第20話:乱入
バンッ
ノックやマジックボールでの呼び出しもなしにドアが開かれたかと思うと、いきなり長身の女性が入ってきた
入ってきて開口一番に
「お邪魔します、私はセト王国防衛部隊2番隊隊長ヘンリーロットと申します、
いきなりですがこちらで国王級の魔力を検知したので・・・国王の保護を・・・」
そういいながら辺りを見回す。
テカテカしたジジイが右手を突き出して今にも魔法を放とうとしている
そして剣を持った大人に捕らえられている子供が数人
「おい、助けてくれ!誘拐されたんだ!」
これは良いタイミングだ。
まさか、あのフードをかぶった奴、これも計算のうちなのかもしれない。
「何を言う、こいつは私の奴隷だ!」
「な、なら証拠を見せてみろよ!」
証拠なんて無いはずだ、腕輪はとうの前に外れているのだから
「ぐ・・・」
沈黙が回答だった
「ウルス、一般人の保護をお願いします。残りは国王の捜索を」
そのヘンリーロットと名乗った女が命令する
しかし、さっきから国王、国王と言ってるがどうしたのだろう
ずっと屋敷にいたが国王なんて見たことも無い
そしてドアから騎士がぞろぞろと中に入ってきた。
「抵抗するものは切るぞ、武器を捨てろ!」
大男がゆっくりと腰の剣を抜いてゴードンに向かって剣を向ける
たぶんこいつがウルスなんだろう
さすがにゴードンも国を敵に回すなんてことはしないだろう、そのゴードンに雇われた衛兵ならなおさらだ
ゴードンは右手を下げて衛兵は武器を捨てた
「そこの子供!その手に持ってるマジックボールはなんだ?」
「こ、これは・・・貰ったんだ。ローブを着た人に」
「どれどれ・・・これは!、隊長!ヘンリー隊長!」
あれ、俺なにか不味い物でも持ってたのだろうか慌て方が尋常じゃない
数秒してさっきの女性が現れた
「なんですかウルス?」
「このマジックボールを見てください。この子供が持ってたんですが、このマジックボールは・・・」
「ウルス!」
説明している途中でさえぎるように叫んだ
「は、はい!」
「子供達をすぐに解放してください。」
「しかし、まだ事情も聞いて無いですし」
「いいから解放しなさい」
何か揉めている様だ。さっき叫ばれていた人がこっちに向き直って言った
「このマジックボールは返す。もう自由だ。さあ、自分の家に帰るんだ」
「あ、ああ。ありがとう。じゃあ俺たちは行くよ」
なんだかよくわからないけど解決したようだ
「なぁ、ヤシム・・・さっきのはなんだったんだ?騎士の隊長だとか言ってたけど」
1人が質問してくる
「おれに聞くなよ、おれも分けが解らないんだ。とりあえず町の入り口を目指そう。たしかそこで待ち合わせのはずだ」
いろいろとダメになってきてる気がする・・・
大丈夫だろうか