第42話:再会
「さて、これからどうするかな」
現在進行中で迷子である
右手には黒っぽくてツヤツヤした石を握っている。
先ほどお礼にと言われて貰った石だ。
なにか魔法的な効果があるのだろうか?
石を目の前に持って観察する。
黒くてツヤツヤして握りこぶし位の大きさ、重さもそれなりにある。
どうみてもそこらへんに転がってる石だった。
「なぁ、今迷子なんだけど助けてくれないかなぁ」
なんとなく石に向かって話しかけてみる。
やはり、何も起こらない。やっぱりただの石か
そして、ふと前を見ると
「お母さん。あの人、石に向かって話しかけてるよー?」
「しっ、見ちゃいけません!」
そして足早に去っていく
そこに居たのは石に話しかけてる人
明らかに不審者だ。
あれ?なんだか涙が出そうだ。
ただの石だと納得したのでポケットの中に収納。
ポケットがいびつに膨らんでるけど、底は気にしないことにしよう。
とりあえず、武器屋でも探してみるかな
そう思って一歩踏み出したところで後ろから声が掛かった
「ショータおにいちゃん。こんなところに居た。」
お、この声は
「ティファ!見つかってよかったぁ。」
なんだか久しぶりに会ったような気がする。
「ショータおにいちゃん、どこに行ってたの?いつの間にか居なくなってるし、それにあの光はショータおにいちゃんだよね」
「話すと長くなるけど、簡単に言うとだな。
ティファと歩いてるつもりがお婆さんで、好奇心で裏路地に行って手からビーム出して石をもらった。」
「なんだか良く判らないけど無事でよかった。心配したんだよ?」
「ああ、ごめん。でも収穫があったんだぞ」
そう言ってポケットから石を取り出す。
そして、堂々と見せ付ける。
ティファは数秒間沈黙した後、ボソっと呟いた。
「ただの石だね」
「ああ、やっぱりただの石か!」
そう言って、すばやく石をポケットに戻す。
「さぁ、武器屋に行くぞー!」
ティファの手をつかんで走り出す。
「え?今の石は何?え・・・」
うん、何も聞こえない。
~数分後~
「おっと、あの看板は武器屋じゃないかな?」
その店の看板を見上げて言う。
二つの剣がクロスした絵が描いてある看板だ。
文字は読めないけど絵で何となく分かる。
さすが商業の盛んな都市、数分で目的の店が見つかった。
この広さだから、武器屋もたくさんあるんだろうなぁ
「うん、あれは武器屋だよ。何を買おうかなぁ♪」
なんだか入る前から目が輝いてる。
ティファ程では無いけど多少わくわくしながら
ショータは武器屋の中に入った。