第1話:日常
それは、学校の帰り道のことだった。
6時間+体育の補習というヘビーな時間割を終えた2人組みが歩いていた。
「なあ翔太、もし異世界に行けたらまず何をする?」
はい、このボケた質問をしてくるのが親友の山本正規だ。高校2年生にもなって、空想の世界を思い描いているかわいそうな親友だ。冷めた目で見てやってくれ。
「まず、そんなのあるわけないだろ。じゃあ、お前はもし行けたらどうするんだ?」
多分聞かれたくて質問したんだろうから、聞き返してみることにする。ついでにチラッと隣にいる正規の顔を見てみる。まってましたと言わんばかりの満面の笑みじゃないか…、何がしたいんだかコイツは
「そうだなぁ、世界征服!」
「がんばれよ、俺は応援するぞ」
夢がでかいよ、行って、まずすることが世界征服かよ。と普通なら突っ込むところだが、体育の補習でもうヘトヘトだった。適当に話を流す。何でこんなに元気なんだよ体力馬鹿
そんなどうでもいい話をしてると正規の家に着いた、なぜ正規の家に?。それは簡単だ、学校と俺の家の通学路の途中に正規の家があるからだ。
「じゃあな、翔太。また明日、勝手に異世界に飛ばされたりするなよ〜」
手を振って答える
たぶん、これがフラグだったのだろう。
「笑えねぇ」
そうつぶやいて、とっとと家に帰ることにした。
数分後
今、浅山翔太の目の前に水溜りがある
しかも綺麗な円形、マンホールほどの大きさの水が道の真ん中にあった。誰かのイタズラだろうか・・・。
純太は立ち止まって考えた。
横に避ける? or またぐ? or 飛び越える?
考える内容は、なぜ綺麗な円形の水溜りが、この快晴の日に道の真ん中にあるのか?、では無かった
このとき、翔太は最悪の選択をしてしまう。
翔太勢いをつけて水溜りを飛び越えた。
ように見えた
だが、普通はありえないことが起こった、
水溜りが滑るように移動した。それも翔太が水溜りを飛び越えようとして飛んだそのときである
今現在、水溜りがあるのは翔太の着地位置。寸分狂わぬ位置にあった
もちろん重力に逆らわず落下した、水溜りの上に
「うそだろ」
だが翔太の不幸はまだ続いた
水溜りにしては底が深かった、それも尋常じゃないほど深いようだ。通常、効果音でいえばバチャ、バシャンだろうが翔太のはまった水溜りはズボーンだった。
水溜りが大きな水柱を上げて、水溜りは消えた。
ん?俺は何か間違えたのか?なんで落ちてんだ?水溜りだろ?そうだ、補習なんてさせた体育のマツ先が悪いんだ。くそぉマツ先め
八つ当たりである
ちなみに マツ先=松浦先生 である
いや、今はどうでもいいことだが
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
それが、(地球)での浅山翔太 16歳、最後の言葉であった