表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/52

第51話:情報


「それでは、ショータさんは残りの18日間。この酒場で情報を集めてください。」


「この酒場で?残りの日にちを全部使って!?病院とかをできるだけたくさん回った方がいいんじゃないか?」



(ガシャン!)



「無理ですよ。残りの日にちを全部使っても、ほんのわずかの病院しか回ることは出来ません。それに病院で治療を受けているとは限りません。」


シルスが笑いながら手を振って答えた。




(ドカッ)




「それに、情報を集めるならまず此処が一番です。酒場はいろんな人が利用するので情報が集まりやすいんですよ。

旅行客に商業人、都市に住んでる人、盗人まで・・・いろんな人が居ます。この都市にいたのなら絶対に誰かが見ているはずです。



「そうか・・・、闇雲に動き回るよりも情報が集まるここで調べたほうが早いわけだ」




(おい!酒だ!酒を持ってこーい!)




「・・・そうです。私は違う酒場で情報を集めてみます。あ、別に聞き込みを行わなくても勝手に情報は入ってきますよ。」


「それってどういう・・・」


「今に分かりますよ」


シルスはにやりと笑って店を出て行った。


どういうことだろう、情報が勝手に入ってくる?



(おらぁ!なめてんじゃねぇぞ!)




さて、後ろから何かが割れる音や打撲音、ガラの悪そうな人たちが騒いでるわけだが・・・



どうやって情報収集するんだよ・・・





「よぉ!ソコの兄ちゃん。寂しい顔して!何か悪いことでもあったのかい?」


横から見知らぬ声が掛けられた。

隣の席を見ると、アフロ頭のお兄さんが座っていた。小さい子供が見たら逃げ出すような風体だった。

お酒の匂いがプンプンする。これは酔ってるな・・

この世界にアフロなんてヘアースタイルがあることが驚きだ。



「ええ、ちょっと友達が大変なことになって・・・友達を助けようと頑張ってるんですよ」


「おおー!そうか、そうか!」


そう言うと、お酒の入ったコップを手に持ってイスの上に立ってこう言った。


「おい、聴いてくれ。この兄ちゃんは友達のために頑張ってるんだとよ!」



(おおー!友達思いの若者に、かんぱーい!)

(いいぞー!がんばれー!)

(うるせぇぞ、アフロ燃やすぞ!)



周りから怒声やら応援の言葉が一斉に発せられた。



「ははは!で、その友達がどうしたって?」


「それが・・・」


ショータはゆっくりと話し始めた。

情報が勝手に入ってる、なんとなく意味が分かった気がした。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ