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えしん(旧)  作者: 松歳 夕御飯
第二章「首吊り死体事件」
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近所

前回のあらすじ

村を探索することにしました。

お腹が減りすぎて何もできないのでとりあえず集会所備え付けの非常食を食べることにした。氷砂糖美味しい。さて、前田原と円方はほっといてあとの全員で村を探索することにした。まずは豪邸である。

「ここに通信機器があればハッピーエンドなんだけどなあ」

純が言う。確かにその通りだ。なぜ、どのようにどこに連れてこられたかはわからないが、外と連絡さえ取れれば何の問題もなく元の生活に戻ることができるだろう。しかし、ここに来てからというものの、動く機械を見ていない。誰の携帯もつかないし、例の学校でも電気はつかなかった。集会所では照明が見当たらないのに明るくなった。僕らがなぜか使える超能力になにか関係はあるのだろうか。

さて歩いているうちに豪邸の門を通り、庭に入った。庭も広い。芝が広がり、花園まであって、高級感溢れるテーブルと椅子の組もある。あそこで紅茶を飲むのもいいな、などと思っているといつの間にか豪邸の扉の前についていた。扉もでかい。この家の主は身長が2mある人を呼ぶことでもあるのだろうか。なるほど、糟谷社のドアか。聞いたことのない会社だ。

「それじゃあ扉開けるよー」

と言って夜鬼が思いっきりドアを押す。しかし開かない。そりゃあそうだろう、ドアノブをひねっていないんだから。すると、夜鬼が瞬間移動しながらすごい速度で扉に向かって技を繰り出し始めた。しかし開かない。

「だめだ、これ本人認証しないと開かない感じの頑丈なドアだ」

夜鬼が言う。ここで時間を割きすぎても無駄なので、二班に別れて村を探索することにした。例の殺人犯がどこかにいるかもしれないので、戦力を考えて分けた結果、圧倒的な戦力を持つ夜鬼がいる夜鬼・馬原班と、防御の僕と強さ未知数の純がいる原樫・美沙原班ができた。こちらの班はこの豪邸の探検することになった。夜鬼・馬原班は豪邸以外の村の調査をするらしい。

「じゃあ行ってくる」

そう言って夜鬼は瞬間移動した。馬原さん置いてけぼりなのに気が付いたのか、もう一回瞬間移動で戻ってきた。

「ごめんごめん」

こいつは本当に大丈夫なのだろうか。今度は一緒に歩いて豪邸の門のほうに歩いていった。

さて、再度扉を見る。純が思いついたように扉を引く。


開いた。


開いてしまった。


鍵とか関係なかった。


ただ引く種類のドアだった。


純も驚いている。そりゃあそうだ。さて、中に入った。やはり広い。

そして豪邸に相応しいロビーが広がっている。さて、どこから探索しようか。大階段の横に部屋の入口がいくつもある。

そのとき、急に風を切る音が聞こえた。身構える。

「ザクッ」

という音が聞こえた。ゆっくりと目を開けると、フォークが目の前で静止していて、しばらくすると地面に落ちた。バリアに刺さったのか?だとすると体に当たっていたら・・・

「カランカリン」

金属独特の高音が館に響き渡る。純も戦闘態勢に入る。金属製の三つ歯の付いたフォーク。一体誰が投げてきたのかと前を見ようとしたそのとき、再度同じ風を切る音が聞こえる。また力を入れ、身構える。今度は目の前にナイフが刺さる。

「ザッ」

本当に目に刺さる直前で止まる。危ない。また地面に落ちる。

「カランカリン」

同じ音が聞こえる。いや違う。なにか別の音が

そのとき僕の視界の真ん中をなにかが通る。

判断する間もなくお腹に激痛が走る。

「うがぁっ」

言い表せないほどの痛み。痛い。刺さっている感覚ではなく、燃えているような感覚がする。いたい、体が言うことをきかない。痛い。それを感じている脳は劇物を放り込まれたような感覚。いたい、冷や汗が滝のように流れ落ちてくる。痛い。気をしっかりもたないと目の前が白くなっていく。

いつのまにか自分はうつぶせに近い体勢になっていた。ようやく動くようになった手でフォークを引き抜く。しばらくしてから体はうまく動かないが、周りの状態を確認できるようになった。

見てみると、純もフォークやナイフを投げられているようだ。

純はなぜ無事なのだろうか。見てみると、純の目の前に水が浮かんでいる。純の能力、水を浮かせられる能力である。そして飛んでくるフォークがそれに入ると方向が変わる。今使えるだけの脳を回転させて考える。そうか、水を回転させている。フォークをとめることができなくても、当たらなければ攻撃は受けないのだ。なるほど、能力をうまく使っている。フォークやナイフを投げていた主はとうとうしびれを切らしたようで、武器らしきものを持って走ってきた。それは女だった。

メイド服を着た女。女の人があんな強さでものを投げられるとは思わないので、能力によるものなのだろうか。しかし、接近戦に持ち込んでどうするつもりだろうかと思っていたら、素早い身のこなしで純がぶつけてくる水を避ける。純の水は細かい動きができるようだが、動きに速さがない。あっという間に純の近くに来た。

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