第46話:賞品
まあ、結果から言うと不味くはなかった。
いや、むしろ美味しい部類に入るかもしれない。
「あれ?普通に、食えるぞ・・・」
味は焼いた豚肉のような味がした。
これなら10分以内に食べるなんて簡単だ。
「おい、あいつ普通に食ってるぞ?」
「お前が食った時は一口で失神したよな」
「あいつ、化物か!」
いや、化物じゃないからね。
普通に食えるからね。
「それにしても、食べれなかった時の銀貨3枚って多すぎじゃないか?」
銀貨が3枚もあれば宿屋に1週間とちょっと泊まれる金額だ。
料理にしてはかなりの値段だ。
「この料理には高級食材を使ってましてね。滅多に手に入らない材料なんですが・・・」
「待った!料理に何を使ったのかは聞きたくない!」
半透明の赤くてブヨブヨした物、そして味は豚肉。
知らないほうが幸せなこともあるものだ。
「そうですか・・・、それに豪華商品が凄いですから銀貨3枚なのですよ。」
「その豪華賞品って何なんだ?」
「それは完食してからのお楽しみです、いいんですか?あと7分ですよ?」
7分でこの赤いブヨブヨを完食するのは簡単だ
実際、5分もしない内にで完食することが出来た。
「おめでとうございます!お見事です!」
「ショータおにいちゃん凄い!」
「やっぱり化物だったのか・・・」
何故だろう、ただご飯を食べに着ただけなのに。
この扱いは何なんだ・・・
「では、この料理の代金は無料に、そして賞品のこの店の食事無料券10枚とマジックボール20個セットです。」
この賞品は喜んでいいのか微妙だ・・・
どちらも余り使い道がないものだった。
黙々とパスタを食べていたティファもちょうど食べ終わったみたいだ。
そんなに急いで食べなくても良かったのになぁ
「あ、ありがとう。おいしかったよ」
そう言って席を立つ。
「いつでも来て下さい!また店長スペシャルに改良を加えておきますから!」
後ろから店長の声が聞こえてきた。
良い意味の改良だと信じたい
店を出てティファが聞いてきた
「ショータおにいちゃんの居た地球の人って、いつもあんな料理を食べるの?」
物凄い誤解だった。ここは正直に答えよう。
「実は字が読めなくて、適当に注文をしたらアレが来たんだ・・・」
「え・・・」
数秒の沈黙の後、ティファは盛大に吹いていた。
「そんなに笑わなくても良いだろう、だって、まさかあんなものが出てくるとは・・・」
「ショータおにいちゃん、ごめん、だめ、笑いが止まらない!」
もう、言葉になっていなかった。
腹を抱えて笑っている。
「でもほら!無料券とマジックボールをタダで手に入れたぞ!」
そう言って戦利品を見せ付ける
すると、腹を抱えていたティファが今度はヒーヒー言いながら倒れた。
笑いでここまでとは、めったに見られる光景じゃないな・・
さて、次はどこに行くかな・・・
その前にこのティファを何とかしなくちゃダメだな。
「でも、あれ位ならもう一度食べに言ってもいいかな、無料券があるし・・・」
そう言ってティファを見るとティファは腹を抱えて泣いていた