↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の乙女が穢れを祓う  作者: まひる
第4章─黄昏
PR
39/128

9.分かりやすく


「そういえばさっきの…魔獣?あれ、何処に行っちゃったの?」


 ドーナツを2つ食べ、人心地がついたリサ。不意に先程の魔獣が気になった。

 見回したところ、その死骸は確認出来ない。


「滅した」

「え?」

「魔獣はその機能を停止すると、闇となって霧散する」


 淡々と告げたヴァルトは、リサが魔獣に襲われた経験が初めてではない事を知っている。

 だが、リサにはそれが何を意味しているのか全く理解出来なかった。


「何よ、それ。もっと分かりやすく教えてくれる?」

「…面倒だ」

「ぅわ…、酷っ。…あぁ、そっかぁ。ルトってば偉そうに言うけど、説明が出来ないんだぁ。そっかぁ、それなら仕方ないよねぇ~」


 拒否された事を逆手に取り、リサはヴァルトの感情を煽る。

 勿論それに対し、我慢が利かないヴァルトが舌打ちをした。


「お前、本当に俺を怒らすのが上手いな」

「えへへっ、それほどでも~」

「誉めてないっ。…くそっ、乗せられる俺も俺なんだが…」


 頭では分かっているものの、ヴァルトは感情をコントロール出来ずにいた。


「分かった、教えてやる。ありがたく思え」

「ぅわ~、出たよ。俺様男、降臨」

「何だ、それは」

「何でもない~」

「ったく…。良いか?」


 二人してコントを繰り広げた後、ヴァルトの説明が始まる。


 時折、異界デレイネと繋がる現代。昨今の増加する現代側の怒り・嫉妬・悪意などの悪感情が、デレイネで闇と呼ばれる黒いモヤを形成する。そして、それに触れた獣が人を食らう魔獣となり、人は黒いワニのような魔物となる。


 そんな中でデレイネ最大のレイグス王国からは、第三王子である聖騎士団長のヴァルトが主となり、発生原因と鎮静化を探っていた。

 だが現代と繋がる場所は様々で、繋がったとしても本来、互いの姿は見る事も感じる事も出来ない。それを黄昏と呼ぶ。


「どうだ、説明してやったぞ。ちゃんと理解出来たか」

「…えっと、私達の世界が原因?」


 ふんぞり返りそうな程に、威張るヴァルトだ。

 だがリサは、それどころではない。


 あの凶悪な魔獣が、この世界の悪感情から出来ているなど、考えもつかなかった。それに獣だけではなく、人も魔物化させるという。


「あ…そう言えば、ルトの左手…」

「手?手がどうした」


 真っ直ぐ視線を向けてきたリサに対し、ヴァルトは首を傾げた。

 普段から二の腕辺りまで隠れる手袋をしている為、外側からは全く判断が出来ない。


「脱いで」

「はあ?」

「だから、見せてよ」

「お、おま…っ」


 主語のないリサの言葉に、焦ってヴァルトは立ち上がる。

 勿論、リサは手袋の事を言っているつもりなのだが、互いに噛み合っていないのだ。


「何よ、ケチ」

「ちょっ、待て!誰がケチだ」


 再び、リサの言葉に煽られるヴァルト。

 話が通じていないのに、怒りの導火線だけは着火する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。