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第10話:覚悟


「ここが武器やかぁ・・・」


「ナイフや剣、槍までそろってるぜ」


たしかに見た目強そうな武器が武器屋には沢山並んでいる。


「こう見るとRPGゲームだな」


「ん?何か言ったか?」


「いや、なんでもないよ。」


そういえば重火器が見当たらない。さすがに魔法で発展してきただけはあるな・・・

火薬で鉄の塊を飛ばす方法よりも口で呪文を唱えたほうが簡単だったわけだな

というより魔法で火とか飛ばせるのに鉛を飛ばすなんて発想はないんだろうなぁ

いや、待てよ。魔法があるなら武器は必要ないんじゃないか?


「なあ、ハーヴェイ。魔法が使えるのに何で武器なんか売ってるんだ?」


「それは魔力量が少ない奴とか魔法より剣の方が扱いやすいって奴もいるからさ」


「ああー、そうか・・・なるほど」


やっぱり魔法中心の世界だよなぁ



「ショータは何か武器は持ってるのか?」



「ああ、武器と呼べるのかは分からないけど・・・」


そう言いながら懐からウェスタにもらったナイフを取り出す


「これじゃあ武器にならないな」


ナイフを受け取って眺めた後、ショータにナイフを返す


「まあ、たしかにこれ持ってホーンベアーとかに挑めって言われたら無理だろうな。でも、俺は剣とか槍とかは使えないし、ナイフなんて使ったこともないよ。たぶん武器全般だめだろうな」


数日前まで普通の高校生だったんだぜ、俺は日常的にナイフや剣を持ち歩いてる危ない奴ではない

というか捕まるからね


「珍しいな、よほど魔法に自身があるのか?」


「ははは・・・・、ハーヴェイが予想してる以上に・・・」


これは墓穴を掘ってしまったのか、笑ってごまかす。

まあ、実際は苦笑になってしまったんだが



「予想して以上に・・・?」


と、そのとき遠くからゴォーンという鈍い鐘の音が響いた


「あ!ハーヴェイこの鐘の音はなんだ!?」


「ああ、この鐘の音は5時に鳴るんだよ」


どうやって5時という時間を知るのか疑問だ、というよりこの世界でも24時間で1日なのか

あとでじっくり聞こう


と、その前に



「遅くなってきたしそろそろ宿屋に帰るか」



「あ・・・ああ」


ハーヴェイが沈んだ声で答える


まあ、帰りたくはないわな。あんなところに




武器屋を出て数歩



「なぁ、ハーヴェイ。もし、もしもの話だけど」


「ん?」


「もしも、50人そろって奴隷から開放できる方法があったとしたらどうする?」


「そんな夢見たいな話・・・、みんなそろって奴隷を辞めれるのなら辞めたいよ。」



「もしも、その方法が目の前にあったら?」


「もちろん試してみるさ、どんなことをしてでも、その方法にすがってやる」


ハーヴェイは真っ直ぐとショータの目をみて答える


「じゃあ現実の話だ」


「俺がお前1人を町の外に逃がしてやるといったら?」


「さっきも答えただろう、仲間は見捨てれねぇ、ずっと一緒だったんだ。俺1人逃げるわけには行かない」


ハーヴェイの答えに迷いはなかった



「合格だな」

そう言ってショータはにっこりと笑う


「なんだよ、気持ち悪いなぁ」



会ったときからハーヴェイは助けたいと思っていた。

だけど、自分のおかれてる状況からしても他人を助けてる暇なんてないし、魔力回復前という安全に逃げれるタイムリミットは過ぎてしまったんだ

いきなり目の前に兵士が現れて「あなたが国王ですね」なんて言われて連行されるかもしれない

かと言ってハーヴェイを簡単に見捨てれるほどショータは腐ってはいない

で、ハーヴェイを助けようと「町から出してやる」と言ったわけだが「仲間がいるから」だと・・・

自分が大切だけどハーヴェイも助けたい

それでちょっとしたテストをしてみたわけだ


1、奴隷から解放されることをあきらめてないのか?


2、やる気はあるのか?


3、自分が助れる状況で仲間を見捨てないか?



ハーヴェイは文句なしの合格だった

俺が現実世界に帰れないかもしれない というリスクを負ってでも助ける価値がある男だ、ハーヴェイは

それに、この世界で1つくらい良い事をしても罰は当たらないだろう



「どうしたんだ?悩んだような顔して・・・不思議な奴だな」



「おっと、そうだ最後に質問だ」


「なんだよ」



「俺を信じれるか?」


これは重要だ、まあ、会って数時間で俺を信じろ!なんて無理な話だろうけど・・・


「またいきなりだな、信じれるよ、ショータは悪い奴じゃなさそうだ。俺はこういう勘はよく当たるんだ。

まあ、誰かを信じて騙されても奴隷の俺には失うものなんて無いんだけどな」


予想外の回答だが好都合だ





「そうか・・・。よし、お前を助けてやる!」



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