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ガルエンヴィ  作者: 夢物語
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最終話 破壊者の繋ぐ未来

迫りくる隕石群に攻撃をしかけるラウド達。



「将軍、やはり私達も手伝うべきです!」



「姫様、送られたデータの最後を見てください」



アウルがデータの最後を見て言葉を失う。



「今回のはまだ序章です。

そう遠くない未来に惑星クラスのメテオレイドが飛来…我々はその時まで生き延びなければならない」



「なら協力して彼等と!」



「今は彼等の役目。

我々は自らの技術を磨き、備えなければいけません」



「なら…彼等を見殺しにするの?

確かに大勢を殺し世界を混乱させた。

でもそれは私達が愚かだったから…そんな私達に気付かせてくれたのに」



「堪えてください。

我々は彼等の勇姿を見届ける責任があります!」



「ラウド…」



その頃、ラウド達は順調に隕石を破壊していた。



「まずまずか。

ラウド、親玉が来る前に補給しろ」



「まだやれる」



「バカ野郎! そんなんで押し切れる程、甘かねぇんだよ!」



「…分かった」



「ったく! あいつの忘れ形見を簡単に死なせるかよ」



「ガイス、お前さんは意外と家族思いか?」



「うるせぇぞじいさん!

ごちゃごちゃ言ってるとショートさせるぞ!」



「そんな手間はいらんぞ」



「あ? まさかじいさん」



「精神をこっちへ転送した時、想像以上の負荷が掛かっての。

ラウドの事を頼めるか?」



「俺が生きてられたらな。

もう少し踏ん張れよ!」



「最期にひと花咲かせてみせるわい!」



補給を終えたラウドが再び出撃したのと照らし合わせる様に、巨大な隕石が姿を現す。



「でかいな」



「野郎共、こいつをぶっ壊せば終わりだ!

海賊の意地…見せてやれ!」



ガイスの言葉に海賊達は雄叫びを上げ一斉に攻撃を始める。



「今までのより硬い…爺さん、最終防衛ラインまでどの位だ?」



「約10分じゃ。

ラウド、破壊できるか?」



「俺を誰だと思ってる!」



加速し突撃するラウド。



「か、頭!」



「なんだ?」



「前線の部隊からの隕石のデータによると表層はメテオレイドですが、内部は全く異なる物だそうです!」



「どういう事だ?」



「強度がメテオレイドの倍以上だそうです…」



「じゃあ、俺達の武器は通じねぇって事か…」



「…ガイス、全員退艦させるんじゃ」



「退艦? …じいさん、突っ込む気か!?」



「この船のエンジンを暴走させる。

太陽と変わらん熱量であれば完全に溶かせるじゃろう」



「…ひと花がそれか。

総員退艦! 前線の部隊はなるべく隕石の足を止めて2分後に撤退だ!」



前線にいたラウドにも指示が届く。



「爺さん…」



全員が退艦を終えるとマッドは全速力で隕石に向かっていった。



「ハルス、ミレーヌ…もうすぐ会いにいくぞ。

うっ、こんな時に精神の崩壊が…エンジンを…暴走させ…」



「世話が焼けるなじいさん」



「ガイ…ス…なぜ…」



「こいつは俺の船だ。

老いぼれのあんたに任せれるかよ」



「すま…ん…」



「ラウドも一人前の男だ。

育ての親の役目を全うしねぇとな」



コンソールを操作しエンジンを暴走させ海賊船が隕石にぶつかり、まるで太陽が現れたかの様な光りを放ち隕石を飲み込む。



「くっ…爺さん、ガイス」



光りが収まると隕石は跡形もなく消えていた。



「終わっ…ん? レーダーに反応?

爆発で加速した欠片があったのか!」



猛スピードで追い掛けブレードで切りつけるも刃が折れてしまう。



「ちっ、こいつの落下地点は…ハイド皇国!」



ラウドは隕石に回り込み何とか止めようとするも全くスピードが落ちない。



「ラウド!」



「来るな!」



「私も手伝います!」



「あんたの機体じゃ無理だ。

このスピードで大気圏に突入すれば数秒も持たない」



「なら!」



「言ったはずだ!

あんたの役目を果たせと。

これは俺の役目だ」



隕石と共にラウドは大気圏に突入する。



「ラウドー!」



「オメガでも限界か。

落下地点をずらせれば…」



機体が溶けながらも必死に向きを変えようとするラウド。



「全く動かない…フッ、二度目は無いかもな。

今度はお前と一緒に眠れそうだ」



ラウドが何かを打ち込むとモニターにタイマーが映し出される。



「行くぞ、ガルエンヴィ!」



タイマーがゼロになった瞬間、激しい爆発と共に隕石が横に吹き飛び海へと落下した。



「ラウ…ド…ううっ…」



世界の危機を免れ、月日が流れる。



「ふぅ…」



「なんだ緊張してるのか?」



「そりゃあしますよ!

星の命運がかかってるんですから!」



「心配すんな、俺達には女神がついてる。

ほらな」



宇宙に何体も並んだ機体の前に真っ白な機体が現れた。



「皆さん、星を守る為に力を貸してください。

尊い命が散っていったあの日、私は何も出来なかった。

しかし、今ならこの手を伸ばす事が出来る!

今こそ人類の思いを一つに!」



管制が上がり、真っ白な機体の女性は少女の写真に口づけをする。



「行きます!」



真っ白な機体が動き出そうとした時、真っ赤な機体が飛び出す。



「待ちなさい!」



「お姫様の御高説は飽き飽きだ。

俺は先に行く」



「姫じゃなく私は女王よ!」



「関係ない、俺には一人の女だ。

ラウド・ハイド…全てを破壊する!」

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