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聖木のヒーロー

作者: アカ

 毎週日曜の朝っぱら、この時間は姉貴がうるさい。

 俺は居間で騒ぐ姉貴の声を目覚まし代わりにし、ノロノロと起き上がる。

 欠伸をしながら居間を覗くと、ヒーロー戦隊モノのオープニング曲を、テレビと一緒に熱唱する姉貴がいた。


「闘志を燃やせー! ウォウウォウ、テレッテッテレレン!」


 家に響き渡る騒音、なんとかしてほしい。ところどころ音程が外れているから、非常に気持ちの悪いメロディーとなっている。


「平均年齢四十二歳戦隊ぃー、ジーレンジャーァー!」


 何故そんな戦隊モノに夢中になるのか、まったくもって不思議だ。

 ちなみにウチのテレビは大きなプラズマテレビだ。ウチは両親が大手の会社に勤めているから金回りが良い。だからこういう品も簡単に手に入れる。でも、忙しいから全然家に帰ってこない。


「よっ、勇気! おねーちゃんの美声はどうだった?」


 興奮がなかなか冷めない姉貴がやってきた。


「すごく頭に響き渡るね」と俺は答えた。嘘は言ってない。騒音だから頭にガンガン響く、というだけだ。


「いやあ、それにしても素晴らしいよねジーレンジャー。カッコイいよジーレンジャー。ヒーローって憧れるね」


 何か語り始めた姉貴を無視しつつ、俺は朝ご飯の支度を始める。親がいないから自分達で家事をこなさないといけない。

 ちなみに今は夏休み前の暑い時期だ。今日も朝から気温が高く、非常にダレる。朝ご飯は軽く食べられるものにしよう。


耄碌園もうろくえん遊園地でオジさんと握手! そして飲み会もしよう!』


 テレビから小さな子供達にはあまりよろしくないような言葉が聞こえた。


「うわ、耄碌園遊園地行きてぇー!」


 声高らかに叫ぶ姉、十八歳。

 そしておもむろに電話をかけ始めた。耄碌園遊園地に行くために誰かを呼ぶつもりだな。今日は休日だし、誰かしら空いているかもしれないしね。

 でも、なんで携帯電話という便利なものがあるのに、自宅の子機で電話をするんだろうか。


「もしもしー。うん、そう私、凛だよ。今日さ、耄碌園遊園地に行こうよ。日曜日だからいいじゃん。えっ、今日バイトなの? じゃあしょうがないなぁ……。よし、遊園地に行こうか!」


 相手の話、ちゃんと聞いてんのかなぁ?


「やっぱ無理? ん、じゃあいいや。うん、またね。バイバーイ」


 断られたな。姉貴ドンマイ。

 ……あ、俺のことを見てる。


「勇気、今日耄碌え――」

「悪いね、今日は用事があるんだ」

「なんで誘おうとしたのわかったの!」


 んなもん電話を切った後、やたらと俺をジロジロ見てりゃ嫌でもわかる。


「あー、さっさとメシを食わないと待ち合わせに遅れるし。じゃあな姉貴、遊園地に行きたいなら一人で行ってくれ」

「待ちなさい。おねーちゃんとの遊園地デートを断るほどの重要な用事、詳細を教えなさい」


 姉貴と出掛けるのなんて全く重要じゃねえよ。それに教えるわけないだろ。


「勇気、教えなさい!」

「うるさいなぁ、教えねえって」

「…………」


 姉貴はどこかに走り去った。多分俺の部屋に行って、何か手がかりがないか調べるつもりなんだろう。

 でも大丈夫、アレは絶対に見つからないような所に隠しておいたから。

 その時、俺の携帯電話が鳴り響いた。今日の用事の相手である、同級生の女の子からだった。


「もしもし、どうしたの? ……えっ、風邪? うん……じゃあ今日は無理か。気にすんなって、しっかり休みなよ。じゃあ、またな」


 フゥ……とため息をつく。

 気が付くと、満面の笑みを浮かべた姉貴が目の前に。


「ふふふ……用事が潰れたみたいね。そして、勇気の部屋を荒らしていたら、こ〜んな良いモノがあったんだけどなぁ……」


 姉貴はその良いモノとやらを見せつけた。

 それは、今日のデートのために持っていた耄碌園遊園地のタダチケットだった。




「はい、耄碌園遊園地に到着ー!」


 結局姉貴と遊園地に来てしまった。

 まあいいか。タダチケットの期限、今日までだったし。


「うわー、こういうの懐かしいね」

「ええっ! 何乗っちゃってんの!」


 いつの間にか入り口付近によくあるパンダの乗り物に乗りながらはしゃぐ姉貴がいた。見ているこっちが恥ずかしい。


「降りろよ馬鹿姉貴! 周りの人がめちゃくちゃ見てるぞ!」

「なにさ、うるさいな。ちぇっ、つまんないの」


 頼むから大人しくしてくれ。

 そんな俺の願いは、数分後にあっさりと崩れ落ちる。


「とーうっ!」


 いつの間にか輪投げを堪能する姉貴。投げた輪はすべて係員のお兄さんに直撃している。

 でも、ひとしきりお兄さんに当てた後は普通に輪投げを楽しんでいた。


「見て見て勇気ー! 『ジーブレード』が取れたよ!」

「いや、知るか」

「ジーレンジャーの武器だよ。こう……ズバババババ! って斬るんだよ」

「痛い痛い! 俺を斬るんじゃねーよ! あんた悪だよ!」


 悪と言った瞬間、姉貴の表情がこわばった。


「おねーちゃんは正義のヒーローです。それを悪と言う奴は絶対に許しません。よってお化け屋敷に行こうか」


 え……?


「お、お化け屋敷なんてやめようぜ姉貴。姉貴は正義のヒーローなんだろ? それなら愛しい弟を、そんな恐ろしいアトラクションに連れて行くなんてことはしないよな?」

「レッツゴー!」

「ヤダよーっ!」


 俺……、そういうの苦手なんだよーっ!




「ギャー! 狼男ッ!」

「中の人、ご苦労様でーす」


「うわああぁぁ! 血まみれの女!」

「トマトジュースが飲みたくなっちゃった」


「ぞ……ゾンビがあぁぁ!」

「冷蔵庫の納豆、賞味期限大丈夫だったかな……?」




 気が付いたら俺はベンチに座りながら泣いていた。我ながら情けない。


「『勇気』って名前のくせに勇気がないんだから」

「ううっ……、姉貴の馬鹿タレ……」


 姉貴はピクッとした。


「おねーちゃんは正義のヒーローです。それなのに馬鹿タレ呼ばわりする奴はジェットコースターに乗るべきです」

「馬鹿タレじゃないです。姉貴は正義のヒーローです。正義のヒーローなら、親愛なる弟をそんなおぞましい乗り物に乗せるという拷問的行為はしないよな?」


 俺はジェットコースターも苦手だ。


「仕方ないわね、勇気」


 今回は見逃してくれるようだ。良かった。


「最前列を確保してあげるわ!」


 良くなかった。




 ジェットコースターはヤバかった。なんであんな猛スピードなのにグインッて回ったりするんだ。あんなの人間が乗るモノじゃねえ。

 また泣く俺だった。


「ほら勇気、落ち着きなさい。コーラとウーロン茶を混ぜてあげたから」

「そんなブレンドはいらねーよ……」

「正義のヒーローであるおねーちゃんのドリンクを飲めないのなら――」

「飲む! 飲みますから!」


 コーラとウーロン茶を混ぜるのは微妙だ。しかも何気にガムシロップも混ぜてある。この無駄な甘さが美味しくない。


「そろそろジーレンジャーショーが始まるかな……。会場に行こうか」


 姉貴が一番楽しみにしていたのは、やっぱりそれだった。


「俺は興味ないから姉貴だけで見に行けよ。今時なんとかレンジャーだなんて、みっともない……」

「ジーレンジャーはおねーちゃんが一番尊敬している存在です。そのジーレンジャーを馬鹿にする奴は、家に帰ったらキツいお仕置きをしなければなりません」


 もうヤダ……。




「ふはははは! こんな遊園地、ぶっ壊してやる!」


 なんだかんだでジーレンジャーショーを見にきたわけだけど。


「待ていっ!」

「ぬっ、誰だっ!」


 BGMとしてジーレンジャーのテーマソングが流れた。姉貴の目は輝いていて、真剣にショーを見ている。

 イケメンのタレントが出演してるならまだしも、メンバーが全員中年のオッサンの戦隊なんか見る気になるか? 俺なら見ない。


「き、貴様らは……、ジーレンジャー!」

「おうよっ! 燃え盛る赤き竜巻、ジーレッド!」


 ジーレッドはポーズを格好良くキメ、シャキーンというSEが流れた。


「好きなかき氷はレモン味、ジーイエロー!」


 ……は?


「愛用しているトイレ洗浄剤はブルー○ット置くだけ、ジーブルー!」


 どうでもよくない?


「冷やし中華始めました、ジーグリーン!」


 もはや色は関係なくなった。


「下着はいつでも誘惑の桃色、ジーピンク!」


 あんたもオッサンだろうが。なんか気色悪いよ。


「五人揃って……」

『ジーレンジャー!』


 五人全員でポーズをキメ、火薬が派手に爆発した。

 姉貴はというと、キャーキャー言いながら飛び跳ねている。完全に夢中になってる。


「くらえー、ジーブレードー」

「ぐわー」

「ジーライフルー」

「うわー」

「どうだ、参ったかー」

「甘い、ビーム攻撃ー!」

「うわあぁー」


 な、なんだよ、このグダグダ感満載のショーは……。セリフ棒がすべて読みじゃんか。とてもじゃないけど見てられない。

 姉貴は……、


「負けるなジーレッド!」


 やっぱり必死に応援していた。




「勇気、私ジーレンジャーと握手しちゃったよ。嬉しいなー!」


 やっとショーが終わり、俺と姉貴は遊園地内のレストランで食事をしていた。

 あのショーにはツッコミ所が満載だったけれど、姉貴の前で言うとまた恐ろしいことをされるから黙っておこう。

 で、姉貴はジーレンジャーと握手をしてもらって、とろけそうなほど幸せそうな顔をしている。


「姉貴、これからどうする? もう帰る?」

「いや、帰るにはまだ早いよ。この真夏日和、暑く照りつける太陽、汗ダラダラ。行くべき所はただひとつ……」

「……と言いますと?」

「やっぱプールでしょ!」




 広い、この遊園地のプールは広いよ。めちゃくちゃ広いよマジで!

 流れるプール、ウォータースライダー、波の出るプール……たくさんある。

 さすがに日曜日だから人もたくさんいる。


「勇気、お待たせーっと」


 プールサイドで姉貴を待ち、やっと来た。

 姉貴……スタイルだけはいいんだよな、スタイルだけは。アレだよアレ、ボンキュッボンてやつ。これで性格が良かったら彼氏の一人や二人、余裕で作れるだろうに。


「ヒーローキック!」

「ぎゃああぁぁぁ!」


 いきなりプールに蹴落とされた。酷い。


「ヒーロークラッシュ!」

「ぐぼぼぼ!」


 さらに沈む俺に向かって強烈な肘打ち。酷すぎる。


「ヒーローカッター!」


 姉貴は浮き輪をフリスビーのごとく放り投げ、知らないオッサンの頭に命中させた。するとオッサンの頭からきくらげのような黒い物体が滑り落ちた。ヅラだ。


「逃げるよ勇気! ヒーローサブマリン!」


 ただの潜水だ。


「一人で逃げんな! うわっ、オッサンが俺を見てるし! 見よう見真似ヒーローサブマリン!」


 馬鹿な姉貴なんだけど、一緒にいると純粋に楽しいと思える。周りに迷惑さえかけなければ、もっと楽しいんだろうけどね。



 ――と、その時だった。

 いきなり耳をつんざくような爆発音がした。プールの更衣室からだ。


「あーっ! 私の服が燃えたかも……!」

「服なんかどうでもいいよ! よくわからないけど逃げよう!」


 他の客は混乱し、あちこち逃げ回っている。俺も早く逃げないと。

 すると……いつの間にか姉貴がいなくなっていた。

 もしかしたら人混みに紛れてはぐれたのかもしれない。


「姉貴ーっ! どこだよー!」


 いくら捜し回っても見つからない。くそっ、どこに行ったんだよ!


「――小僧、逃げなくていいのかな?」


 不意に背後から声がし、背筋が凍えた。

 振り向くとそこにはヒトデのような体格をした人がいた。

 ……あれっ、もしかしてジーレンジャーショーの続きなのか?

 そうするとこのヒトデ人間は、中に人が入った着ぐるみということになる。


「小僧、死ぬか?」


 ヒトデ人間なんてあまり怖くないが、声は悪者っぽくて威圧感は満載だ。

 ヒトデ人間は一歩ずつ俺に近寄る。

 こういう場合、どういったことをすればいいのか?

 とりあえず……。


「誰か助けてー!」


 と言ってみた。こう叫べば、ショーの展開上ジーレンジャーが来てくれるに違いない。


「ヒーローアタック!」

「ぎゃああぁぁぁ!」


 ……ジーレンジャーではなく、姉貴が助けに来てくれた。いや、ショーの邪魔をしちゃダメでしょ。

 それに、武器がビーチとかによくある大きな白い椅子ってどうなのよ? ヒトデ人間はかなり痛がっているけど、中の人は大丈夫だろうか?。


「遅くなったわ勇気。武器調達に手間取った」

「椅子じゃん」

「椅子じゃないよ、『ヒーローチェアー』だよ」


 英語にしただけじゃん。


「ところで勇気、さっきの爆発はコイツの仕業よ。コイツは悪の手先よ!」

「えっ? これってジーレンジャーショーじゃないの?」

「リアル悪者よ」


 なんてこった。

 ヒトデ人間はヨロヨロしながら体勢を立て直した。


「うぐっ……! このクソ女、貴様なんか――」

「ヒーローアタック!」

「ぐわあぁぁぁぁ!」


 ヒーローチェアーで殴る姉。酷い。相手のセリフぐらい言わせてあげればいいのに。


「貴様……、こんなことしてタダで済むと――」

「ヒーローアタック! ヒーローアタック! ヒーローアタック! ヒーローアターック!」


 ヒトデ人間はボッコボコにされてしまった。

 そういえば姉貴は昔から容赦ない女だった。アリ相手にドラム缶で戦いを挑んだほどだからなぁ。


「正義は必ず勝つ!」

「どっちかというと悪っぽいけどな」


 と、油断したのがいけなかった。

 ヒトデ人間がワカメのようなもの投げつけ、姉貴の体を縛り付けて身動きがとれないようにした。


「ヤダー、ワカメだからベチョベチョするー! あとちょっと臭うー!」

「姉貴、色んな意味で大丈夫ッ? もっと別の心配をしようよ!」

「小僧も同じ目に遭わせてやる!」


 あ、やっぱり俺もベチョベチョだけは勘弁してくれ。


「待てっ、悪者よ!」


 その声は……まさかジーレンジャー?

 じゃなかった。死にそうなほどにやせ細った青年だった。


「貴様は……?」

「ハカセ……とでも呼んでもらいましょうか」


 怪しい。

 しかしただの怪しい青年じゃなかった。戦隊モノによくありそうな剣を取り出したかと思ったら、素早い動きでヒトデ人間を真っ二つに斬り裂いた。

 一瞬の出来事だった。


「大丈夫かね、凛クン、勇気クン」


 俺達の名前を知ってる……? この人は一体……。


「ワタシはハカセ。君達を探していた」


 まさかストーカー?


「こんな所で話すのもなんだから、どこか別の所へ行きましょう。そうだな……、君達の家がベストかな」


 いきなり何を言ってんだこの人は。あんたみたいな怪しい人を家に入れる気はない。


「ウチに案内しまーす」


 って姉貴ーッ!


「うふふ、なぁに? 助けてもらったんだし別にいいじゃない」


 そうか、わかったぞ姉貴め……。

 さっきの剣を見て惚れ込んだな! 実際にああいう物が存在して、いろいろと気になっているんだな!




 で、ハカセとやらはウチに来やがった。


「うーむ、革張りのソファー。いいですねー」


 死にやがれ、ハカセとやら。ウチのソファーの上で跳ねるな。


「では、早速本題に入りましょうか。今日襲ってきた奴は『デッド』と呼ばれる悪の組織の手下です」

「あ……悪の組織ですってぇー!」


 ヤバい、姉貴の目が今までにないぐらい輝いている。


「奴らの目的は日本を乗っ取ること。ワタシはそれを止めるため一人で対抗してきました……が、やはり一人では無理でした」


 あんた細すぎだしな。


「そこでワタシは仲間を捜すことにしました。ワタシはジーレンジャーのファンで、正義のヒーローが大好きです。ですから、仲間はいかにもヒーローらしい名前の人が欲しかったのです」

「それが私と勇気?」

「はい。だってあなた達の名字、『聖木せいぎ』じゃないですか」


 字、違うし。読み方が同じなだけだし。


「これも運命なのね……」

「はい、運命なのです」


 迷惑な運命だ。


「で、私達にデッドと戦えと?」

「はい、その通りです」

「ふざけんな!」


 俺が叫んだ。


「帰れ帰れ。なにがデッドだ馬鹿馬鹿しい。あんたの妄想ゴッコに付き合っている暇なんかないんだよ!」

「いやだなぁ、まだ今日出会ったばかりですのに」

「そっちの付き合うじゃねーよ!」

「日本を救ったあかつきには、貴方は本物のヒーローですよ」

「……本物のヒーロー?」


 日本中の人達が俺達を敬い、憧れる。しまいにはテレビに出たり、学校の教科書に載ったりするかもしれない……。

 けっこうイイかも?


「その顔、OKってことですね」

「いや、まだ決断は――」

「では武器を渡しましょう」


 無理矢理かよ。

 ハカセは武器とやらを取り出し、姉貴にはさっきの剣を渡した。姉貴は嬉しさのあまり飛び跳ねている。

 俺の武器は……なかった。


「勇気クンの武器は、まだ制作途中です。もう少し待ってください」


 用意が悪いな。

 姉貴は念願のヒーローになれたから本当に嬉しそうだ。貰った剣を振り回して張り切っている。


「これで私も正義のヒーロー……。ハッ! 組織名とテーマソングを考えないと!」


 そう言って姉貴は自分の部屋に閉じこもった。


「じゃあワタシは武器制作を進めます」


 ハカセはテーブルに謎の部品を散らかし、それを組み合わせ始めた。

 俺は……。


「勇気ッ!」


 再び姉貴が現れた。


「あんたは仲間を集めなさい」

「仲間を?」

「友達とか適当に誘いなさい。でも三人までにしてよ、ジーレンジャーと人数を合わせたいから」


 五人揃ってジーレンジャー! みたいな決め台詞とかも考えるつもりだな姉貴め。

 でも仲間は必要だ。捜しておくにこしたことはない。

 それにしてもデッドか……。きっとヒトデ人間みたいに変な怪物がたくさんいるんだろうな。

 ……あ、もし相手が巨大化したら、俺達も巨大ロボットとかに乗って戦うのかな?

 うわ、ちょっとイイかもと思ってしまった。

 ……ヤバい、ちょっと楽しくなってきた。

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