表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/52

第33話:恋愛

目の前にいる少女の名前はティファ・・・だったかな


身長は小学生くらいで髪の毛は燃えるような赤、そして瞳の色も赤色だ。

見た目は普通の小さな女の子だ


しかし、こんな小さな体であのトラを一撃で・・・・

明らかに普通じゃない

この子、かなり強い。というより物理法則を無視してるようなきがするぞ



ナイフを置いて俺の目の前までテクテクと歩いてくる

「ショータおにいちゃんには言われたけど、やっぱり私はショータおにいちゃんに着いて行きたい!」





「ティファ・・・助けてもらってなんだけど、やっぱり護衛はいらないよ。自分の好きに生きれば良いって言ったじゃないか。俺みたいなのについて来ても何も無いぞ?」


本当にただ俺が元の世界に帰るための旅だ。ついてきたって何も得には為らない



「ショータおにいちゃんは"自分の好きに生きれば良い"って言ったよね。だから私はショータおにいちゃんの護衛をしたいの。」


たしかに護衛としては申し分ない強さだった。


「でも・・・」



「断っても着いていくよ?私の好きにするもん。私の人生だから私がやりたいことを好きに決める!」


こう言われてしまったら反論できない。自分で言ってしまったからなぁ。好きに生きろって・・・


「分かった、俺の負けだ。でも俺が異世界に帰るための旅なんだぞ、俺はいつか異世界にかえってしまう。俺は居なくなってしまうんだぞ?それでもついてきたいのか?」


「うん、ショータおにいちゃんが無事にもとの世界に帰れるまででも一緒に行きたい!」


「よし!じゃあ行くか!」


「うん!」


そして二人は次の町へと・・・





「って、ちょっと待て。そろそろ降ろせよ!このクマぁ!それ以前にティファ、突っ込め!」


現在の俺の状況を思い出してほしい。いまだクマのフサフサした腕でお姫様抱っこをされた状態だ。もちろん抱っこされた状態でティファと会話をしていたのだが・・・

ティファとの会話がこの不自然な状況で自然に進んだことが不思議だ。


とりあえずこのクマに害意が無いことは分かったけど、この状況が理解できない




その瞬間、三つの視線が交差した


俺はクマに"早くおろせ、なんでこんなことになってんだ?"という視線

クマはティファに"こいつは敵か?"という視線

ティファは俺に"ショータおにいちゃん・・・どうしてこんなことに・・・"という視線


目は口ほどにものを言う、今まさにその意味が分かった気がした。



そして、ティファが何かに気づいたように言う


「ショータおにいちゃん、もしかしてこのホーンベーアを倒したりした?」



なんだかすごく嫌な予感がする


「ああ、カッターナイフで首をブッスリと・・・でも刃が途中で折れたんだろうな。こうやって生きてるし・・・頭に修正液がついたあとがあるし。まず間違いない。まさか、ホーンベーアには負けた相手に弟子入りするとか変な習性は無いよな?」



「うん、それは無いよ。」


少し安心した


「なんだ、すこし焦ったじゃないか」


その直後


「ホーンベアーは負けた相手に婚約を申し込むんだよ。より強い子孫を残すためにだって。」


ホッとして笑顔になった俺の顔が引きつった。


最悪だった。

よりによってクマと・・・

さっきからのお姫様抱っこの理由が理解できた。

そして、あのトラから俺を守ったのは婚約者を守るため・・

あと、ここまで追いかけてきたのは食べるためじゃなくて愛してるからか!?



「って言うことはこいつはメスなのか?」


そんなことはどうでも良かったが、とりあえず聞いておく


「見たところそのクマはオスだよ?」



おもむろにクマの顔を覗き込む


「グォ!」


「いや、グォって言われても分からない!。それに俺は人間だ。お前にはもっとふさわしいクマの妻が見つかるさ。それに残念だが俺は男だ。」


「グォ~グォ」


意思疎通を試みた俺が馬鹿だったようだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ