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第22話:触発

今度は俺が凍りつく番だった。


「こ、国王って何のことだ?俺はただの一般市民だぞ」


もちろん嘘だ



「何を言ってるんです、貴方は国王様です。このセト王国の頂点に立つお方です」


真っ直ぐに俺の目を見て言った。いや、そんな目をされても国王になんてなりたくないから



「なあ、隊長さんだって?ショータは国王なんかじゃないぞ。俺たちが証明する」

そうハーヴェイが言うと、みんながそうだ!そうだ!と助けたハーヴェイの仲間が続けて言う



「貴方達の言葉なんて信用できません。抵抗するのなら無理やりにでも連れて行きますよ?」


無理やりって・・・


「もしも俺が国王だったとして、無理やりに連れて行ってもいいのか?」



「私にはこの国を守る義務があります。この国に国王が居なければセト王国は荒れていくばかりです。

現にこの町では奴隷制度なんてものが出来ていました、今、この国に国王はどうしても必要なんです。」


そう言われても、俺は元の世界に返りたいんだよ。元の世界には友達も居れば家族も居る。

たしかにこの世界に国王は必要なんだろうけど異世界から来た俺が国王になるよりも、もっと適任者が居るはずだ



「悪いが、俺は国王じゃない。人違いだ。」



「それじゃあ、さっきの少年が持っていたマジックボールは何です?。明らかに高位の魔法使いが込めたマジックボールでした。それも国王級の魔法。」



「あれは、貰ったんだ。」


もちろん嘘だ



「もういいです、私達と一緒に来てください。」

そう言って立ち上がる



「おい、何を言ってる。ショータは俺たちの恩人だ。ショータが嫌がることをするのなら俺たちは許さないぞ」

総勢50人が騎士達を睨みつける



「なんです?貴方達には関係ないでしょう。」


数十名の騎士がハーヴェイたちを睨みつける



軽く戦争が起こりそうだ



いやいや、まて、なんだこの状況は・・・



「俺たちはもう奴隷の腕輪をつけてないんだ、魔法で充分戦える。隊長さん、こっちは50人だ。勝てると思ってるのか?」

そういいながら右手の手のひらを騎士に向ける


「何を言ってるのです?こっちは騎士ですよ、戦う為の訓練を受けて鍛えられた騎士です。貴方達なんかに負けません!」

そういって騎士は腰についている剣を引き抜く



これは非常にやばい、俺のせいでハーヴェイたちが人生を棒に振ろうとしてる。戦闘になれば怪我どころじゃない。

そして、騎士達は悪者じゃない。正しいことをしようとしているだけだ。

どちらも傷ついてはいけなんだ。


なにか考えるんだ、この状況をひっくり返すような案を・・・



今の内に俺が逃げれば・・・

いや、さすがに見逃してくれないだろう


この際、俺が参戦して・・・

だめだ、状況が悪化するだけだ


もう、50人全員で散り散りに逃げれば・・・

無理だ、綺麗に囲まれてる。


だめだ、あまりにも状況が不利だ。


「ああー、どうしたらいいんだよ。」

頭を抱え込んでしゃがみこむ



この状況を打開する”それ”は目の前に転がっていた。


まてよ、これを使えば・・・



そうだ、簡単じゃないか!俺が国王じゃないことを証明すればいいんだ。

そうすれば、騎士達は俺を連れて行く必要もなくなる、そしてハーヴェイ達が戦う理由も無い。


俺は”それ”を手に持って立ち上がった


「ヘンリーロット隊長さん、いまから俺が国王じゃないことを証明する。だから剣を降ろしてくれ。」


「そんなこと、どうやって証明するんです?」

ハーヴェイたちから目を離さずに言った


「これを使ってさ」

そう言って右手に持っていた物を見せた


そう、奴隷の腕輪を

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