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第17話:合流

ゴードンの屋敷を出て数分




目指すは町の入り口だ

途中で追いかけて来た騎士さん達に見つからないようにフードを深くかぶって市場を歩く

たぶん、このローブを着てるところを見られたのだから会えばすぐにばれるのだろうが、ここは市場だ。

人が沢山いるし見つかっても逃げやすいと思う


ハーヴェイも町の入り口にいるだろう





数分後〜



「ショータ、遅いじゃないか失敗したかと思ったよ」

町の入り口で待っていたハーヴェイが声をかけてきた。


失敗って・・・



「大丈夫、何とかなると思うよ。あとは5時を待つだけだな」



「なあ、ショータ。市場に最後の1人がいるって言ってただろ、丁度、休憩の時だったらしいから連れて来た。」

そう言ってハーヴェイの陰から少年が顔を出す



そんなんところに隠れてたのか



「僕の名前はシルスっていいます、よろしく」



「あ、俺はショータだ、よろしく」



「シルスはすごく頭がいいんだぜ」

なんだか出来のいい息子を自慢するみたいだ



「とりあえず、その腕輪を外そうか。俺のことはハーヴェイから聞いてる・・・よな?」

もう驚かれるのは懲り懲りだ。説明するのもだんだん面倒くさくなってきてる


「はい、やる気の無い国王様って聞きました。あと敬語は使わなくていいと」


まあ、間違っては無いんだけどね




腕輪に触れてそっと自分の名前と地位を言う、腕輪はやはりいい音を鳴らして外れた



「ところでショータさんの計画ですが、ゴードンさんの屋敷に居る人たちを助けるために屋敷に行ったんですよね?

それじゃあ、腕輪を外しに行ったんですか?」


「いや、外してまたつけるという手もあるんだが。それをしてしまうとゴードンにばれる可能性が高いからキャンセレーションのマジックボールで外してもらうことにした、あといくつか使えそうな魔法をマジックボールに込めて渡しておいた」


というより普通に外してたらばれてただろう、首輪が壁につながれていたのだからあの地下室から出すときに確実にばれる。


「やはりそうですか・・・、しかし脱出できますかね?いくら強力なマジックボールがあるといっても、あの大きな屋敷の地下室から・・・」



「それは大丈夫なはずだ、俺はゴードンの屋敷に行く途中に感知型の魔法使いと騎士達に追われていたから・・・」



「ああ、なるほど、それなら安心ですね」



この少年・・・かなり頭がいいな。これだけの情報で分かってしまうなんて・・・

常人でも少し考えないと分からないだろうに


「何言ってんだ2人とも、なんでショータが騎士に追われてたことが安心に繋がるんだよ」


まあ、普通こうなるよな


「あと、シルス。ゴードンとある契約をしたんだけどその書類を”役所に提出しに行った”って聞いたんだけど役所ってなんだ?ゴードンに直接聞くと怪しまれると思ったからあえて聞かなかったけど」



「ショータさんは異世界から来たから知らないんですね、話すと長くなりますから簡単に言うと事務をしてくれる騎士です」



「そうか・・・」


シルス・・・説明がアバウトすぎるよ

賢いのかどうか怪しくなってきた


えーと、

騎士が向こうの世界での警察みたいなものだから・・・・

まあ、大丈夫かな





ふと顔を上げると日が沈みかけてるのが見えた


「なあ、ハーヴェイ。もうすぐ5時じゃないか?」



「ん?ああ、もうすぐだな」

思い出したように言う、その直後


ゴーン、ゴーン、ゴーン



と綺麗な鐘の音が響いた

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