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第19話:屋敷

ゴードンの屋敷にて



5時



「この鐘の音は・・・時間だな。このマジックボールで本当に外れるのだろうか」

白いローブを着た見るからに怪しい奴が一方的に置いていった物だ。

今考えると明らかに怪しい



「でも、やる価値はあるんじゃない?ヤシム」

セラナがヤシムに言う


「まあな、試してみるか」

皆がうなずく


奴隷の腕輪や首輪をキャンセレーションで外すことは可能だ。

しかし、それが強力でなければ外すことは出来ない。しかも威力の落ちるマジックボールに込められたキャンセレーションだ。

これで外れたら相当な魔法の使い手だろう


本当に外れるのだろうか・・・

『Cansellation』



バキンッ!


地下牢にあった首輪と腕輪は外れるどころか全て砕け散った


ついでに使ったマジックボールも見事に砕け散った。



「え・・・」


い、いったい何を込めたらこうなるんだよ。貰ったほかのマジックボールは・・・大丈夫だな。


驚いてる暇は無い


「よ、よし。みんな逃げるぞ!」


この時点でみんな平民なのだからゴードンに拘束力は無い。しかし、ここはゴードンの屋敷だ。腕輪が外れてるからもう奴隷じゃない!と言っても

ゴードンが易々と逃がすとは思えない

とにかく今は逃げなくては


階段を上がって廊下に出る


「皆早く上がれ!玄関に走るんだ」





「まて!お前らどうやって・・・」

厳寒に続く廊下で衛兵が立ちふさがる。そして持っていた剣をゆっくりと鞘から引き抜いた。


「早く地下室に戻れ!でないと叩き切るぞ!」




「ヤシム・・・」


「だ、大丈夫だ。みんな目を瞑れ!」

そういって持っていたマジックボールを衛兵の顔をめがけて全力投球した


普通は明かりを灯すだけの魔法、しかしキャンセレーションであの威力だ。

多分このマジックボールも・・・



『Light』






うっすらと目を開けると衛兵が目を抑えて呻いている。その横には砕け散ったマジックボールの残骸



たぶん、物凄い光ったのだろう。目潰しくらいには使えるとアイツは言ってたし


「よし!いくぞ!もうすぐ外だ!」



玄関へ走る、この角を曲がれば玄関だ。そして外に・・・


「待て、お前ら。何処へ行こうというのだ?」





最悪だ、玄関にはゴードンが待ち構えていた


「ゴードン!よく見ろ、俺の腕には奴隷の腕輪はもう着いてない。だから、もう俺たちは自由なんだ」


「認めぬ、どうやって外したかは解らんが、お前達はここから出すわけにはいかん!食らえ!」

『Ice arrow』


咄嗟に持っていたマジックボールを掲げる

『Cansellation』



ゴードンの手のひらから出現した氷の矢が発射されると同時に砕け散る


そして、ヤシムの持っていたマジックボールも砕け散った。


「何故キャンセレーションの魔法を・・・そうか、マジックボールか。何処で手に入れたか後でじっくり聞くとしよう」



「ヤシム!衛兵が」


そう言ったセラナの方を振り向くと剣を持った衛兵が数人取り囲んでいた

「ライトの魔法に気をつけろ、こいつら強力な武器を持ってやがる」



「お前らの負けのようだな、さあ、話してもらおうか」


ゴードンがニヤニヤ顔で近づいてくる



「あと少し、あと少しで外だったのに。もう玄関まで来てたのに・・・」





バンッ


そのとき玄関のドアが勢いよく開かれた。

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