前へ目次 次へ 6/26 第六節「風に語りて」 ふいに風が吹いた。少女は長い髪を風に持っていってしまわれないように押さえた。押さえながら、彼女は風に呼びかけていた。ねえ、風さん、風さんは、灰色の事をどう思っているの。風は、透明な風は色なんて気にしていない、ただ色が有るか無いかそうゆう軸とは別のところで活動している。だからこそ質問している、ねえ風さん、透明である事と、灰色である事は、どっちが辛いの。風は、答えられなかった。答えの代わり、彼女の髪を優しくもとの位置に戻した。