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ドラゴンだって弱いんです  作者: 留坂豪
マイマザー 後編
32/72

“世界地図”を読んでみた

 


 さて、と。


 ジョブはもう良いだろう。

 好きに生きていけばよっぽどなナニカがない限り、それに対応したジョブに就ける。


 そんな認識。


 僕はうっかりスキルやりすぎて“道化師”ではなく“武人”になるとかに気を付ければ大丈夫だろう。


 というわけで。


 次の本に手を伸ばそう。


 残りは三冊。

 “魔法大全”“技術大全”“世界地図”。


 さてどれを読むかな。

 今日は残り時間的にあと一冊。


 残りはまた明日に取っておこう。


 ふむむむ……。

 魔法と技術はまとめて読みたいよな。


 そうすると今日はあと“世界地図”か。


 よっ、と“世界地図”を抜き出す。


 そういや世界地図見るの初めてだな。

 地球と同じ地図だったらどうしよ。

 笑えばいいのかな?


 ドキドキしながら地図を開くと……!


 やっぱ違うよね。


 地球とはまるで違った。


 大陸は四つ。

 スエルア、ダルテア、ツシャル、ラグルド。

 そういや前に町長に聞いてたわ。


 スエルア大陸は北半球から南半球までしっかり広がる一番広い大陸。

 ダルテア大陸は北半球の大陸。

 ツシャル大陸は南半球にあり、四つの中で一番狭い大陸。

 ラグルド大陸は同じく南半球に存在する大陸。


 僕らのいるマリハース王国はツシャル大陸の北東部に位置する。

 つまるところ赤道にかなり近い。

 まぁ広い国だからここ、セイリアはそんなに暑くない。

 夏は暑いけど。

 今は冬真っ盛りなわけだが。


 というか遠心力がどうのって話で赤道付近はほぼ海なんじゃなかったか?

 ほとんど陸じゃん。

 まぁいいか。

 気にしちゃダメなやつだ。


 南半球はほとんど陸で、ツシャル大陸とラグルド大陸の間に大きなクレーターなのだろう、綺麗な円形の海がある。


 対して北半球は半分くらいは海だ。

 どうやら浅く広い海らしい。

 所々盛っている部分があり、小さい島があるようだ。

 それが一つの国を形成してるんだけど……。


「アヴリルさーん、この水竜の里とかって国なの?」


 里ってなんだよ。

 王国とか連邦とか共和国とかじゃないのか。


「ん?国だよ、もちろん。何か変?」


 違和感無いのか!

 これが異世界の常識ねぇ。


「で、竜の里ってなんです?」


「竜の里は竜の里だよ。それぞれの属性の竜の中で一番強いのを神竜って呼んでて、それを崇める人達の里。神竜のいる所にその属性の竜も集まるから水竜の里とか火竜の里とか言われてるの」


 ほへー。


 じゃあ竜がたくさんいるところってことか。

 戦争とか話にならないじゃん。


 ていうか竜を崇めるってなんだ。

 宗教的なアレですか。


 でも、あれ?


 それならマイマザーことヘレナはどうしてこんなとこに?


「あぁ、それは混血竜だからだよ」


「混血竜?」


 前にもなんか言われた気がする。

 なんだっけ、あんま歓迎されてないとか。


「それぞれの竜の里って、自分のとこの属性が最高だと思ってるからね。他のと混ざったのはある程度育ったあと追い出されちゃうんだよ」


 うわぁ。

 宗教こっわ。


「まぁ追い出そうとするのは人だけで、ドラゴンは住みやすいからそこにいるだけ。気ままに他の里行って混血竜持ち帰ることも結構多いらしいよ」


 うわぁ。

 人間こっわ。


「混血竜は加護を受けられないせいでもあるんだけどね」


「加護?」


「あれ?加護って教えなかったっけ?」


 ……。

 聞いたっけ?


「教えられたかもだけど忘れました」


「加護っていうのはね……」


 一言で言えば才能ってやつらしい。

 産まれた直後から持っていて、何かしら効果を発揮する。

 世界がその人を助け続けるのだ。


 例えば“消滅の加護”。

 効果は消滅魔法と火属性魔法の補正、詠唱の省略、魔素操作力向上。


 ……チートか。

 いや強すぎだろ。


 詠唱省略とかもうどうやっても勝ち目ないやんか。


 まぁこんなぶっ壊れは常に世界に一人とからしい。

 まぁ八属性あるから八人いる訳だが。


 もっと効果の弱いやつはそこそこいろんな人についているらしい。

 加護のない人が九割らしいが。


 もっとやばい加護もあるらしい。

 相当レアで三百年に一人とか。


 これらは生まれつきの加護だが、例外もあるそうだ。

 それが“竜の加護”。


 例えば火竜を例にすると。


 火竜の中で最も強い個体が“火神竜の加護”を得る。


 “火神竜の加護”。

 火属性魔法と消滅魔法に補正、全ステータスの向上、純血火竜に“火竜の加護”を与える。


 “火竜の加護”。

 火属性魔法と消滅魔法に補正、体力筋力魔素操作力向上。


 加護を与えるとか受け取るとかが“竜の加護”には絡むようだ。


 純血火竜に与える、ね。

 混血が排されるわけだ。


「で、結局僕の属性ってなんなんです?」


「それが良く分からないのよね。魔法を使う時適正が見つかることもないし……。今度教授に聞いてみようか」


 おぉ。

 魔法どれを使うかくらい決めたい。


 光属性の純血だったら光竜の加護とか貰いに行けないかな。


 と、地図に目を戻して。


「何か世界地図について補足ってある?」


「んー、そうだなぁ。今、スエルア大陸の国四つで大きい戦争してるとかかな」


 まだ戦争とかあるのか。

 ここの国も軍作ってるわけだしそれもそうか。

 他の国も小競り合いはちょこちょこあるらしい。


 ここ、ツシャル大陸は一番治安が良いらしい。


 なんにせよスエルア大陸には近づかないようにしよう。


「あとは国が成り立ちから六種類によく分類されてるって話だけど……前にも言ったしそんなに気にする必要ないからいいか」


 あぁそんな話も……あったかな?


「それと、この星の周りを回ってる衛星をそれぞれ共月と双月って呼ぶとか」


 月の名前か。

 どっちがどっちだ?

 まぁいいか。


 綺麗な円形じゃないんだよな。

 地球の月の円形って実は貴重だったんだろうか。


「そう言えば、この星の名前は?」


「これも言ってなかったっけ。フレイスタだよ」


 へー。

 星の名前は漢字じゃないのな。


 “世界地図”の見るとこなんてこれくらいか。


 まぁ前世みたいなノリで生きれば一生国を出ることなく生涯を終えるだけだろうし、気にしなくていいか。

 どっか行くってなった時にまた調べよう。





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