」


「むしろ俺たちの方が性格難で迷惑かけるだろうな。」


「第一部屋たりないでしょう!!

僕は自分の部屋絶対欲しいですし!」


「あ、その点はだいじょーぶ!私が自由に作れるよ!神様ってずるいよね〜!」


「くそっ!!逃げ道が全く見あたらねぇ!!」


その後も逃げ道を潰され続けついに僕は折れた。

キャラが崩壊し続けるゴリマッチョマンとテンション高めの自由な神とのシェアハウス生活!現世戻って執筆したろか。


…まぁ

こんな感じで僕は、門番の食糧係として渓さんと神様との共同生活を始めることになったのだ。








言ったら帰されるから言えないけど、ほんとは可愛い子と一緒に暮らしたかったよ!ちくしょうめ!



次回からなめた転生者を強制送還させる物語に戻ります。

男と男と神のラブストーリーは始めません。

私が阻止します

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