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第23話:証明


「奴隷の腕輪、それを使ってどうやって証明するんです?」


もっともな質問だ


「とりあえず、騎士達は剣を降ろしてくれ。それと、みんなもそんな怖い顔して魔法を使おうとするな。」



「貴方が王で無いと私達が納得するような証拠を持っているのなら・・・」

「ショータがそう言うのなら・・・」


とりあえず戦闘は間逃れたようだ、ここで俺が証明できなかったらまた逆戻りだ。

とにかく騎士達を俺が王では無いと騙せればいいんだ。



「ここに奴隷の腕輪が一つある、これの効果は知ってるよな?」


念のため聞いておく



「ええ、確か着けた者は魔力を封じられる。

そして着させた者、以外が外すときは着けさせた者より上位の階級の者が名乗って外そうとしなければ外れない。」



「そのとうりだ、それじゃあこの腕輪を・・・」


そういいながら自分の右手に着ける

腕輪はカチリという音を鳴らして外れなくなる


「こうするとどうなる?」



「な、何をしているんですか!国王がそんな汚らわしい腕輪を・・・」

なんだか凄く怒ってるようだがスルーだ


「いや、問題はそこじゃない。この腕輪は”国王”が着けた腕輪なんだよな。そして今の俺の地位は奴隷だ」



「ええ、そうです。早く外してください。国王が奴隷になるなんて前代未聞です!」



「ということはこの腕輪はもう俺以外には外せない事になったわけだ。

国王が着けた腕輪なんだろ国王以上の地位のものはこの国には存在しない。間違いないよな?」



「はい、貴方以外には外せないでしょう」



「じゃあ、この腕輪を隊長さんが外せたら俺は国王じゃないと証明できる」


そう、これが俺の考えた俺が国王じゃないと証明する方法だ



「そ、そんな!外れるわけがないでしょう、ただの騎士の隊長ごときに国王が着けた腕輪なんて・・・」



「いいから試してみてくれ」

そう言ってヘンリーロットに向かって右腕を突き出す



「外れるわけが・・・」


ヘンリーロットが篭手を外して俺の右腕の腕輪に手を乗せて言う


「私は・・・セト王国防衛部隊2番隊隊長ヘンリーロット・ルセイユ」



言い終わった瞬間、腕輪がピシッっと音を立てて地面に落ちた




「これで、俺が国王じゃないことが証明された、俺はヘンリーロットさんより地位が下だった。

だから俺が着けた腕輪を外すことができた」


もちろんこれにはタネがある。ただ、ここに居る騎士を騙すことができればいい




「そんな・・・」

ヘンリーロットが膝を着く


よし、騙せた。これで戦闘は回避だ。



「いや、待ってください!」


何かに気付いたように勢いよく顔を上げた


「もし、その腕輪がキャンセレーションのなどの魔法で効力を失った奴隷の腕輪の形をした、ただの腕輪だったなら!」


ばれた・・・。さすがに無理があったかな



「おい、ショータ!大丈夫かよ。なんなら俺たちが騎士達を・・・」


心配そうにハーヴェーが声をかけてくる



「大丈夫だ、もう少しそこで待っててくれ」



だが、ここで引き下がるわけには行かない


「じゃあ、ヘンリーロットさん。貴方が自分で自分の腕に腕輪を着けてそこの副隊長さんに外せるかどうか聞いてみれば判る、

もし隊長より地位が低い副隊長に腕輪が外せなかったなら腕輪は本物、外せたら偽者だ!」



ヘンリーロットは落ちた腕輪をゆっくりと自分の腕にはめて副隊長のウルスを呼ぶ

「ウルス!こっちに着なさい」



呼ばれた福隊長は走ってこっちに向かってくる


「よう、坊主。覚えてるか?町の入り口で会ったウルスだよ」


「ああ、覚えてるよ。俺のこと国王には見えないって言ってたよな」

たしかこの町に入るときに会った最初の騎士だ



「ああ、だが俺は嘘はつかないぜ」



そう言ってヘンリーロットの腕輪に手を載せて名乗る


「セト王国防衛部隊2番隊副隊長ウルス」




そして・・・





腕輪には何の変化もなかった

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